仙台POSSE(NPO法人POSSE仙台支部)活動報告

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仙台POSSEの就学支援事業について

2011-06-29 01:05:26 | 活動報告(就学支援)
 現在仙台POSSEでは、東日本大震災を受けて、引っ越しサポート事業、就学支援事業、生活支援事業という3つの事業を検討・展開しています。
 このうち、就学支援事業についてご説明したいと思います。

 就学支援でいま私たちが検討しているのは、被災した、高校受験を控える中学生への勉強のサポートです。2~3人で一つのチームを編成し、チームごとに1人(あるいは一世帯)の子どもの学習支援を行う予定です。
例えば仮設住宅というのは部屋が狭く、家族とともに数人で住むとなると、なかなか勉学に集中しにくい環境になっています。また親の失業や、家屋の倒壊などによって金銭的なダメージを受け、塾だけでなく、学校にすら子どもを通わせることが困難になった家庭は少なくないでしょう。それでなくとも震災で受けたショックはとても大きく、引っ越しを依頼してきた被災者の方のお子さんの中には、避難所での過酷な生活を過ごすうちに過呼吸を起こすようになってしまった中学生の女の子もいました。 
 そのような子どもに対して、精神面でも、勉強面でも、長期的な支援をしていくことが重要です。教育を受ける権利が、彼らから剥奪されることはあってはなりません。また、就職のことを考えても、学歴が重視される日本の労働市場においては、できるだけ高校を卒業することが望ましいことは言うまでもありません。
今回の震災を受けて、もともと薄弱である日本の公的教育制度下で、多くの子どもたちから教育の機会が失われようとしています。日本では教育費の私費負担が33.3%と、OECD平均(17.4%)を大きく上回っており、教育における出費の多さが各家庭に重く圧し掛かっています。加えて日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は給付ではなく貸付であり、学校を卒業すればその返済に数十年を費やさなければならないのです(震災を受け、奨学金の緊急採用・応急採用が実施されましたが、それでも貸付であることに変わりはありません)。
震災孤児は200人を超え(阪神・淡路大震災の約3倍)、両親のどちらかをなくした子どもも含めると1300人以上とも言われます。また親を亡くしていない場合でも、教育にお金をかけられる余裕がなくなり、子どもに進学を断念させせざるを得なくなる家庭も出てくることは必至と考えられます。現時点では、震災遺児、孤児以外の被災した各世帯の子どもへの、教育における特別な公的支援は行われていないからです。
教育の機会を奪われた子どもたちが、一生涯、派遣労働、アルバイト、日雇いなど、不安定雇用かつ醜悪な労働条件のもとでの就労を余儀なくされることを防ぐためにも、就学支援は不可欠となります。
就学支援では、1人の子どもに長期的に付き添い、サポートすることの出来るボランティアが必要になります。少しでも多くの子どもたちを支援していけるように、より多くの学生の協力をお待ちしています。興味、関心のある方は、ぜひ仙台POSSEまでご連絡ください。よろしくお願いいたします。


■NPO法人POSSE 被災地支援の取り組み
 POSSEでは、仙台に拠点を置き、現地のNPOと連携しながら、仮設住宅( みなし仮設を含む)への移転支援や、仮設住宅住民への生活支援などに取り組んでいます。また、今後、被災学生への進学支援や就労支援、被災地の実態調査などに着手する予定です。被災地支援にご興味のある方は、お気軽にスタッフにお声をおかけください。
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TEL:022-266-7630
Email:sendai@npoposse.jp
HP:http://www.npoposse.jp/

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