サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

3つの普及ステージ ~どれだけ能動的に環境イノベーションに関わるか

2008年07月20日 | 環境イノベーションとその普及
写真:エキナセア(庭咲き)
 

 環境配慮の普及は、主体の能動性の観点から、3つのステージで捉えることができる。


■第1ステージ 受動的

 第1ステージは、受動的な環境配慮商品の購入(行動の採用)段階である。例えば、環境配慮商品の購入でいえば、詰替容器入り洗剤・シャンプーや省エネ家電製品などの購入は負担が少ない。

これらは、環境配慮意識に関わらず購入をせざるを得ない商品であるが、新規商品が基本的に環境配慮型であり、環境配慮意識がなくとも、結果として環境配慮商品を購入することになる。

また、購入の代替案として環境配慮型の商品とそうでない商品があるとしても、代替案間の価格差や品質の差も小さい。

 こうした行動や商品の普及速度は早く、普及対象に広がりもある。

 チーム・マイナス6%の運動により広がっているクールビズ等は、負担感がないうえに、服装のおしゃれさを楽しむことができるなど、自己充足感を伴うことが普及を促した。


■第2ステージ 能動的

 第2ステージは、環境配慮に規範をおき、能動的に環境配慮商品の購入(行動の採用)を行う段階である。

 例えば、ハイブリッドカーは助成制度があるとはいえ、代替自動車と比較するとコスト負担が発生する。新エネルギー発電にいたっては、これまで家庭内にあった商品ではなく、生活に必需な商品ではない。

環境配慮を意識し、それを重視して、能動的に環境配慮を行う場合に追加的に設置することになる。


■第3ステージ 社会的

 第3ステージは、自らの環境負荷削減だけでなく、他主体に呼びかける社会的な環境配慮行動をとる段階である。市民共同事業への参加等は、他主体との連携により、新たな生活様式(生業様式)の創出をしていく可能性を持っている。

 第2ステージは、自らの生活改善や創造に留まるのに対し、第3ステージは、社会の改善や創造に意識する社会行動の段階である。
 

 以上のような3つのステージで考えると、日本では、第1ステージが一定程度広がっている(例えば数割が実施)が、第2ステージは一部の特定の層にのみ導入されている(例えば数%が実施)とみることができるのではないか。


 この3つのステージを捉えた場合、チーム・マイナス6%的な工夫により、第1ステージの普及をさらに加速させることが課題となる。

 次に、第2ステージの普及にも努める必要がある。例えば、初期投資を伴う太陽光発電あるいは省エネ改修等を一般世帯にも普及させていくことが求められる。ハードウエアの変更なしに、大きな二酸化炭素排出削減効果は得られない。

 第3ステージの行動は、家庭での二酸化炭素の排出防止のみならず、地域の経済や社会、コミュニティのあり方を持続可能な形に変えていくうえで、重要である。この第3ステージを視野にいれた普及施策が求められる。

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