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korou's Column

2024.5.1 音楽ブログとして再スタート。

あややデビュー事情(推察もしくは妄想)

2015-03-29 | 松浦亜弥

昨日は、近所の図書館で

「アイドル」に関する本を何冊か借りてみた(我ながら物好きだと思う・・・)

そろそろ「アイドル史」について、このブログに書いてみようと思ったからだ。

 

最初に読んだアイドル史の本は

全体的に著者の思い込みが多くてイマイチだった。

ただ、和田薫というハロプロのキーパーソンへのインタビューが載っていて

その部分だけは面白かった。

以下、そのインタビュー記事の要約と

そこから推察できる(or妄想できる)あややのデビュー事情に関する駄文を

書いてみる。

 

和田さんは、森高千里のマネージャーをしながら

アップフロントの瀬戸社長から、タレント育成術を学び

その後、モーニング娘。のマネージャーになったときに

そのノウハウを、つんく♂に伝えた人物である。

和田さんの方針により

モー娘。は、当時人気絶頂のSPEEDを目標にして育成され

SPEEDのように完成されたダンス、歌を身に付けるには

どうすればいいか、どう指導すればいいかを

つんく♂とともに研究し尽くしたらしい。

 

そのノウハウは、当然、「あやや」の育成にも応用されたはず(これは私の推測ですが)。

だから「あやや」は、アイドルとして育成されたのではなく

アクターズスクールを模倣したメソッドで育成された可能性が高い。

 

これは

モー娘。への歌唱指導を番組として流していた「ASAYAN]を

毎週のように観ていた私としては

非常に納得のいく話だ。

素人状態の歌手の卵たちを

プロのスタッフたちがどういう風に育成していくのか凄く興味があったので

あの頃の「ASAYAN」は欠かさず観ていたのだが

なるほど、こういう指示の出し方をするのか、と

観ていて感心することばかりだったので。

ただ、スタッフがイメージしていた目標が

SPEEDだったのには、全く気付かなかった。

(和田さんの証言を全部信用するのもどうかと思うが

 こういう箇所で故意に嘘を語る理由はないと思うので

 これは真実なのだろう)

 

アイドル史については

後日、記事を書くとして

SPEEDというのは

アイドル史において重要な意味を持っている。

本来、アイドルとして売り出されるはずの少女たちが

時代の要請で、いかにもアーティストっぽく売り出されたという意味において。

そして、その戦略は十二分に成功したと言える。

 

モー娘。の場合

それこそアイドルとして売り出さないといけないほど

メンバー個々の音楽的能力は低いものがあったのだが

それでもアーティスト風に売り出すしかない時代の空気があったのだろう。

ゆえにSPEEDを目指して特訓を重ね

その成果を「ASAYAN」での鈴木あみとの決戦という形で問うことになる。

鈴木あみは、同じくアイドルとして売り出されるはずのものが

やはりアーティスト路線で行こう、となったわけだから

同じような形で売り出されたタレント同士で

CD売上枚数を競うイベントになったのだが

結果は鈴木あみの勝利となる(1999年夏の出来事)

 

これは、つんく♂(&和田マネージャー)にとって

なかなかキツい出来事だったに違いない。

しかし、その直後のメンバー募集オーディションで

後藤真希という凄いアイドルを探し当てることになる。

 

これもアイドル史で書こうと思っていることだが

日本アイドル史上でも、桜田淳子と後藤真希は

デビュー時の輝きという点で断トツの二人だと思うのである。

この場合、ほかならぬ和田さんとつんく♂がそう思ったというのが

決定的だった。

予定の2人採用がゴマキ1人で十分ということになり

ゴマキは、翌月のモー娘。の新曲で

いきなりセンターという大役を任されることになる。

モー娘。は、それまでのアーティスト路線から

いきなりアイドル路線に変更され

そしてそれは爆発的な成功を収める。

 

しかし、つんく♂の心中は不完全燃焼だっただろう。

それまでデビュー時からずっと

モー娘。をSPEED風に仕上げるために

和田マネージャーとともに努力してきたのに

その成果が実らないまま

ただ単に超一流のアイドル素材を引き当てただけで

グループとしての成功が実現したのだから。

 

もっとレベルの高い素材に出会いたい、

アーティストとして仕上げるためのノウハウで成功例を出したい、という思いは

いくらモー娘。が大成功しても消え去らなかったはずである。

 

そんなときに現れたのが、他ならぬ”松浦亜弥”。

つんく♂が、あややのファーストアルバムに

これでもかといういうくらい良曲をちりばめたのは

そんな背景があったからだろうと推測できる。

 

あやや自身、もともと天才的な歌唱力を持っていたところへ

つんく♂の的確な指導が加わったわけだから

いわゆる歌唱テクニックという点で

同世代の歌手のなかでは

圧倒的に高いレベルに達したはずである(それもデビューしてから短期間の間に)

そこから、歌唱時に自分で情景を思い浮かべ

想像力も駆使して歌えるようになり

さらに実体験も加味して説得力を増す歌唱にまでレベルアップしていったのは

奇跡としかいいようがないのだが。

 

では、なぜアイドルっぽい素材なのに

アーティスト風にデビューせざるを得ない時代の雰囲気が存在したのか?

