松浦亜弥のデビューシングル曲。
2001年4月11日リリース。
作詞・作曲:つんく、編曲は高橋諭一。
2000年6月、「第4回モーニング娘。&平家みちよ妹分オーディション」が行われ
合格者となった松浦亜弥は
翌年4月にこの曲でデビューした。
ハロプロで最初からソロでデビューする歌手は珍しいが
このあたりの流れは
オーディションの目的にも左右されるわけで
もし後藤真希がこのオーディションに応募して合格していたら
間違いなく、松浦亜弥の代わりにソロデビューしていただろう。
彼女はモー娘。メンバー追加オーディションの合格者だったので
いかにつんく♂がソロデビューさせたくても
仕方ないところだった(その逆も同じで、亜弥さんが追加メンバーオーディションに
応募して合格だったら、モー娘。メンバーになっていたはず。当たり前だが)。
それでも、つんく♂としては
後藤真希をソロ歌手としてプロデュースしたかったようで
2001年3月にシングル曲「愛のバカやろう」でソロデビューさせる。
当時の後藤の人気は相当なものだったので
オリコン初登場第1位をあっさりと獲得(初動26.8万枚の凄さ)。
ただし、当時の自分の個人的感想としては
なんでモー娘。在籍のままソロデビューさせるのか
納得できず不快だった。
このままではモー娘。もごっっちんも共倒れになると直感した。
後藤真希ファンだった当時の自分としては
「愛のバカやろう」というタイトルも気に入らなかったし
暗い感じの曲調がごっちんのデビューにふさわしくないように思えた。
とはいえ、あの後藤真希のソロデビューである。
その直後にデビューした当時無名の新人アイドルのことなど
全く目に入らなかったのも
今思えば仕方ないこと。
でも、当時あれだけ「ASAYAN」とかを見続けていたのだから
少しは「あやや」のことも記憶に残したかった。残念。
「ドッキドキ!LOVEメール」は
2001年4月23日付オリコンで初登場10位。
初動は2.6万枚で、「愛のバカやろう」の10分の1の売り上げだった。
翌週は19位、翌々週はベスト20圏外となり
最終的に7.2万枚を売り上げた。
☆☆☆
まあ、とにかくよくできた曲。
というか、こんな曲が1つでも作れたら最高だろうなあと思わせる曲。
まさに凡人としてはため息の出るような傑作である。
冒頭から、あたかもマーチのような規則正しいリズムが刻まれ
そのリズムに乗って
まるで文章を書くときの基本「起承転結」のような明確な構成で
メロディが流れていく。
(起)Gパン履くのに慣れた
(承)地下鉄もコツをつかんだ
(転)携帯メール打つのもだいぶ
(結)早くなったし
(たった今(この曲を改めて聴いてみて)気づいたのだが
(転)の部分が変則的な「後拍」というか「後ノリ」というか
(そのへんがバンド活動の経験のない私には表現し難いのだが)
リズムのとり方が
そこだけ明らかに違う。
ただし、全体としてきちんとした「前拍」で
行進曲のようなリズムになっていることに変わりはない)
そこからBメロに入り
「メールじゃこの気持ち」と歌った直後
それまでの規則正しいリズムが突如「裏拍」になる・・・うーん、この瞬間がたまらない!
こんなに見事な”裏拍転換”は他の曲で聴いたことがない。
髪の毛が逆立つような興奮を覚える瞬間だ。
この裏拍をサポートするのがライブでのファンの仕事。
あれは楽しいだろうな。
Cメロは再び「表拍」に戻るが(注:Bメロの途中で戻っているが、明確にはCメロから)
ここからはかなり繊細な音符の動きが見られ
それなのに聴いていてその動きが全然気にならないのが不思議だ。
結局、全体的な印象として
同じようなフレーズが手を変え品を変え次々と現れるように聴こえ
この時点で、ロンド形式の別の曲を聴いているような錯覚に陥る。
このように、Aメロ、Bメロ、Cメロがそれぞれに独立した個性をもっている曲なのだが
それでいて、それぞれを繋ぎ合わせただけのバラバラな曲ということでもなく
見事に融合されているところが奇跡的に思える。
セカンドシングル「トロピカ~ル恋して~る」も同じような構成なのだが
このデビューシングルほどの融合感は感じられない(また別の魅力があるとはいえ)。
とにかく職人技を駆使して、結果職人技以上のものを創り上げたという他ない。
☆☆☆
さて、動画は何を見ましょうか?
