繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

「Jeep Renegade(ジープ・レネゲード)」 先行層向けのジープ?

2015-09-02 11:48:02 | 日記
FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)ジャパンから、スモールSUV「Jeep Renegade(ジープ・レネゲード)」を9月5日から発売するとアナウンスがありました。

2014年にフィアットがクライスラーを子会社化してFCAとなった事もあり、イタリア・メルフィ工場で生産されるらしく、今後フィアットブランドのクルマにもこのシャーシーは流用されるものと想像できます。

さて、商品のスペックや特徴は様々な媒体から発進されていますので、ここでは割愛して、私の視点で紹介したいと思います。

まずは、ボディー色を七色揃えた事で、オシャレ感を売りにした、つまりオシャレ感をコンセプトにしたクルマと言うのがわかります。

内装や外装のカラーとデザインは、このグレードで外装色がこの時はこうと、非常にきめ細かな設定となっています。
・・これだけ細かく設定されていると、一般の方は選ぶのに一苦労?という事になってしまいますが、ターゲットユーザーの「おしゃれ好き先行層」にとっては、楽しみながら選ぶのではと思います。


そう、「おしゃれ好き先行層」と書きましたが、これはクルマを機能やスペックで観るのではなく、「自分とってどれだけ楽しいか」というような、いわゆるWeb業界で使われる言葉でUX(ユーザー・エクスペリエンス)というのがありますが、クルマでもこういうユーザー価値観になってきているという事を表した私の造語です。

自分の使用用途に合っていて、気に入ったクルマの中から、燃費良くて、つまりクルマにかける費用を出来るだけ少なくなるものを選ぶ。ヘタするとデザイン等はマアマアだけど燃費が良いからと選んでしまう。
こうして買ったクルマは、保有期間中は「安くつく」「得した」しか無いわけで、そこに「楽しさ」はありません。
まして、自分の人生の1部を一緒に過ごすクルマとしての有意義さは無いように思えます。

こういう考え方で、クルマは「スペックから楽しさへ」と言われてきています。
クルマを買うという事は、どうせ費用や経費はかかるわけですから、どれだけ自分が「楽しいか」を大切にしようということですね。

この流れが日本で顕在化したのは、トヨタのFJクルーザーあたりからではないかと私は考えています。


FJクルーザーは当初、北米専用車としてスタートしていますが、日本での評判が良くて並行輸入されたりして、その後に日本仕様も発売されました。
この流れを証明したようなものと思います。

その後、スズキからはハスラーが出て、輸入車ではランドローバーのイボーグなんかもこの系統と私は考えています。
そして、今回FCAから「Jeep Renegade(レネゲード)」。

しかし、「レネゲード」と聞いてスッと頭に入る名前ではありませんね。
「ゲータレード」なら知っているけど・・・(笑)

この「レネゲード」は、そのコミュニケーションも「スペックから楽しさへ」の流れを取り入れた一連のものとなっています。
旧来の、発表会→試乗会→媒体展開→ユーザー訴求という流れでなく、堅苦しいことは抜きに「ユーザーと楽しいイベント」化しています。(おしゃれ好き先行層にピッタリ)

この新型レネゲードは発表記念イベントとして、9月5日~6日に湘南T-SITE(神奈川県藤沢市)内「CAR LIFE LAB」で実施されます。
詳細は
http://www.jeep-japan.com/renegade/special/liveinforest/)を参照。
その中で、試乗は勿論、スタンプラリー等の楽しいイベントが組まれています。
また、お決まりに近いですが、RENEGADE CAFÉもオープンされます。

2015年9月5日(土)-6日(日)
湘南T-SITE 神奈川県藤沢市辻堂元町6丁目20番-1

「レネゲード」を所有して乗ることによる、ユーザーの楽しさは勿論、人生の楽しさ、楽しみませんか、とまでも提案しているのです。

自分の人生で、様々な事に夢中になってチャレンジすることの有意義さまで言っているように思えます。

私は、すでに試乗させていただけるチャンスがありましたが、そのレベルは「今風の走り」としか言いようがない気がしました。
決して、「オタク」向けのクルマではありませんし、試乗車間で、走りに関するフィーリングがかなりばらついていたこともあり、洗練された走りというたぐいのクルマでは無いように思えます。
しかし、日本の環境で乗る日本の「おしゃれ好き先行層」には十分満足されるレベルにはあると思います。

考えてみれば、昔はハード系の権化のような「四輪駆動車」も、今では「SUV」と呼ばれるようになって、さらにメインは街乗り二駆となり、こういうおしゃれ先行層に向けた商品と変遷する姿に「時代」を感じます。
また同時に、こういう流れについていけていない、又はわかっていないカーメーカーは置いて行かれるかも・・(笑)。