もし、そういう空気がなければ

あややにしても、デビュー時に数多くの歌唱テクニックを身に付けることは

なかったかもしれない。

あれほど優れた歌手にはなれなかったかもしれない。

そのへんは

記事を改めて書くことにします。

 

今日の動画は

以上のようなことを妄想しながら観ると

(もう皆さんご存知の動画とはいえ)なかなか面白い「松クリスタル」の動画です

(3分を過ぎたあたりの「デビュー当時と現在 松浦亜弥の違いは?」)

 

奇跡の香りダンス 松浦亜弥 「松クリスタル」より

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6 コメント

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続きが楽しみです (大sansan)
2015-03-29 21:32:29
SPEEDとモー娘。の関わりの件、なるほどと思います。
当時は、小学生までサザンとか聴いてましたからね。
何か、アイドルでは商売できない雰囲気がありました。
歌姫なんて言葉も苦肉の策かと

続き、大変楽しみにしております。
返信する
結構、散漫なまとめになりそうです (korou)
2015-03-30 18:57:05
>大sansanさん

以前から「○○史」というのを書くのが好きで
「アメリカ文明史」とか
「MLBスーパースター列伝」とか
「筒美京平ヒストリー」とか
「ビートルズ伝ーサトクリフという補助線ー」とか
自分の愉しみと知識の整理を兼ねて
書きまくってきました。
プロの物書きじゃないのに
そこまでの才能もないのに
バカみたいですが。
(友人からは、その労力及び費やした時間を、もっと有益なことに
 使えよ、と揶揄されたこともあります)

亜弥さんで「○○史」にまでたどり着くとは
半年前までは思いもよりませんでした。
自分としては
この半年の間に
全く新しい次元に突入した感じがあります。

ただし、このところ長文を書いていないので
かなりダラダラしたものになりそうです。
推敲する時間があればいいのですが
ちょうど年度替わりの時期で
いかに閑職に甘んじている私でも
そこまでの時間はなさそうです。

とはいえ、今書かないと一生書かないことになりそうなので

・・・書きます!(マニアックライブでの亜弥さんが、トークを切り上げて
歌に入るときによく使う断定口調「・・・歌います!」を真似しましたw)
返信する
アイドル冬の時代 (mago)
2015-03-30 22:25:04
この記事を読んで、少し謎が解けた気がします。なるほどとうなりました。素晴らしい分析ですね。
昭和のアイドル時代も私は少し年代的に被っているのですが、私の音楽嗜好は、その後のアイドル冬の時代と呼ばれた頃の影響を結構大きく受けているように思います。
女性歌手に限って言うと、この時代の前半を彩ったのは小室ファミリー、中盤以降は安室さんをはじめ宇多田さんその他大勢ほとんどアーティスト路線でしたからね。言われるように10代半ばにして出てきたSPEEDでさえそうでした。
では彼女たちのファンだったかと言うとそうではなく、この頃は今井美樹さんとか私より年長の大人の人に向っていたのです。でも、この頃出てきた若手歌手の中で、Misiaさんだけは例外で私の中ではかなりの衝撃でしたね。

松浦亜弥さんの話から随分外れてしまいましたね。
こう書いたのは、5月にMisiaさんのライブに行くからです。これまでそこまでの気が起きなかったんですが、これは亜弥ちゃんが引き寄せてくれたとも思えるのです。少し他のアーティストさん、軽ーいファンというか距離があったのを、一度正面から受けてみようかと。そしてそこから何か感じるものが必ずあると思っています。

それにしても、皆さんすごいですね。
歌謡史というかアイドル史というか、文化的なものまで追求されている。
私はでは彼女の何を評価し鑑賞して来たのかというと、感覚的に強く響いてくるものをただ無秩序に求め探っていたというところでしょうか。。。
返信する
Misia (korou)
2015-03-31 20:25:51
>magoさん

5月のMisiaライブとなると
magoさんが広島県東部在住と仮定して
15日の倉敷か16日の広島でしょうか。
私の居住地域にも近いので
本当は倉敷とかのコンサートに行きたいのですが
諸事情により、なかなか思い切って行けないですね。

Misiaは
デビューシングルで心掴まれたのですが
その次に聴いたオリジナルアルバムが
私にはイマイチでした。
今聴いたら、また違う印象になるかもしれませんが・・・

音楽の嗜好というのは
あまり変わらないものと思い込んでいたのですが
少なくとも、私の場合は
変化が激しいことに
最近になってやっと気づきました。
亜弥さんの場合でも
あれほど「横浜ロンド」を好んで聴いていたのに
今は、全然ですからねえ。

Misiaもまた聴いてみたくなりました。
素晴らしい歌手であるということは
ずっと思っていますので。
返信する
16日です (mago)
2015-04-01 00:01:42
私は16日のチケットをとってます。勤務先から10分です(笑)
Misiaを素直に感じ取りライブにも行きたいと思うのは、亜弥ちゃんより明らかに歌唱技術が上回っていると思える数少ない歌手だからでしょうね。

「横浜ロンド」は名曲ですよ。
これから雨の季節にかけてとても似合う曲ですね。
私も頻繁に聴く事はしませんが、時々思い出したように聴くと情緒のある良曲と思います。
公式のMVも髪のぬれた感じが色っぽいです。
返信する
「横浜ロンド」の憂い (korou)
2015-04-01 18:57:21
>magoさん

「横浜ロンド」のあの憂いのある表情には
私もやられました。
年がいもなく、この亜弥さんと街を歩きたい、
寂しげな亜弥さんをなんとかしてあげたい、と
妄想全開となりました(笑)

今はあまり聴いていませんが
多分、巡り巡ってまた好きになると思います。
返信する

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