こういうのを見ると
この曲を歌っているときの
亜弥さんの歌唱の変化が明らかに分かりますね。
ドッキドキ!LOVEメール 松浦亜弥LIVE HISTORY
デビュー曲を超えられない歌手というのは多く存在しますが
亜弥さんの場合、亜弥さん自身が
軽々とデビュー曲のレベルを超えた歌手に成長していったように思われます。
だから、このLIVE HISTORYでは
後になればなるほど、この曲がつまらなく聴こえてくるという
珍しい現象が起きていますね。
これだけの素晴らしい曲なのに
その後の亜弥さんが目指す方向と違う楽曲になってしまった、ということだけで
亜弥さんの歌唱がこの曲にふさわしくなくなっているように感じます
(そう感じるのは私だけかもしれませんが)
だから、これだけ細々とこの曲を分析して
ここまで書きまくったというのに
この曲に関する亜弥さんのベストパフォーマンスは
この曲のそうした構造を無視した(つまり、今までの分析など何の意味もない)
全く別のアレンジによるものになるわけです。
なんだ、読みにくい理屈っぽい文章を読まされたあげく
それらは全部意味ない映像がお前の考えるベストかよ、と
お怒りになられるかもしれませんが
仕方ありません。
・・・音楽とは不可思議なものです。
(私の考えるこの曲のベストパフォーマンス<埋め込み無効のためリンクのみ>)
ドッキドキ!LOVEメール (Tb & W.Bass & B.cla & Tuba)/松浦亜弥 2004
LIVE HISTORYですからすべてLIVEなわけですが、年を経るごとに曲も増えてるしイメージというか訴求点も変わってきているんで、同じ楽曲でもLIVEの中での位置づけが変わってるんじゃないかと。
最初はこの曲がメインですから一生懸命歌うし、また、その年ごろにぴったりだから聞く方もすっと入ってくるわけですが、最後の方になるとノリのいい盛り上げ曲で、歌詞はもう意味がないというか、まともに歌えば歌うほど今の自分とあわないですよね。
しかし、ヲタ氏との関係性の中にこの曲を入れる必然性というか、お約束みたいなものがあって、やっぱり盛り上げには必要なんじゃないかと。
亜弥さんステージングの天才ですから。
ご推奨のベストテイクはLIVEじゃないし、年齢的にもギリギリといったころでしょうか。あまりにもすごい設定なんで私には罰ゲームにしか見えないんですが(あれは普通の人は絶対歌えないでしょ)。
詳しいいきさつはこちらに。
http://ameblo.jp/ayatachibana280/entry-12130772943.html
あれを初めて観たとき
「マニアックライブの原点はこれかな」と思ったくらいです。
実際に亜弥さん自身
こういう小編成のアンサンブルでの音楽活動で
大きな発見があったことを口にしています(その記事をどこかで見たのですが
どの記事か失念して、今、引用できません。あしからず)
バックの人たちは、結構有名な人たちだったりします。
私には十分説明できませんが。
オリコン10位とはいえ、
「ドッキドキLoveメール」が傑作と呼ばれる理由の1つが分かりました。
この辺りは、高橋諭一氏の功績が大と考えるのが普通なんでしょうか。
大人になっても、デビュー曲を歌うのは、大切なファンサービスですからね。
アヤまるさんの仰るように、みんなで楽しく盛り上がれば十分だし、
それも、歌の大切な役割だと思います。
松浦亜弥さんも「この歌、私にはもう似合わない。」などと言わずに、
末永く歌って欲しいと思います。
つんく♂氏、一世一代の傑作ならば、尚更です。
デビューから「桃色片想い」までは
いつまでも歌ってほしいですね。
あとは「ね~え?」「気がつけばあなた」あたりが一般受けOK。
ファンとしては、「砂を噛むように…NAMIDA」「チョコレート魂」あたりも
ヒットしなかったとはいえ、歌ってほしいシングル曲でしょう。
「横浜ロンド」も、ライブできっちり歌ってほしいし
「Subject:さようなら」も聴きたいし
この2曲は、TVドラマとタイアップしてシングルカットしてほしいところ。
・・・・あっ、だんだんと趣旨がずれてきました(汗)
デビュー曲は大切です、というお話でしたね。
まあ、今後歌うことがあっても
マニアック5みたいなメドレーになりそうですけど・・・
http://v.youku.com/v_show/id_XMjM3NzIyMDI0.html?from=y1.2-1-95.3.5-1.1-1-1-4-0
演奏の都合でいつもより半音下げて歌ってるそうで、恥mr手だけど別に平気だったとか言ってますね、やっぱり天才ですね。
youkuサイトにはいろんな映像がありますね。
貴重なサイトをご紹介、ありがとうございます。
この番組の映像は
youtubeで部分的には見ていたのですが
未見の部分とか、各部分のつながりなど
初めて分かった点が多くて、とても嬉しいです。
youkuには「みんなのテレビ」のコントもUPされてますね。
これなんか、亜弥さんがかなりカワイイです。
http://v.youku.com/v_show/id_XMTE4MDkxNzY=.html?from=s1.8-1-1.2