コピーライターを目指す人の日記

言葉と、人と、文章を書くことが、僕はきっと好きです。

雛鳥の話

2014-07-09 00:04:06 | 日記
小学生の頃、飼育係だった。

ある冬の日、
学校で買っている鶏に雛が生まれた。
詳しく覚えてはいないのだけど、
多分親鳥が面倒を見なかったとかで、
放課後は飼育係が順番に家に帰って
温めてあげようということになった。

何人かの友人は上手に世話をして、
次の日の朝、元気な雛を持って登校してきた。

僕の番になった。
ウキウキしながら持って帰り、
家ではストーブの近くで温めてやっていた。

次の日の朝、雛は死んでいた。
僕は号泣した。
死んだ後、足の向きが変わっていたから、
「あ!足が動いてる!」と言うと、
それは死後硬直というのだと母は優しく教えてくれた。

僕は絶対に学校に行きたくなかった。
みんなから何を言われるかわからない。
怖かった。
行きたくないと泣き叫んだはずだ。

母は許さなかった。
学校へ行きなさいと、
僕に言い続けた。

仕方なく、僕は学校に言って、
みんなに雛が死んでしまったことを告げた。
みんながあまり責めてこなかったのは、
僕が明らかに遅刻してきたことと、
目を腫らしていたことが、
無関係ではないんだろうと思う。


この時、
「みんなに雛が死んでしまったと告げること」は
とても大切なことだったのだと、今になって思う。

当時、母がどんな思いで泣き叫ぶ僕に
「学校へ行きなさい」と言い続けたかはわからないが、
母がそういう人で良かったと思う。

僕が親になった時、
もし子供が同じような場面に遭遇していたら、
僕は母と同じように学校へ行きなさいと言うだろう。
そういうことから逃げないことが、
人としてとても大切なことなのだと、
上手に教えることができたらいいな。


明日の座右の銘は
「逃げていいことと逃げちゃいけないことがある。」

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