korou's Column

2024.5.1 音楽ブログとして再スタート。

世代交代

2015-10-18 | その他

今日は野球の話。

 

今年は、数十年に1回ある、野球界における世代交代の年になりそうだ。

その意味で

本当は野球観戦のファンなのに何かの都合で今年野球をあまり見られなかった人は

すごく後悔することになるかもしれない年になったと思う。

実際、私も、長年のMLBファンなのに

今年前半は全然MLBのチェックを怠っていて

今になって慌てて新しい選手の知識を仕入れ始めている次第。

 

画期的なのは

MLBだけでなく、日本のプロ野球でも

世代交代がはっきりと感じられる年になっているということ。

これほどハッキリとした世代交代の感覚自体が珍しいのに

それが日米同時に同じ年に起こっているというのは

長い野球の歴史のなかでも初めての出来事ではないだろうか。

 

MLBでは、かつて1946年に

新旧交代というか

いかにも戦後すぐの時代にふさわしい新鮮な顔ぶれが出揃い

テッド・ウイリアムス、ジョー・ディマジオなどのスター選手も健在なまま

米国野球史上最高のシーズンとなったことがある。

そして、それから30年後の1975年のシーズン。

NFLなどの人気に押されっぱなしのMLBに

一体どうしたのかと皆驚いたほど有望な新しいスター選手が大挙して出現。

彼らは、MLBの人気回復に大きく貢献し

その後のアメリカ野球界を10数年リードしていった。

(この流れからいえば、野茂英雄がMLBでデビューしたのが

 1995年だったのはラッキーだった。なぜなら、それら実力派スターが

 ほぼ引退してレベルダウンした時期に彼は渡米したのだから。

 もう5年早ければ、野茂はあれほど活躍できなかっただろう)

 

そして3度目の大量ニューカマーの年が、今年、2015年。

 

ナ・リーグは、今、メッツとカブスでリーグ優勝決定戦を行っているが

シーズン前にこの組み合わせを予想し得た人は皆無だろう。

どちらも地区最下位に沈んでもおかしくない戦力だったからだ。

ところが、カブスには、今やリーグ最多勝投手であるジェイク・アリエッタがいる。

リーグNo.1プロスペクトという評価そのままに

今季一気にリーグ最高のホームランバッターとなったクリス・ブライアントがいる。

今やアリエッタ、ブライアントの名前を知らずしてMLBファンとは言えないが

昨年までは、アリエッタは並の投手、ブライアントは実績ゼロの新人だった。

 

一方のメッツには

マット・ハービーという天才投手の存在だけが知られていて

そのハービーがトミー・ジョン手術となった一昨年後半以降

チーム内の有望スター選手は皆無という状態だったのに

今や、ノア・シンダーガード、ジェイコブ・デグロームといった凄い球を投げる投手が続々現れ

打つほうでも、デイヴィッド・マーフィー、ヨエニス・セスペデスなどが

これまで以上の強打ぶりを発揮し始めた。

 

以上名前を書いた選手は、アリエッタ、マーフィー以外は全員

3,4年前には無名の存在だったし

アリエッタ、マーフィーにしても、ぎりぎりレギュラーという程度だったのだが

今や全員MLBを代表するスター選手である。

 

ア・リーグにしても

昨年のロイヤルズの奇跡的な大躍進でその兆しはあったのだが

今年になって、アストロズを中心に次々とスター選手が誕生し

一気に世代交代が進行することとなった。

アストロズのダラス・カイクルは、今やリーグ最多勝投手だし

コリン・マクヒューも19勝を挙げてリーグ2位の勝ち星をマークしている。

カイクルもマクヒューも、昨年に奇跡的な成長を遂げて

将来有望な選手ということにはなっていたのだが

今年は、もはやヤンキースとかレッドソックスなどの投手陣を遥に凌駕する

リーグ有数の投手陣を形成するに至っているわけだ。

カイクル、マクヒューの驚異的な成長ぶりの前には

同じく昨年に鮮やかなデビューを飾ったヤンキース・田中将大投手の存在も

色あせてしまうほどだ。

 

いちいち選手名を書いていけばキリがないので

このへんで止めておくとして

それらの新しい有望な選手たちは

現実に、所属するチームを好成績に導き

プレーオフの時期になっても活躍し続けている点が

ここ数年のニューカマーたちと違うのである。

シーズン前は

それらのホープたちがそこまで活躍するとは思わないので

やはり今までに実績を残した選手が多く所属するチームを

優勝候補として挙げてしまった人がほとんだだった。・

ところが、実際には

ア・リーグだと

三冠王ミゲル・カブレラのいるタイガースとか

MLB最強打者の一人プホルスとMLBNo.1ホープのトラウトがいるエンゼルスとか

MLB最高のDHオルティーズに加えて、強打者ラミレス、サンドバルを補強したレッドソックスとかは

今回プレーオフに出場すらできなかった。

ナ・リーグでも

リーグ有数の速球投手ストラスバーグに、MLBNo.2ホープのハーパーに加えて

サイヤング賞投手シャーザーを補強したナショナルズとか

バムガーナー、ハドソン、ケイン、ピーヴィー、リンスカムという超強力投手陣を誇るジャイアンツとかは

やはりプレーオフ出場を逃すことになった。

さらに、MLB随一の常勝チームであるカージナルス、MLBで球団年俸総額最高額のスター軍団ドジャースについても

さすがにプレーオフまでは出てきたものの

シーズン前にはろくにスター選手が居ないはずだったカブスとメッツにそれぞれ敗れてしまう結果となった。

 

