山恋風来坊

生業は植木屋。趣味は山歩き、無農薬有機栽培。この頃は古道を探求し、その道、峠、山を古人に思いをはせながら歩いている。

寒の雨

2009-01-31 17:34:53 | Weblog
   この地方には寒の雨は豊作との言い伝えがある。

   大寒は過ぎたとはいえまだ寒いはずのこの時期

   雨の一日になった。

   原因は今の科学ではまだよくわからぬらしいが、

   暖かい冬が続いているのは実感する。

   巷では、大手企業の赤字決算、大量解雇、そして失業者の増大

   どうもいい話はない。



   映画のDVD「阿弥陀堂だより」をみる。

   撮影地の飯山は山に行った時に歩いた。

   正受庵の水鉢は造園家なら知らぬ人はいない名品でもある。

   映画の場面と、実際に歩いた場面が重なり、印象深い。

   季節により変わる景色は心の癒に最高だ。

   北信濃の冬はなんといっても雪。

   この世とあの世との境までもなくしてくれる。

   こんな百年に一度の危機の時こそ、

   忙し過ぎた今までの生活を見直し、

   「人生とは」、「生きるとは」と問い直すチャンスではないだろうか。

   寒い寒い北信濃にも、春は必ずやって来るのだから。






マンホール

2009-01-29 21:14:41 | Weblog

   上田でも下水道がかなり整備された。

   多くは広域の公共下水道で、汚水を近くの処理場に集め処理。

   昔からの小川はきれいになり、無毒にして川に放流するから

   下流もきれいにとの触れ込みで、この工事がこの数年行われた。

   本管に個人の家からつなぐのには、もちろん個人の負担。

   大体の家は、厨房、お風呂といった水まわりを一緒に

   工事するからかなりの金額になる。

   社会資本の整備で本管敷設、後は個人の努力で供用する。

   利便性にはお金がかかるが,河川の浄化、公衆衛生を考えればと

   ほとんどの家は供用している。

   だが、今の家庭で使う物には、ありとあらゆる化学物質が含まれている。

   それが流れて集まるのだから、ほんとに無毒になるのか

   私は疑問だ。

   洗剤の界面活性剤一つをとっても

   どうして無害の水として流せるのか。

   科学では反応が複雑で結果が出ないのではないか。

   結果が出ないのは、ない方に解釈、これが科学だ。

   マンホールの蓋には地域の特色がきれいな模様になっていた。

   蓋の表はきれいだが、蓋の下には、あらゆる化学物質が流れていく。

   利便性と環境保全は両立するものなのか。

   化学物質の使用にはもっと厳しい規制が必要な気がする。


全訳

2009-01-28 18:14:18 | Weblog

   オバマ米大統領の就任演説。

   中国での訳「全文」は、

   一部に抜けて訳されていない部分があったと

   朝日新聞のコラムで読んだ。

   特定の字句を抜いて訳すと言うのは問題外だが、

   翻訳は本当に難しい作業かと思う。

   本来国によってその歴史も文化も違うのに

   ただその文字同士の字句交換作業で、

   意味が本当に通じるのかといつも疑問に思っている。

   もちろん翻訳家は文化、歴史の違いも考慮して

   訳してくれるのだから大変な能力がいることはわかる。

   今国際語は英語だから、小さいうちから身につけようと

   小学校で英語の授業を始めるそうだ。

   通訳など要らぬ時代がもうすぐにも来そうだが…

   一体言語文化というものはそれほど薄っぺらなものでもあるまい。

   子供の頃から英語に親しんで、国際人を養成するより

   日本の古典でも読ませる方が先ではないのか。

   自国の文化も学ばぬうちに、英語。

   そんなレベルの通訳は翻訳器に任せればいいのだ。



冬の山も高齢化

2009-01-27 19:44:58 | Weblog

   昨日は山の上はオー寒い。

   今日は打って変わって暖かな日。

   昨年知り合った岳人夫婦を案内して雪の山へ。

   もちろん定年退職した、有貨有暇のご夫婦。

   高峰温泉に泊まり、水ノ塔山まで、スノーシューで歩く。

   昨夜は宿にテンが現れて、彼らは大感激。

   ランプの湯にも満足。

   いろんな鳥、リスなど野生の動物にもあえて自然を満喫。



   歩いた後は、そばでお腹を膨らませ、雪上車で送られて帰途に。

   冬の山は天気で様子が全く変わる。

   今日は初心者には最高の日和だった。

   この宿、中高年のリピーターが多い。

   本日、黒斑山に登ったパーティは

   最高齢が85才、後は80才が二人平均年齢は77才。

   皆50年からの大ベテラン。60代はひよっ子。

   山は山でも雪の冬山。



   いくら初級とはいえ恐れ入った。

   名は明かさなかったが、かなり有名な昔からの山岳会だそうだ。

   はぁー、それにしても、冬の山も、高齢者の世界に。




朝湯

2009-01-25 18:00:47 | Weblog

   ここ上田にもいくつか公共の温泉がある。

   めづらしく朝湯に出かけた。

   室賀にある「ささらの湯」

   朝まだ暗い中、車の赤いテールライトが列をつくる。

   朝風呂ファンは相当に多いようだ。

   お風呂の中もかなりの混み方。

   日本人は本当に温泉好きだ。

