ぎねくんが修行から帰ってきました。
手紙にも彼らしさがとてもよく出ていて、一通目では「こういうことを考えてたのかあ……」と自分も考えさせられ、二通目を経て三通目では「そうだ、君はそういう子だったよね」と涙目になり、審神者もいろいろ思うところのある数日間でした。
そして、新たな彼の戦装束がこちら↓
男らしくなって、以前よりもっと男前になりましたな! これモテまくりでしょ、どうすんだ。
そしてアホ毛っぽいやつはこういう飾りだったのか。すごい先が鋭くて刺さったらかなり痛そうですが。
さて。無事に帰還しホッとした私ですが、実は密かに「現地妻でも作って帰ってこないんじゃないか……」みたいな妄想をたくましくさせてました。
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「ごめんなぁ。やっぱり俺、帰るわ」
男がそう言い出したのは、ある晴れた朝だった。
私は朝餉の箸を止め、言葉が出ずにただその端正な顔を見つめた。
「帰るって……どうしていきなり急に」
かろうじてそう問えば、「あー……」とか「うん」とは歯切れの悪いつぶやきのあとに、
「だってあんた、もう変なやつらは見ないだろ?」
と問い返された。
「変なやつらって……あの骨が飛んでるような化物とかのこと? 前に私が襲われた」
「あぁ、そいつら。あんた、『そういうの』見ちまうたちみたいだから心配で一緒にいたけどさ、もう心配ないと思うんだよな。俺が守らなくても」
「え……何を言ってんのかわかんない。あんたは、私を好いてくれて、だからここで暮らしてきたんじゃないの?」
泣きそうになりながらそう訊ねれば、彼は困ったように、
「ん? あぁ、もちろんあんたの作るメシとかは好きだったよ。でもなぁ……俺は俺だけのものじゃないからなぁ……」
とやはり歯切れの悪い口調で言って頭をかいた。
男と出会ったのは、隣村まで用足しに行った帰りの山道だった。暗くならないうちに、と急ぎ足の私の目の前に化物が現れ、危うく襲われかけたところを助けてくれたのだ。
すべてが片づき礼を言うと、旅装束に身を包んだ男は「修行の帰りなのだ」と言った。と同時に、派手に腹が鳴った。
私は笑って、助けてもらった恩があるからと家に連れて帰り、飯を振る舞った。
それが私たちの始まりで、かれこれ数年ともに暮らしてきた。
なのにこの男は、いきなり出てゆくと言うのだ。
何の未練もなさそうに……いや、むしろ晴れ晴れとした顔で。
私はたまらず、くにに女房がいるのか、と訊ねた。すると男はきょとんとしたあと少し考え、
「女房……ではないなぁ。だが、どんな人間より大事だし、誰よりそばにいたい、そんな相手だよ」
と答えた。
──言葉を失った。
私は勝手に、この男の大事な相手は自分だと自惚れていたのだ。でなければ、何年もの長い間、ともにいるわけがないと。
だが、男はまるでちょっと茶飲み話でもしたあとのように、
「短い間だけどあんたといられて良かったよ。ずいぶんと世話になったなぁ。だが、迎えが来たからもう戻るよ。俺はこれから頑張らなくちゃならないからな。あんたもどうか達者で暮らしてくれ」
と言い残して、古びてがたのきた箪笥の奥にしまっていた旅装束を探して取り出すと身につけた。
そして、振り返らずに出ていった。
あわてて追って外に出れば、見たことのない鳩のような鳥が男の肩にとまっており、やがて男ごとその姿が薄れて消えていった。
呆然と家に戻ると、男の飲みかけていた味噌汁がまだ湯気を立てていた。
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……↑こんな感じ。
なんかぎねくんってこういうとこありそうな感じしませんか? 私はすっごいする。
ってなわけで、とりあえず三名槍のうちまずぎねくんが修行を終えました。次はどちらなのか気になりますな。
そして、聚楽第はようやく! ちょぎくんがドロップしました……!
もう落ちないものだと思ってたよ。あきらめてただけにうれしかったなあ。さっそく習合しました。
創作は、おそらくまた次もあんスタかなと思います。
勢いがあるうちに書いとかないと書けなくなるものもあると思うので。
そんな昨今でした。
ではでは。