ぐうたらさせてよ!(安寝の日記)

日常/演劇/宝塚/SMAP

単調になったらお仕舞いだ。

気になるコトバ。(送る言葉)

2004年12月31日 15時41分40秒 | 気になる言葉・コトバ
気になるコトバ。


「来年も宜しくお願いします」


宜しく、ってどう宜しくすんのかしら。
あと、「あの二人、今頃よろしくやってるのよ」とかの「よろしく」も
気になる。

と言うわけで、来年も(明日からも)宜しくお願いします♪(ぶりっ子)

気になるコトバ。

2004年12月29日 00時10分05秒 | 気になる言葉・コトバ
今日の気になるコトバ。(ってか会話)


とある若い男子二人組の会話。

A「ってかさー、俺は田舎はやなワケー。」
B「だよなー、何もねーしなー。」
A「んでもさ、都会でも名ばかりのとこなくねー?」
B「あーあるあるー。ギリギリ23区外とかだろ。」
A「…ちょっとちがくね?」
B「…そっか。」
A「ほら、例えば東京なのに滅茶苦茶不便とか…。」
B「あーあーあー、そっちか!そっちかよ、早く言えよー。」
A「…。ネオン無かったら東京じゃねーよなー。」
B「…。ま、まぁそうかな。」
A「俺、ネオン無いの考えらんねー。○○(都市名)とか××(都市名)とか最悪だよなー。」
B「ま、そーかなぁ。」
A「でも、何が最悪って、△△(都市名)だけは住みたくねーよな!!貧乏臭いし、あれが東京だって思わねーよなぁ。いっそのこと、○○タ○に入れちまえばいいのにさぁ~。」
B「…。そ、そう、かなぁ?」
A「そーだよー!」
B「…。(苦渋に満ちた表情)」
A「ん?どーした?」


Q・この二人の関係を類推しなさい。

1.Aはマジボケしている。
2.Bは確実に苛められている。
3.つい数分前に、AがBをナンパしたばっかり。


特に意味はありませんから。

※この記事はフィクションです。

X'SMAP~虎とライオンと五人の男~(SMAPLOVEですから)

2004年12月27日 00時34分47秒 | Weblog
昨日のSMAPの「X’SMAP」は、「訳わかんない!」って

人もいるかも知れないけど。

私としては、超絶に好きな世界観でした。

テーマは明確。(むしろ、ありふれたぐらいの直球テーマ)

人物は、ぶっ飛んでる。

でも、好き。面白い。

物語の良さって、その世界観を楽しめることだと思う。

世界観がしっかりしてると、観ている側はその住人になれるから。

特に今回のクリスマスSMAPドラマは、

日本っぽいけど、ちょっと歪んだ世界。

もしくは、ミュージカル世界におけるキッチュなワールド?

