サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

イノベーションの普及しやすさ

2008年08月08日 | 環境イノベーションとその普及
写真:ヒマラヤタンポポ


ロジャースによれば、普及速度は、5つのイノベーション属性に規定されるという。これを、環境イノベーションへの当てはめてみよう

1.相対的有利性

 ・イノベーションを利点があるものと知覚する程度。利点とは、
  経済的観点、社会的威信、便益性、主観的な満足等。
 ・相対的有利性が高いほど、普及が速い。

 ●環境配慮による環境改善効果が大きい場合は普及しやすい。

2.両立性

 ・イノベーションが潜在的採用者の価値、過去経験、欲求と一致している
  と知覚される程度。
 ・社会システムの主要な価値や規範と両立しない場合、普及は遅い。
 ・非両立的なものの採用には、新しい価値体系の採用が必要。

 ●環境配慮によるコスト削減効果があるものは普及している。 
  例:省エネ家電、燃費のよい車

3.複雑性

 ・イノベーションを理解したり、使用することが難しいと知覚される程度。
 ・新しい技術や知識を習得する必要がある場合、普及は遅い。

 ●環境配慮であることが第三者に保証されている場合は普及しやすい。 
  例:エコマ-ク付き商品

4.試行可能性

 ・イノベーションが小規模で実験できる度合。
 ・分割して試すことができる場合、より急速に採用される。

 ●実行容易な環境配慮は普及しやすい。 
  例:簡易包装

5.観察可能性

 ・イノベーションの成果が人々に見える度合。
 ・イノベーションの成果を容易に見ることができるほど、採用の傾向がある。
 ・可視性は、仲間同士の話し合いを刺激する。
  イノベーション評価情報が伝達される。

 ●目に見えるところに設置するような環境共生装置は普及しやすい。 
  例:ソーラーパネル


出典)ロジャース「イノベーションの普及学」

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