本当に、今年実力を発揮し始めた新しいスター選手たちは

真の意味でのプロフェッショナルなのである。

何よりも、自分が所属するチームを優勝に向かって前進させる力を持っている。

そして、そういうスター選手が、上記以外にも各球団にかなりの人数で一挙に現れようとしている。

まさに歴史の変わり目と言ってよい。

 

☆☆☆

 

日本のプロ野球(NPB)でも

今年、新しい力が一気に花開いた感がある。

 

DeNAの筒香は、今や全日本チームの4番を打ってもおかしくない風格があるが

昨年まではとてもそんな打者ではなかった。

西武の秋山は、まだいくらか勝負弱いところがあるものの

今、全日本チームを編成するにあたって

秋山抜きの打線などは考えられない。

でも、昨年まではそれほどの打者ではなかった。

ヤクルトの山田は、その点、以前からの高い評価はあったものの

今年大きく飛躍したことは万人が認めるところだろう。

ソフトバンクの柳田も同様で、昨年までもホープとして知られていたが

今年さらに飛躍した一人である。

NPBにおいて、同じ年に、こんなに一気に

若い世代の打者が大きく飛躍したことは

そうそうないことである。

そして、MLB同様

山田と柳田はチームを日本シリーズにまで導き

チームを勝ち運に乗せる力を持っている。

(筒香は序盤のDeNAを波に乗せたし、

 秋山はチームをプレーオフにあと一歩のところまで持っていった)

 

もちろん、これら4選手以外に

今季新しい選手は、12球団ほぼすべてにわたって数多く出現した。

球団によっては

せっかくの新戦力が目立たないチームもあったが

全体として、例年以上に選手の新旧交代が目立ったように思われる。

そして、山本昌投手に代表されるベテラン選手の引退も

例年以上に多く見られることになった。

 

☆☆☆

 

このように新しいスター選手が続々と現れたので

2014年のプロ野球選手名鑑と2017年のそれでは

MLB、NPBともに、その大半が入れ替わっている可能性が高い。

我々は、今、プロ野球の世界において

歴史的な瞬間を体験しつつあるといってよい。

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2 コメント

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プロ野球 (ふくちゃん)
2015-10-19 07:31:58
お疲れ様です。
わたしも野球大好きです。メジャーはチラ見程度ですので詳しくは分かりませんが、プロ野球は我が阪神タイガースを中心に楽しんでいます。

確かに今シーズンは若い選手が台頭した面白いシーズンでしたね。
セリーグでは、ヤクルトのトリプルスリー+100打点の山田、首位打者の川端。
パリーグでもこれまたトリプルスリーの柳田、最多安打の秋山。
彼らは一気にタイトル奪取と記録更新をやってのけました。彼らの活躍に今後のプロ野球が楽しみになりました。これに続く若手も増えてほしいですね。

で、どうしても話しは我らがタイガースにならざるを得ません。
例年に違わず不甲斐ない試合で今年を終えてしまいました。(昨年はCS優勝しましたが、、、、)
肝心なとこでコケてしまう踏ん張りのきかないチーム体質はファンとして如何ともし難く歯がゆい思いをしています。
そこに金本新監督が誕生しました。コーチ経験がなくいきなりの監督という不安はありますが、選手への指導力は期待できそうに思います。
ですがここに問題があります。
球団からは土台作りと若手の育成を期待されています。しかし土台作りと勝つことは両立が難しいのですね。人気球団の宿命で勝つことも要求されますが、土台作りの結果負けることにファンと在阪スポーツ紙が我慢出来るのか不安なのです。
球団が守ってくれればいいですがどうなることやら。ファンの声が強いですからね。
あとはコーチ陣ですね。矢野や下柳の同級生トリオの名前も挙がっていますが、しっかりとした参謀がほしいとこです。

話しが尽きませんのでこの辺で。
また野球の話題してください。でももうシーズンオフですね。
返信する
阪神タイガース (korou)
2015-10-19 20:19:35
ふくちゃんさん、野球の話に反応頂き、ありがとうございます。

野球関係のネタは結構いろいろ持っているのですが
何せ、亜弥さんのことだけでも書くことがいっぱいあったもんで
なかなか野球ネタにとりかかることができませんでした。

阪神タイガースのネタとなると
江夏にサインをもらった話とか
掛布をサイン会場まで案内した話とかあるのですが
これはまた後日ということで。

今のタイガースは、かつてない妙な感じですね。
90年代のようなヒドい状態でもないのですが
若い選手の息吹が全く感じられず
戦力が固定してこう着状態に陥っていますね。
2015年の新戦力で目立ったのは江越くらい?
でも、江越の打率を確認してみると、.214なんですね。
思ったより低くてガッカリしました。
もっと凄い選手が登場しないとダメですね。

金本新監督ですが
もっと素材が揃ってから監督就任してほしかったと思っています。
でも、他に適任が居ないですからねえ。
しょうがなかったですね。
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