詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

シナリオ風小説「潮騒」第8回

2010年11月19日 | 小説「潮騒」
第三節 「絆」

その後夏が過ぎ秋が過ぎ、クリスマスが近づいてきた。

駿と沙羅の仲は順調に進んでいたが、小百合は、やがてサークルに顔を出さなくなった。

岡田「山口さんの小説、途中までになっているのが、大変気になるけど、それ以上に彼女のことが心配だね」

エリカ「じゃあ早速書いてきた原稿発表してくれる?」

駿、沙羅「はい」

同人誌での二人のポエムは、誰がみても明らかに、恋人同士のポエムだった。


抱いて・・・・・(オリジナルポエム)By 森羅


抱いて
今すぐ私を
抱きしめて

そうしたら
このせつなさや
苦しさは
薄らぐかしら

あなたの
腕の中でだけ
素直な自分になれるから・・・・・

君を今すぐ抱き締めたいよ僕も君のすべてを包み込みたい・・・

君を傷つける
すべてのものから

僕が
僕の手で
守りたい

二人の吐息と吐息が重なりあって
二人の心がひとつになる

愛という名の元にだけ
今起こりうる
奇跡の調べ・・・・

夏美「はぁ~やけちゃうな・・・・・」

春美「そやね・・・・」

エリカ「まあ、森羅としてもいい感じでできているから良しとしましょう」




第四節 「冬の訪れ」

夏がすぎ、秋が過ぎ、そして冬が来た・

駿「沙羅ちゃん、沙羅ちゃんの誕生日ってクリスマスイブなんだよね」

沙羅「そうなの・・・・だから小さい時からいつも一緒にされちゃってなんか損した気分だった」

駿「大丈夫、今年は最高のクリスマスイブ&誕生日にするから、楽しみにしておいてね」

クリスマスや誕生日を恋人に祝ってもらうのは、生まれて初めてだった。

クリスマス(オリジナルポエム) By 駿

世界中の恋人たちが
この世の幸せを独り占めできる聖なる夜
君と僕が、互いだけを見つめ
互いだけを愛し

愛を確かめ合う
幸せな夜

静かにひびく
鐘の音が
二人の心に染み込んでくる

Silent night
Holly night

このまま二人で
手と手を重ねあいながら

幸せなクリスマスの朝を
迎えられる

特別な夜・・・・・・


「Silent love」 By 沙羅

静かな夜に鈴の音が
私とあなたの心に響く
今宵は素敵なクリスマス
この世で一番大好きな貴方と過ごしたい

Silent love
何も言葉にださなくとも

Silent love
気持ちは通じていると信じている

Silent love
静かな夜に会話はいらない

Silent love
あなたと私とツリーの灯火(ともしびが)があれば・

二人は、試験や忙しいときは、お互いにお互いの思いをポエムにつづり、メールで送りあい、それを同人誌に発表をしていった。

そんなある日、同じ講義をうけていた愛理が沙羅に話し掛けた。
今日は、珍しく駿が休んでいるので、一般教養の経済を愛理と一緒にうけているのであった。

愛理「そういえば、1年A組の佐々木小百合さん。ずっと学校休んでいるんだってね?」

沙羅「え?」

愛理「知らなかったの?同じサークルだったよね・・・」

沙羅「う・・・・うん」


愛理「そっか・・・あまり佐々木さんと仲良くなかったもんね・・・」

沙羅は小百合が休んでいるのも気になったがその件について、まったく駿がふれないのも気になった。幼馴染なんだから・・・・情報くらい入ってくるだろう・・・」


次の日の夜、いつものように二人のお気に入りのイタリアンレストランにいくと、駿の携帯電話に電話が入った。

駿「母さん?なんだよ・・・・こんな時間に・・・え・・・?小百合が???
でどうなの?わかった・・・・すぐ行くよ・・・」

沙羅:「どうしたの?小百合がまた、・・・・睡眠薬を乱用して、意識不明らしい。ごめん病院にいってくるよ・・・・」

沙羅「どういうこと?私にもわかるように説明して・・・」

駿「ごめん。急いでいるから・・・・・」

というと、駿は1万円をテーブルの上に置くと店を飛び出していった。
一人レストランに取り残された沙羅のメールに愛理から着信があった。

愛理のメール「駿君、たぶん今病院だよね・・・少し話しできないかな?今駅前のハンバーガーショップに磯島さんといっしょにいるところ」


とりあえず、状況がまったく見えない沙羅は愛理に言われたとおり、駅前のハンバーガーショップにいった。愛理が手をふっていた。愛理のとなりには、1年A組で小百合と仲のいい磯島さんが座っていた。

愛理「余計なことしてごめん。おせっかいなのはわかっているんだけど。このごろなんか沙羅が、暗い顔していること多いから」

沙羅「うん・・・だってまったく駿は話をしてくれないから、私もあえて聞いていなくて」

磯島「じゃ・・・松岡さんは小百合の状況をまったく知らないんですね。」

沙羅「はい」

磯島さんはちょっと思案顔になったが、やがてゆっくりと話し始めた。それはさらにとって衝撃的な内容だった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。