「食べ処・身土不二」(札幌)は、身土不二を日本と世界へ発信する。食堂ならぬ食堂、啓蒙運動の発信地。日本よ、滅びるな!

「身土不二」は、解放思想であり、危険思想でもある。

 日本から「身土不二」を発信し、日本と世界を救おう。

犯罪容疑者を検挙するのは警察、犯罪を予防するのは食物

2007-07-11 07:20:24 | Weblog

 

 (昨日の続き)
 -アメリカの犯罪研究学者・シャウスは、低血糖症とか、精白された食物と加工食品、砂糖などは、犯罪を誘発するという。しかも、ビタミン・ミネラルは少なすぎても、多すぎても、いずれも、非行と犯罪への引き金になるというのだ。

  「過ぎたるは、及ばざるがごとし」ということか。

 -いささか具体的な例を挙げておこう。
 欠乏の害だが、例えば、ビタミンB1の欠乏は、衝動性を高める。ビタミンB6が欠乏すると、指示無視とか、問題解決への気持ちが失われる。また、鉄と葉酸が欠乏すると、認知過程、注意、行為などに障害が生じる。亜鉛が足りないと、多動と摂食障害をひき起こし、マグネシュウムの不足は、ストレス反撥力、注意散漫が生じる。 

 わが国では、学級崩壊とか学校崩壊が、社会問題となっているが、食事を抜きにしては、根本的な解決は無理だよな。

-同感だ。そのとおりだよ。だが、過剰の害も無視できないんだ。例えば、銅の過剰は、攻撃性と多動を誘発する。鉛が多すぎると、多動と学業不振を招き、カドミュウムをとりすぎると、学習障害となる。また、リン酸塩添加物は、攻撃過多のもととなる。   

 少なすぎるのも問題だが、多すぎてもダメということか。日本のキレル子供、子供を虐待するキレル母親を思い起こさせる話だな。

-そうだよ。くわしくは、シャウスの「栄養と犯罪行動」(ブレーン出版)を読んでもらうしかないが。

  図書館にでも行って、その本を読んでみよう。

 -じつは、そのシャウスの研究だが、アメリカ政府による、全国健康栄養調査(HANES)の結果と一致しているんだ。この調査では、36、000人を超えるアメリカ人の食事が調べられた。

 ほう、おもしろい。どんな結果かね。

 -調査結果は、次のとおりだよ。
 ・ビタミンAの多い果物や野菜を食べていない…79%             
 ・ビタミンCの多い果物や野菜を食べていない…72%        ・繊維の多いパンやシリアルを食べていない……84%       ・アブラナ科の野菜を食べていない……………82%  

 つまりだ、平均的アメリカ人の食事は、ビタミンとミネラルが欠乏しているということだ。

 なるほど。アメリカ人の多くは、栄養不足ということか。  

-ところで、ビタミンとミネラルといえば、すごい日本人が100年ほど前にいたんだ。

 それは初耳だ。いったい誰だい。

石塚左玄だ。左玄は、明治時代の陸軍の薬剤監で、当時、ビタミンとミネラルの重要性を指摘したんだ。微量栄養素の重要性を、世界に先駆けて指摘したのが、石塚左玄だ。  

 スゴイなぁ。ビタミンとミネラルといえば、シャウスが、その重要性を述べているではないか。1世紀も前に、そうしたことがわかっていたとは、たいへんなことだ。

いまでこそ、ビタミンとミネラルは大切といわれているが、石塚左玄の明治時代では、微量元素の重要性は、世界中、左玄以外、だれも注目してなかったんだ。当時の欧米の栄養学では、炭水化物・タンパク・脂肪が論じられていたが、ミネラルとビタミンなどは顧みられていなかった。  

 いまなら、まさにノーベル賞ものだな。

 -このように、食は重要である。その食を産みだすのが農業だ。犯人検挙は警察の仕事であるが、犯罪予防は食物と農業にかかっていることになる。したがって、犯罪予防は、無害で栄養のある農産物と、そして、そのような農産物を使って適切に調理された食事にあると、いってよい。  

 その農業が、日本では衰退の一途をたどっている。それでは、犯罪の防止はおろか、ますます犯罪が増えることになるよな。