ミュージカルって点が、この作品の自由度を高めてるのかも。

あと、抜けるように「青くない」空。

阿部寛演ずる画家が描く世界のように油絵で描かれたような町並み。

人工物をとことん人工的に作ったら、こうなりました、みたいな。

まぁ私がこれだけ作品を褒めるのは、

私自身がSMAPファンで、ミュージカルファンで、

なおかつ宝塚歌劇団演出家荻田浩一(オギー・耽美主義・代表作「バビロン」)のファンだからでしょうか。

付け加えると、本編の次の「AnotherX’SMAP」も、

中居君演ずるジュンサ主体で面白かった。

唐沢寿明さんや、タモリとか中居君と繋がりのある人が

協力してくれた作品です。

「僕の母親が死んだんです…(中略)僕って変かな?」

のシュールな唐沢さんに、

普通に対応するジュンサが可笑しい。

タモリさんは、30代の頃の眼帯をつけて登場。

…しっかしハイテクなサンタだったなぁ。

妹は、「全然分からん」って言ってたけど、

私は、面白かったです。

96年新春にやった、SMAPドラマ「僕が僕であるために」も良かったけど、

シュールでキッチュなSMAPも魅力的。

あ、久しぶりにSMAPのこと書いた気がする。

しばらくまた言わないだろうから、好きなだけ言っておこう。

SMAPSMAPSMAPSMAP…(中略)…疲れました。

来年こそは、コンサートをやって頂きたいものです。

お陰で、宝塚の瀬奈じゅん氏のコンサートで燃え上がって灰になっちゃいましたから。

「感謝して♪」(ひゅーひゅー♪)ってやりたい。

炎と舞踏。

2004年12月25日 23時41分47秒 | 何か詩でも書いてみようか
見えないのか

見えないのか

眼前に迫る 燃え盛る火を

見えているはずだ

ほら 炎の熱が お前の肌を灼く

お前の目を 髪を 色鮮やかに炙っているではないか

炎は 紅くなり 蒼くなり

その身を踊らせて そう 死の舞踏だ

恐怖のピルエットとともに

お前に近づいていく

目を瞑るな 見なければならない

お前の睫毛が 幾たび 怯えの露に 濡れようと

瞬く間に 炎は その熱い腕で 乾かすだろう

目を瞑ってはいけない!

広げた 炎の腕に抱かれ 踊らねばならない

怯惰の心すら打ち砕く 最高のパートナーに

リードされ お前は 泣くとも笑うともつかぬ声を上げる

目を瞑るな

まだ それは遠く 対岸から 見守るだけだが

確実に お前は 踊らねばならない

今はまだ 川面を紅く 照らす炎と…




…大丈夫か、自分。ボードレール風。

2004年のメリー、メリークリスマス。

2004年12月25日 23時15分47秒 | Weblog
七面鳥って、本気でクリスマスに食べてる人っているんだろか…。




クリスマスも、もう少しで終わりです。

これが終わると、あとは大晦日&お正月って言うイベントが。

日本人ってイベント好きだよな。

ちょっと最近日記気味です。

本当は天下国家について熱く語りたいのに。(マジかよ!)

微妙に鬱が舞い降りた。

雪のように舞い降りてます。

きっと徐々に積もるのでしょう。(多分君は来ない)

内面が熱い時は、欝の雪も積もる前に融けるのでしょうが、

内面も冷えてるときは、あたかも自動車が埋もってしまうように

真っ白になってしまいます。

そのうち近所の小学生が、雪だるま作りに来ますよ。

海藤、リアル小学生の時他所の車の上に、雪だるま作ってましたもん。

ベンツとか高そうな車のうえに。

車に雪球投げて怒られたなぁ。

学校とか、酷いんですよ。

グラウンドに雪が積もると、雪が溶ける薬撒いちゃうの。

しかも、有毒だからって触っちゃダメって言うの。

そんな危ないもの撒くなよぉ…。

ああ、クリスマスとは無関係だな。

メリー、メリー、クリスマス、フォーユー。

メッリィ~!!クリッスマァ~ス!!!

2004年12月24日 23時26分12秒 | Weblog
こんばんは~海藤ぉ~輝でぇ~す。(W<ダブルユー>風に)

今晩は、「メッリークリマスマス☆」ですねぇ。

私は家族で、クリスマスパーティーですよ、ワインぐびぐび飲んでね。

もう、全部メインなんじゃないかって位のご馳走で。

鳥腿、豚肉ソーセージ、ハンバーグ、サーモン。

ってあれ!?

動物性たんぱく質ばっかりじゃん!

あと、「あまおう」苺。甘い。

伊達に「あまい、まるい、おおきい、うまい(?)」を名乗ってない。

ウチは必ず家族でクリスマスパーティーなんです。

ああ、お腹が苦しい。

ワインは回る。世界も回る。

私は世界と一緒に回ってる。私は世界を愛しているぞー!!

(酔っ払いが何か申しているようです)(ほっといて!)

