サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

【出版のお知らせ】サステナブル企業論~社会的役割の拡大と地域環境の革新

2010年03月20日 | 環境と経済・ビジネス
掲題の書籍が無事に出版となった。

信州大学が、環境省の「環境教育人材イニシアティブ事業」により、環境経営に係る新たなマスターコースを創設するにあたり、その一環として作成したテキストである。

私は、同コースで、昨年度、環境コミュニティ・ビジネス論の試行を担当することとなり、そのために実施した事例スタディ等をとりまとめ、テキストの原稿とした。

取りあげた事例は8事例。環境コミュニティ・ビジネスという実態がよくわからないものを、私なりに再定義し、該当する事例をもって、具体像を明らかにしてみた。

NPO活動以外で本格的にビジネスを行っており、環境配慮はもちろん、消費者との関係や地域内の有機的産業連鎖等(社会関係資本)に配慮しているビジネスが、私が取り上げたかった対象である。

本音をいえば、該当するビジネス事例は少なく、ヒアリング先の選定に苦慮した。域内市場は小さく、その中で環境配慮を求めるセグメントはさらに小さいからだともいえる。

しかし、環境配慮に熱心な地域では、環境配慮がメインストリームになる可能性はある。行政や他地域との連携、インターネット・コミュニティの活用等により、新たなビジネス・モデルの創造も、まだまだ可能である。

私は、商店街、工務店、地域金融機関など、もともと域内市場をターゲットとしたビジネスに注目したい。また、地球温暖化対策等から、地域の森林資源、バイオマス、太陽光等を活用するコミュニティ・エネルギー・ビジネス(CEB)も増えてくるだろう。

地域交通の担い手である、バス、ローカル鉄道等も、環境コミュニティ・ビジネスとして期待できる。

廃棄物関連では、リペア、リユース等も地域密着が基本であるし、さらに環境配慮やコミュニティとの関係づくりを前面に打ち出していくことができるだろう。

これらのビジネスが、コミュニティとの本来的な関わりを再構築し、環境配慮というイノベーションを持ち込むことで、サステナブルな地域を創造していくことに期待したい。

出版社URL:

https://shop2.genesis-ec.com/search/item.asp?shopcd=17262&item=978-4-502-67470-9
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「杜の都」地球温暖化対策推... | トップ | 社会関係資本 ~持続可能な... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

環境と経済・ビジネス」カテゴリの最新記事