本日ネットで、レイカーズのレブロン・ジェームズが、カリーム・アブドゥル・ジャバー(ルー・アルシンダー)が持つNBA歴代最多得点38387点を更新! というニュースを知りました。レブロン・ジェームズといえば豪快なダンクのイメージばかりでしたが、世紀の新記録は、ディフェンスをドリブルで少し押し込んでからの、フェードアウェイのミドルシュートでした。フェードアウェイという技術の性質上、そうなるともいえますが、セットの時間をしっかりとった、癖のない美しい基本的なジャンプシュートだったのが意外でした。
ちなみに、ジャバーがマジックジョンソン率いるマジックジョンソンオールスターズの一員として、日本の代々木第二体育館に現れたのはもう20数年前のことでしょうか。私は当時中学校でバスケットをやっていた長女を連れ、大枚をはたいてアリーナ席で、マジックとジャバーのプレーを観戦しました。すでに現役を退いて何年も経っていたので、往年のスカイフックの正確性は望めませんでしたが、ジャバーは私たち世代にとっての「神」ですから、その姿を生で見られるだけでも、感動のひと時でした。なのに、ジャバーの凄さを知らない若いファンたちからの「スカイフックも大して入らないだあ!」という声が耳に入ると、実に腹立たしい思いをしたものです。そして、マジックのドリブルとパスの見たことのない美技。それについては、また改めて書くことにしますが、ともあれ、そんな私たち世代の不滅と思われたレジェンドの記録が破られ、そのシュートがしっかりした基本的なセットシュートだったことが、とても印象的でした。基本の大切さを改めて思い知らされる象徴的な出来事でした。
なお、余談ですが、マジックジョンソンオールスターズの試合が終了し、私たちアリーナ席の観客は、すばらしい特典を得ました。退場するマジックやジャバーに、ハイタッチするチャンスが与えられたのです。アリーナ席の観客は一斉に、退場口へと向かうプレイヤーたちの通路に人垣を作り、何列にも折り重なり押し合い圧し合い…。後ろの列の観客はプレイヤーたちに届きません。
あまりの熱狂ぶりに、そんな人垣の中に紛れ込んだら、危険だと感じました。そこで、横にいた中学生の娘に近づくなと注意するために振り向くと彼女がいません。慌ててあたりを探し心配になりました。ほどなく彼女は戻ってきて、人垣に突っ込んでいったとのことでした。私は叱りました。ところが彼女は「触れたよ!」と嬉しそうに涼しい顔。私は叱りながらも、「誰に!?」。すると彼女が「ジャバー!」。人垣の中で、背の低い彼女がジャバーに触れることができるはずがありません。それに、ジャバーが調節をしたとしても、あの状況で小さな子供にハイタッチは難しいと思い、「そんな、嘘だろ!」と疑うと、「だって触ったもん!」と彼女。「どこを?」と私。「脚!」と彼女。人垣の大人の足の間に潜り込んで、そこから手をのばして触れたのだといいます。私、叱るのを忘れて、「どうだった?」。彼女、ニヤニヤしながら、「知りたい?」。私、「もったいつけるな!」。彼女「うん、馬みたいだった!」。このときほど娘がうらやましいと思ったことは、それ以前もそれ以後もありません。
余談が長くなりました。ご高覧に謝します。
■以下の「スポニチアネックス」で、レブロンの記録更新記事とフェイドアウェイの写真がご覧になれます。