   もう40年も前、秋田の八幡平で測量のアルバイトをしていたことがあった。

   仕事が終わり、一ヶ月ぶりに東京に帰る日の朝

   宿舎の道挟んだ反対側の赤川温泉の朝湯にいった。

   いつもは夕方しか入らぬその温泉に

   朝の明るい光の中で出かけた。

   湯舟に入ろうとすると、逆光の中に女性の姿。

   はっと見ると、温泉のオーナーの女将とその娘さん。

   まだまだ、若かった自分はカチカチになって湯に浸かった。

   その湯は白濁の温泉だったのに。

   今ならなゆっくりとみちのくの話など聞いて楽しめたのに

   若いと言うことは、身も心も開花していないのだ。

   その温泉はその後土砂崩落で埋まってしまったと聞いた。



納棺師

2009-01-24 19:17:12 | Weblog

   初めて聞いた。

   庭師なら想像がつくが…納棺師?

   あの世に旅立つときに、ご遺体を身づくろいしお棺に納めるプロ。

   「おくりびと

   自分の死生観をすべて出さねば勤まらぬ仕事。





    この視点から死を見つめるとはすごい。

    こんな監督(滝田洋二郎)がいるなんて、驚きだ。

    最後に、火葬場の老職員が、「死とは門である」という。

    死は通過点でこれからも旅は続くと

    だから、もっとも美しくして旅立たせるのが、納棺師の役目。

    この映画、どの役者もうまい。

    主演の本木、妻役の広末もうまいが、やはり山崎努はさすがだ。

    それに、子供を帯広に捨ててきた女役の余貴美子の

    「お父さんに逢ってやって!」の場面、本当にうまい。

    感動の映画だった。





好物その2

2009-01-23 17:30:30 | Weblog
   今朝はばか陽気。ほうれん草とニンジンを収穫。

   土は全く凍みていなかった。


     昨日、魯山人の「うまい」に触れたが、

   「音」と言うのは、たとへば、数の子を噛んだときに出る音。

    これも「うまい」に大いに関係があるという話。



           朝食ー漬物やら、生野菜ばかり。

  この味覚で不安なことがある。

  それは今の若い方々は、本当の味を知らないと言うこと。

  味のうまみ成分を、分析しておいしい成分を抽出、合成。

  このやたらと濃厚な味(人工的味)に慣れ親しんでいる。

  正確には慣れ親しまされている。

  そんな食品しか手に入らない時代に生きている。

  タバコの害はうるさく騒がれるが、

  お菓子、食品などの人工的な調味料や、添加物については安全だけが強調される。

  体には安全かもしれないが、本当に「うまい」微妙な感覚は麻痺する。

  私の考えではこの若い頃の記憶が、いくつになっても残るから、

  薄味の本物の「うまみ」には鈍感になる。

  私の好物も、私だけの時代で終わるのかと思うと、

  何かさびしくなる。

好物

2009-01-22 19:46:26 | Weblog
   今朝はみぞれ。

   この時期珍しく暖かな朝になった。

   7時になってもまだ薄暗い、庭園灯に霞んだ木々はとても幻想的だ。

   毎日眺めている景色も毎日違う。

   自然は無限の組み合わせを用意していてくれるから楽しい。

   この時期には今だけの楽しみがある。




   鏡餅の固焼き。私の一番の好物だ。

   神さんは子年でもないのにと呆れている。

   子供の頃はお風呂を沸かしながらその火に入れて焼いた。

   もちろん炭火で焼くともっとおいしくなる。

   こげめをつけるように強火で焼いて、

   まだ硬くて、歯ごたえが相当あるうちに食する。

   この薄こげた臭い、歯ごたえ、喉越しの感触。

   アー最高。

   魯山人が「うまい」とは、臭覚、触覚、味覚、音・・などの

   総合だと書いていたように記憶しているが、

   ここにもう一つ子供の頃の味の記憶を付け加えたい。



おいしい水

2009-01-21 17:38:21 | Weblog
   水がなければ生きれない。

   これは動物も植物も命あるものの宿命だ。

   この水は本当に不思議な物らしい。

   いろんな理論もあるし、いろんな名の水も売られている。

   何しろ、今の水道水はまずい。

   殺菌剤の塩素の臭いが強烈だ。

   私が子供の頃は、隣を流れる川で、お釜や、食器も洗っていた。

   飲み水はもちろん自宅の井戸。

   井戸水を汲んで、大きな甕に運ぶのが子供の仕事だった。

   この甕からひしゃくで汲んで、飲んだり、お米を洗ったり、料理したりしていた。

   昭和40年頃には公共水道が普及し始めたが、

   我が家は、父がそれ以前に自家用のポンプを取り付けて居たので、
 
   50年過ぎまで公共の水道に切りかえずに、井戸水を使っていた。

   ところが、この井戸水は周り中で使っているうちはいいが、

   一軒だけしか使わなくなると、水がよどんで水の品質が落ちてくる。

   ある時、水質検査に出すと、透明度を眺めただけで、不適とされた。

   それで公共水道に切り替えたのだが、水がまずい。

   蛇口に浄水器をつけているが、自然の水の方がおいしいと言うので、

   昔、食器を洗っていた川の源流から飲み水は汲んで来ている。

   石油を使って二酸化炭素を出して持ってくるのだから、

   環境への負荷を考えると、なんとも複雑な思いだ。