54連作のうちの4枚のテーマを白虎隊にしようと思って、描いてる時にちょっとした疑問が2つ湧いてきた。
白虎隊の少年たちは体力の消耗も激しかったため、切腹するよりも喉を突いたり掻き切ったりする自刃を選んだ者も多かっただろうと言われている。自刃者中の唯一の生存者飯沼貞吉の証言を事細かに思い出すことはできないが、飯沼本人も切腹ではなく短刀で喉を突いている。
1つめの疑問は、切腹したにせよ自刃したにせよ洋装の軍服(完全に和装の者もいたかもしれないが)をどんな風に寛げて、または脱いで、行ったんだろう?ということ。和装ならともかく着なれない洋装の軍服をどう捌いたんだろうか?
24年前の日テレ版「白虎隊」では黒い軍服の上から腹に刀を突き立てている。喉を掻き切る場合も服を肌蹴たりすることがない。3年前のテレ朝版「白虎隊」では軍服を寛げ胸から腹を露わにして切腹している。
切腹・自刃する時、もろ肌脱ぎになれば洋服が邪魔になる心配が全くないだろう。和装でももろ肌脱ぎになることもあるから不自然ではないし。
それ以外の方法で考えられるのは、前のボタンを外して寛げる方法だ。この方法は和装でもそうなのだが、着物の端が寛げた位置で留まっていることはなく、腕を動かしているうちに着物の隙間が狭まってきてしまう。三島由紀夫は映画「憂国」の中で、軍服を体の側面の方でまとめて、多少腕を動かしても腹が服で隠れないように工夫していた。洋服を着なれた(その上切腹ごっこをやり慣れた)三島由紀夫とは状況が違うかもしれないが、白虎隊士たちもとっさにそういう工夫をしたかもしれない。
もしかしたら洋装の軍服姿で調練したりしている間に着こなしにも慣れてきて、洋装での切腹の仕方も考えてたりしていたかもしれない。和服ではなく洋服で切腹するには、どういうふうにするのが正しく美しいのか?調練の後に集まって、もろ肌脱いでみたり、ボタンを外して前を寛げてみたり、捲り上げて結んでみたり、少年たちが真面目に議論している。
う~ん、妄想が膨らむ。