写真:エキナセアとアガパンサス
■チェンジ・エージェントの役割と秘訣
ロジャースの普及理論では、チェンジ・エージェントについても、示唆深い知見を記している。以下に抜粋する。
ここでチェンジ・エージェントは、普及対象者のイノベーションの採用決定を促す役割をもつ個人のことをいう。
・チェンジ・エージェントは、2つの問題に直面する。1つめは、彼らの社会的境界性という問題である。これは、彼らが普及機関と普及対象者の中間的な立場にあることに由来している。2つめは、情報過多の問題、すなわち過剰な情報が処理され利用されることができず、行き詰まる状態に直面することである。
・チェンジ・エージェントの役割は、次の7つである。
(1)普及対象者の変化への欲求を高める
(2)情報交換関係を確立すること
(3)普及対象者達の問題を診断する
(4)普及対象者に変化への意欲を持たせる
(5)変化への意欲を行動に変える
(6)採用行動を定着させ、採用中止を防ぐ
(7)普及対象者との最終的関係を作り上げる
・チェンジ・エージェントの成果目標は、普及対象者におけるイノベーションの採用を揺るぎないものにすることである。この成功を規定するチェンジ・エージェント側の要因として、次の点がある。
(1)普及対象者と接触を持とうとする努力する
(2)普及機関志向でなく、むしろ普及対象者志向である
(3)普及計画が普及対象者の欲求と合致する
(4)普及対象者に感情移入する
(5)普及対象者との同類性が高い
(6)普及対象者に信頼されている
(7)オピニオン・リーダーを通して仕事をする
(8)普及対象者におけるイノベーション評価能力が増大している
■普及補助員の役割
また、ロジャースは、普及補助員の役割を積極的に位置づけ、次のような知見を記している。
・補助員は、普及対象者のイノベーション決定に影響を与えるために集中的に普及対象者と接触するチェンジ・エージェントに比べ、それほど専門家ではない人々である。
・補助員は、(専門的なチェンジ・エージェントと比べて)より費用をかけずに普及対象者と接触することができる。さらに、専門的なエージェントと普及対象者、特に社会経済的地位の低い普及対象者との間にある異類的ギャップに橋渡しをして、援助することもできる。
・補助員は、コミュニケーションの情報源あるいはチャネルが信用できるという知覚(安全信頼性)において、優れている。
・補助員の持つ安全信頼性は、彼らと普及対象者システムとの同類性に由来している。
■市民主導的普及システム
ロジャースは、古典的な普及モデルに代わる市民主導的システムの存在についても指摘している。
・古典的モデル(中央集権的普及システム)においては、イノベーション決定(例えば、どのようなイノベーションを普及させるのか、それらをどのようにして普及させるのか、誰に普及するのかといった決定)に関する統制が、政府の役人や技術担当の専門家によって全面的に行われる。
・中央集権的システムにおける普及は、一方向的で直線的で、専門家から使用者へという上から下への流れである。
・これとは対照的に市民主導的普及システムは、システムを構成する成員の間で権力と統制が幅広く共有されるものである。
・市民主導的システムでは、イノベーションは研究開発システム(R&Dシステム)から生み出される代わりに、一般使用者など非専門家達の現場での経験から生み出される。
出典)ロジャース「イノベーション普及学」
■チェンジ・エージェントの役割と秘訣
ロジャースの普及理論では、チェンジ・エージェントについても、示唆深い知見を記している。以下に抜粋する。
ここでチェンジ・エージェントは、普及対象者のイノベーションの採用決定を促す役割をもつ個人のことをいう。
・チェンジ・エージェントは、2つの問題に直面する。1つめは、彼らの社会的境界性という問題である。これは、彼らが普及機関と普及対象者の中間的な立場にあることに由来している。2つめは、情報過多の問題、すなわち過剰な情報が処理され利用されることができず、行き詰まる状態に直面することである。
・チェンジ・エージェントの役割は、次の7つである。
(1)普及対象者の変化への欲求を高める
(2)情報交換関係を確立すること
(3)普及対象者達の問題を診断する
(4)普及対象者に変化への意欲を持たせる
(5)変化への意欲を行動に変える
(6)採用行動を定着させ、採用中止を防ぐ
(7)普及対象者との最終的関係を作り上げる
・チェンジ・エージェントの成果目標は、普及対象者におけるイノベーションの採用を揺るぎないものにすることである。この成功を規定するチェンジ・エージェント側の要因として、次の点がある。
(1)普及対象者と接触を持とうとする努力する
(2)普及機関志向でなく、むしろ普及対象者志向である
(3)普及計画が普及対象者の欲求と合致する
(4)普及対象者に感情移入する
(5)普及対象者との同類性が高い
(6)普及対象者に信頼されている
(7)オピニオン・リーダーを通して仕事をする
(8)普及対象者におけるイノベーション評価能力が増大している
■普及補助員の役割
また、ロジャースは、普及補助員の役割を積極的に位置づけ、次のような知見を記している。
・補助員は、普及対象者のイノベーション決定に影響を与えるために集中的に普及対象者と接触するチェンジ・エージェントに比べ、それほど専門家ではない人々である。
・補助員は、(専門的なチェンジ・エージェントと比べて)より費用をかけずに普及対象者と接触することができる。さらに、専門的なエージェントと普及対象者、特に社会経済的地位の低い普及対象者との間にある異類的ギャップに橋渡しをして、援助することもできる。
・補助員は、コミュニケーションの情報源あるいはチャネルが信用できるという知覚(安全信頼性)において、優れている。
・補助員の持つ安全信頼性は、彼らと普及対象者システムとの同類性に由来している。
■市民主導的普及システム
ロジャースは、古典的な普及モデルに代わる市民主導的システムの存在についても指摘している。
・古典的モデル(中央集権的普及システム)においては、イノベーション決定(例えば、どのようなイノベーションを普及させるのか、それらをどのようにして普及させるのか、誰に普及するのかといった決定)に関する統制が、政府の役人や技術担当の専門家によって全面的に行われる。
・中央集権的システムにおける普及は、一方向的で直線的で、専門家から使用者へという上から下への流れである。
・これとは対照的に市民主導的普及システムは、システムを構成する成員の間で権力と統制が幅広く共有されるものである。
・市民主導的システムでは、イノベーションは研究開発システム(R&Dシステム)から生み出される代わりに、一般使用者など非専門家達の現場での経験から生み出される。
出典)ロジャース「イノベーション普及学」