前回のセットシュート考では、体験的にセットの時間の長短とシュート率との関係を述べました。自分としてはセットをしっかり確実に行うことが、シュート率の向上につながるのでは?と。しかし昨今のプレイヤーは、セットをほとんどしない名プレイヤーも多くなってきたのはなぜか。という疑問に対して、細田氏が実例を挙げながら、ていねいに解説してくれました。
ついては思うのですが、自分のことはさておき、27期の名シューター伊藤氏のシュートをよく見ていたとき、彼は前に流れる癖があり、それを指摘した記憶がありますが、そのほかに、軸のわずかなブレも、指摘したような気がします。バスケットのシュートは、バックボードの利用を含めれば、前後のズレは、多少バックボードが補ってくれることがありますが、左右のブレは、確実にミスにつながります。シュート時の、ボールをリリースする際の、よく見ないとわからない程小さな左右のブレも、数メートル先では増幅され、シュートミスにつながります。したがって、体幹のブレがまったくなく、ゴールへの前後の距離だけの調節ですめば、おのずとシュートは簡単になり、シュート率は向上します。
作用反作用の法則により、ボールを発射するとき、発射台となる体に、同じ力が加わり、その力を受け止めきれずに体が左右にわずかでもブレてしまうと、どうしてもシュート率が落ちます。
そんな事情がシュートにはある気がします。
そう考えてみると、昨今のプレイヤーはセット時間が短い、ない、にもかかわらず、名シューターが続出している、という謎も、解明できるかもしれません。
セットシュートに関する研究論文をネットでちょっと調べましたが、以上の視点からの論文は見当たりませんでした。
もちろん人によって関節の可動域や筋力が異なるので、セットシュートの理想的なメカニズムを解明することは困難かもしれませんが、フリースローのような、条件が一定で妨害のない技術においては、合理的なシュートフォームは、探しうるのではないかと思いますが、みなさん、いかがでしょうか。
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