25期石神井バスケの広場

都立石神井高校バスケットボール部25期OBが開設したブログです。近況、思い出などを、お気軽にご投稿ください。

続 セットシュート考 〈左右のブレと27期伊藤氏のシュート〉  25期 中川 越

2023-01-28 18:39:16 | 日記
 前回のセットシュート考では、体験的にセットの時間の長短とシュート率との関係を述べました。自分としてはセットをしっかり確実に行うことが、シュート率の向上につながるのでは?と。しかし昨今のプレイヤーは、セットをほとんどしない名プレイヤーも多くなってきたのはなぜか。という疑問に対して、細田氏が実例を挙げながら、ていねいに解説してくれました。
 ついては思うのですが、自分のことはさておき、27期の名シューター伊藤氏のシュートをよく見ていたとき、彼は前に流れる癖があり、それを指摘した記憶がありますが、そのほかに、軸のわずかなブレも、指摘したような気がします。バスケットのシュートは、バックボードの利用を含めれば、前後のズレは、多少バックボードが補ってくれることがありますが、左右のブレは、確実にミスにつながります。シュート時の、ボールをリリースする際の、よく見ないとわからない程小さな左右のブレも、数メートル先では増幅され、シュートミスにつながります。したがって、体幹のブレがまったくなく、ゴールへの前後の距離だけの調節ですめば、おのずとシュートは簡単になり、シュート率は向上します。
 作用反作用の法則により、ボールを発射するとき、発射台となる体に、同じ力が加わり、その力を受け止めきれずに体が左右にわずかでもブレてしまうと、どうしてもシュート率が落ちます。
 そんな事情がシュートにはある気がします。
 そう考えてみると、昨今のプレイヤーはセット時間が短い、ない、にもかかわらず、名シューターが続出している、という謎も、解明できるかもしれません。
 セットシュートに関する研究論文をネットでちょっと調べましたが、以上の視点からの論文は見当たりませんでした。
 もちろん人によって関節の可動域や筋力が異なるので、セットシュートの理想的なメカニズムを解明することは困難かもしれませんが、フリースローのような、条件が一定で妨害のない技術においては、合理的なシュートフォームは、探しうるのではないかと思いますが、みなさん、いかがでしょうか。


「セットシュート考」 雑考    25期 細田 浩

2023-01-17 16:41:29 | 日記
ミニバスケットの普及と指導者の努力、マスメディア・SNSへの露出に伴いバスケットボールの技術力の向上はすさまじい。
特にハンドリング(ドリブル能力とでもいうのか)、ペネトレイト(ハンドリングとステップを駆使してディフェンスをかわしシュートに持ち込む)、レイアップシュートの多彩さ、ダンクシュートの日常化。その中でジャンプシュートの進歩だけは歩みが遅いように見える。
二次と三次元の差で練習量に差が出るのか。

ミニバスの低年齢層は体力不足を補うためにフローター気味にシュートを放ちリングに届かせている。
中学からはハードルがグット上り7号ボールでゴールもNBAと同じ高さそしてスリーポイントエリアの出現である。
距離を稼ぐために低いリリースポイントから勢いをつけてシュートを放つキャッチとリリースはあってもセットの感覚は養われないかもしれない。
高校までそのスタイルでシュートを打つ選手も実際石神井の現役にも何人もいる。

ミニバス、中学、高校と体力差とサイズの違いでシュートのスタイルに差異が生じるのは致し方ないかもしれない。
ただし自己流の癖がついてしまうと困りものである。
実際、東京都高校レベルでも美しいフォームのシューターは見ない。
あのフォームで良く入るなあ・・と思うことはよくある。
体格差はあってもキャッチ、セット、リリースの手順に変わりはないと思う。
但しセットの時間がかなり短くなっているのが現代のバスケットではないか。

