サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

リユース容器ビジネス

2009年06月28日 | 環境と経済・ビジネス
写真:キキョウ


山梨の増穂町を拠点とする「NPO法人スペースふう」をたずねた。

同団体は、リユース容器の貸出事業を地域発で全国に展開している。環境コミュニティ・ビジネスの事例としても、よくとりあげられるところだ。

普通(?)の主婦が地域活動をしているうちに、講演でドイツのリユース容器のことを知り、「これで日本を変えるんだ!」とスタートしたという。

詳細は、別途連載原稿等で記述するが、2点ほど特記しておく。

◆巻き込み力のすごさ

・スペースふうの事業は、大学の先生に相談し、県内企業を紹介してもらい、その支援を得て、立ち上がっている。

・環境省のアドバイスや経済産業省の助成、県内有力NPOの知恵をもらい、事業拡大を果たしている。

・県や町も顧客となり、イベント時にリユース容器を利用している。また、町は、リユース容器の利用料金の半額補助をしている。

・各方面の社会関係資本を活かした結果、毎年事業規模は拡大し、年間数千万円の売上げをあげるまでとなっている。

◆ビジネスとしての市場性?

・スペースふうは、山梨県のサッカーをはじめ、県イベント等では、ほとんどリユース容器を利用してもらうまでになっている。しかし、スペースふうの売上げのうち、県内市場分はわずかに過ぎない。

・スペースふうのノウハウを導入して、全国各地に同様の事業を行う拠点がつくられ、容器を融通しあうネットワークをつくっている。しかし、各拠点は、スペースふうと同様に地元行政や企業等との関係をつくれるわけではなく、苦労している場合も多い。

・そもそもイベントは、夏・秋、週末に集中する。リユース容器事業においても、設備投資や人員確保もピークに合わせて行う必要があるが、閑散期との差が大きく、採算をとりやすいビジネスとならない。


地域市場にこだってしまうと、環境ビジネスは成立しがたいのが実態であろう。大市場である東京等をターゲットする展開も、ビジネスモデルとして必要なのだろう。

次は、ガソリンスタンドで廃油回収とバイオディーゼル製造をしている事例を訪問する。
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