詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

シナリオ風小説「潮騒」第6回

2010年11月16日 | 小説「潮騒」
第三節 星の宝箱

沙羅「駿どこに行くの」

駿「・・・・・・・」

車は、雨の中、海へ向かってひたすら走って行った。

雨のにおいに混じって、潮の香りがほんのりしてきた。

そのまま駿は、海辺近くのカジュアルホテルに車をすべり込ませていった。

駿「大丈夫・・・・変なことはしないから。沙羅が、詩が書けなかった時用に
海の見える部屋を予約しておいただけだから・・・」

というとそのままエレベーターにのりこんだ・・・

沙羅「ありがとう・・・・」

部屋を開けると駿がバスタオルを投げてきた。

駿「とりあえず、風邪をひくからシャワーをあびてこれに着替えるといい。その間に僕はコーヒーをいれておくから。沙羅が落ち着いたら、僕は、帰るから安心して・・・」

沙羅は、言われたとおり、雨にぬれた洋服を脱ぎ熱いシャワーを浴び、バスローブをはおった。

駿「コーヒーここにおいておくから飲むといいよ。体温まるから・・・」

沙羅「駿は?濡れたまま帰るの・・・せめてシャワー浴びて、コーヒーのんで・・・洋服が乾くまで・・・・」

駿「わかった・・・・」

沙羅は心臓が飛び出しそうだった。大好きな駿と同じ部屋に二人きり。きっと真面目な駿のことだから、きっと何もしないのだろう・・・
シャワーを浴びてきた駿は、窓際にたっていた沙羅を後ろからそっと抱き締めた。

駿「さっきは嫉妬で気が狂うかと思ったよ。・・・沙羅・・・好きだ・・・・愛している」

沙羅はそのまま、回された手に手をかさねながら言った。

沙羅「駿・・・私も・・・駿が好き。愛しているって感情は、まだよくわからないけど・・・」

駿「いいよ。好きでいてくれれば、それで充分だよ。」

沙羅は、駿のほうをふりかえった。

駿がきつく沙羅を抱きしめた。

自然に二人の唇は重なり合った。


【星の宝箱】~愛し合う恋人達へ~ (オリジナルポエム)

夜空にまたたく星々達を
ひとつ残らず拾い集めて
宝石箱にしまってしまおう

逢えない夜のさみしさを
輝く星が
癒してくれる

逢いたい気持ちが胸に溢れ
心が涙で溶けてゆく

愛という名の言葉の他に
どんな言葉があるのだろう

このせつなさや
苦しみや
愛おしさを伝えるすべに

愛している
愛している
愛している

幾千の言葉をつぶやいてみても決して心は満たされず
あなたの笑顔を探している


手と手を合わせて
心と心が重なり合うとき

二人の気持ちはひとつになって
夜空をかけぬけ
星になる

あなたに出逢えてよかったと
一人そっとつぶやいてみる

恋する気持ちが
言(こと)の葉となり
あなたの元へ

光の元へ

永久(とわ)の輝きを
保ちながら





そしてその夜
潮騒の音を聞きながら二人はこの世で一番愛する人と結ばれた・・・・・・



第4章 幸せな時

第一節 恋

沙羅は幸せだった。はじめての恋。恋がこんなにすばらしいものなど知らなかった。

朝起きてから夜寝る時までずっと駿のことを考えていた。

そして親友の愛理から教えてもらった、パジャマを裏返しに着て寝ると好きな人の夢が見られるというおまじないまでやっていた。

愛理「な~んか・・・・やけちゃうよね・・というかその沙羅のとろけそうな顔一日中にみているとこっちは試験勉強なんてしたくなくなるわ・・・」

沙羅「そんなこといわないで、一緒にやろうよ・・・経済苦手なんだもん」

愛理「はいはい。でもさらがあの千駄ヶ谷予備校でいっしょだった、秋吉君とつきあうなんて絶対意外だったよ」

沙羅「なんで?」

愛理「秋吉くんあのとおり、性格良し、顔良しでしょ・・・結構狙っている子多かったんだけど、いつもほらあの・・・なんだっけ幼馴染の小百合とかいう子がくっついていたからてっきりつきあっているかと思ったよ。順子も聞いたでしょ?」

順子「あ~あの山口小百合って子??かわいいけどかなり性格悪いらしいから、沙羅も気をつけな・・・」

沙羅は、さすがにあのあともちょこちょこと小百合に意地悪をされていることは二人には言えなかった。

あの夜・・・あの夜以来沙羅は、駿だけを見つめ、小百合のことは気にならなくなってきていた。




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