NBA歴代No.1のシューターと言われるスティフィンカリーを見ていると殆どキャッチ=セットに見える。キャッチする時にすでにセットの状態でボールが一瞬でも止まらないうちに一連の流れでリリースしている。キャッチした瞬間に指先の方向、手のひらとボールの接触感覚、手首の角度が決まっているのではないか。
キャッチの瞬間にセットが終了していることが可能なのかシューターでは無いわたしにはわからない。世界一のシューターの技術を語る術もないが。
その昔、三角パスやスクエアーパスの練習時クイックパスの練習を行った記憶がある。受けたパスの力をそのままはじき返す感覚。壁になった自分がボールをはじく。

ワタナビーは一時NBAスリーポイント部門のトップ成功率でオールスター戦のスリーポイントシュートコンテストに出場か?と言われている。八村もメキメキスリーに安定感を増してきた。しかし両者共キックアウトからのコーナースリーというチームフォーメーションの賜物の結果のように見える。フリーに近い状況でのシュート。
渡辺はディフェンシブオールランダー、八村はペイントエリア付近を主戦場とするパワーフォワードでシュータータイプではない。
現在の活躍は彼らの才能と努力が開花した結果かNBA選手としての最低限の力の証明なのか。しかし凄いことである昨年度チャンピオンチームの試合にフツーに出場している。
ネブラスカ大の富永は優秀なセットシューターであると思う。長いシュートレンジとリリース迄のクイックネスを持ってはいるがNCAA一部の鋭いディフェンスに躊躇する場面が最近増えてきた。サイズが無い分ロングレンジスリーに活路を見出すとか進歩が見たい。日本代表でチームコンセプトの中でなら彼のロングレンジシュートは十分期待出来る。

NBA選手や代表選手と比べようは無いが
私が以前所属したシニア社会人チームにはキャッチした殆どそのままの位置でリリースしてスリーを決めるシューターがいた。決して無手勝流ではない確立した形は持っていた。

シニアの同好の志のチームではあったが、インターハイ出場高校、早稲田、名門実業団の
名プレイヤーで輝かしい実績を持つ彼はそんなシュートを打っていた。近年もゴールデンシニアで日本一の常連チームの中心選手、そのシュートのフォーム、決定力は今も健在。

中川氏の現役の時ように頭上で確実にセットする美しいシュートフォームは不変であると思う。
現在はサイズの大型化、ディフェンス力の向上によってクイック、高軌道のシュート。ロゴスリーの用語があるようにシュートレンジの広さも重要な要素になる状況ではある。

クイックも距離も確実性も・・・。

「セットシュート考」  25期 中川越

2023-01-15 17:02:41 | 日記
 日本のBリーグのオールスター戦のニュースを見ました。最近のスター選手のセットシュートを観察して、思うところがありました。私は現役時代、セットシートが好きで、かなり研究したのですが、いいシューターの条件の一つは、頭上でのセットが、しっかりしていることだと思っていました。セットしておく時間は状況に応じて様々ですが、たとえセットの時間が短くても、セットはしっかり行ったほうが、シュート率はよくなると考えていました。その証拠に、マイケルジョーダンをはじめとするNBAの名選手たちの多くは、とてもしっかりしたオーソドックスなセットを行なっていたと思います。八村も渡辺も、セットがきれいです。
 ところがです。最近のスリーポイントシューターたちを見ると、ほとんどセットの瞬間がないように見えます。日米を問わず、そんな印象です。セットの時間は、ディフェンスにブロックチャンスを与えることになるので、セット時間はないほうがよいのですが、セットの瞬間がないと、安定したシュートフォームで投げられないというのが、私の持論でした。
 しかし、この持論は、通用しなくなってきたようです。ミニバスなど、小さな頃からやってきた今のプレイヤーたちは、セットなどしなくても、一定のフォームが身についているのかもしれません。また、セットをせずにボールを投げるほうが、少ない力で遠くまで飛ばせるのでしょうか。
 そのあたりの事情について、どなたかお教えくださると幸いです。