好天が見込めた先週の日曜日(8月28日)、根室・落石漁港からの「落石ネイチャークルーズ」を利用して海鳥探索に出かけました。
主な目的は、嘴の色が印象的な「エトピリカ」をこの目で見ること。
エトピリカは、日本では道東の太平洋岸に数十羽だけ生息が確認されている国内希少種です。
先週、妻が釧路に来た時に申し込んだものの、最低催行人数3名に届かずキャンセルとなっていたものです。
乗船してから聞いたのですが、エトピリカは子育ても終わり巣から離れている為見つけにくくなっていること、羽が地味な冬羽に変わりつつあること、来週は台風の影響でうねりが強くなることが予想されるので、この週がほぼラストチャンスに近かったようです。これは本当にラッキー。
船は現役の漁船、船長は現役の漁師さん、それに案内役の方が1名。客はバードウォッチャーらしき3人と私の合計4人。
漁港を出て、数10分。沖合に浮かぶユルリ島、モユルリ島に向かいます。この2つの島を結ぶライン付近が、エトピリカを見ることのできるスポットらしく、しばらくすると、数羽が現れてくれました。じっと見ていると、海面上で羽づくろいしたり、水浴びのようなことをしています。案内役の方によれば、好奇心旺盛な鳥で、実は人間を観察しているそうです。
嘴と足が見事なオレンジ色で、何とも可笑しな風貌です。3枚目の写真ですが、潜って捕まえた魚をくわえながら、こちらを向いて羽ばたきしています。変な鳥です。
絶滅が心配されている珍鳥かと思いきや、珍しいのは日本だけで、アラスカなどを中心に全世界では240万羽ほどいるそうです。安心した半面、ちょっとがっかりしたような気分ですが、道東は南限の生息域だそうですから、やはり貴重な存在と言えます。
途中、アザラシやラッコの姿も見かけました。
いずれも、道東ならではの得難い経験でした。
「落石ネイチャークルーズ」のHPはこちらです。www.ochiishi-cruising.com/