来年もいい年になりますように。

ってか、クリスマスはイエス・キリストの誕生日にしたのは

キリスト教が勝手に各地の宗教を取り込んだ結果だからな!

本当は、ミトラ神の生まれ変わる日のはずだったのが、

いつのまにか吸収されてしまったんだからな!

しかもミトラ神は、日本にある魔多羅神と同一ではないかと

言われてるんだからな!(何を切れてるんですか)

…ってか…

お腹が一杯で苦しいよ、ママン…。

お猫様にメロメロ♪

2004年12月23日 19時28分13秒 | Weblog
昨日、自分ご褒美としてチケットを取ってあった「キャッツ」を
観てきました!
なおかつその後同期との忘年会へ梯子したりして。
でろでろ、へろへろです。

「キャッツ」はですね~、もう劇場内から
ドキドキワクワク。
猫目線なので、巨大なゴミ捨て場が展開しているわけですよ。
しかも、一階席で比較的お猫様(何故かこうなる)に近いのですから、
もう大変。
もう、通路側の席だから、降りてこられて目を見て台詞を言われると
固まる固まる。
おばさん猫のジェニエニドッツのタップが可愛いし、
車掌猫のスキンブルシャンクスなんて爽やかで素敵。
ラム・タム・タガーは気障で格好いい(でもナルシスト気味)。
マンカストラップは逞しいのに神秘的で、
タントミールは短毛種の猫なのか、他の猫とは一線を画している。
双子兄妹猫は、きょうだいのくせに官能的なデュエットダンスを
見せてくれました。
あと、泥棒猫コンビの、マンゴジェリーとランペルティーザは
可愛い。かつ凄いアクロバットを見せてくれます。

もっと一杯いいたいことあるけど、疲れてダメだこりゃ。

楽しかったー。酔っても無いのに酔ってる気分。
そのまんま、五反田のキャッツシアターから、
忘年会(二次会)会場へ。

狭い席できゅうきゅうになりながら、
他の人のお酒を分けてもらう海藤。
(と言うか勧めてくる)
何故か熱く語る紳士(ネットあだ名・男)。
「イケメンになりたい」とか言い出す秀才(同じくあだ名・男)
カワイコ(同じく・女)と携帯で写真撮り合ったり。
楽しいんですよ、これが。

そんな海藤、ちょっと「キュン♪」があったり。
(どっかの記事で、「胸キュンしたい」と書いていたのですが)

海藤、口下手でなおかつ滑舌が異常に悪い。
家族にすら「何言ってるか分からん」と言われる有様。
忘年会でも、そんな私の滑舌の悪さについて言われたのですが、
そこで紳士が一言。

「あ、でも俺はさ。君の言ってること120%分かってるから。」



・・・

キュン♪


海藤~単純ですから~。(やさぐれ)

ってか~その言葉って~。

私の言ってることの1.2倍分かってるってことですか~。

何何だかな~。周りの人間が「分からないことあるある~」のノリの時に

その一言だったんで、額面どおりとっていいのか

深読みせねばならん時なのか。ニントモカントモ

いかにもモテナイ女子の発想だとも、思う。

はぁ~。


イー!(携帯)。

2004年12月21日 18時47分09秒 | 携帯更新しちゃうぞ!
ショッカーって、普段どんな生活してるんだろ。

洗濯とか、するのかな。
日常の細々としたことに追われてたりするのかな。
食事したり居眠りしたり、恋愛したり青春の悲喜こもごもを、
謳歌してたりするのかな。

「俺の上司の怪人がよ~(ヒック!)」なんて
グチってたりするのかな。

そう考えると、
彼らの「イー!」にも
複雑な感情が見えてくる...わけないか。

そもそもショッカーってお互いに意志の疎通出来てるのかな...。

冬の始まり。(ブログフレンズ企画小説)

2004年12月19日 22時19分10秒 | 小説書いてみました。
黒い服は、魔法使いの制服。
そう呟きながら、羽音は黒いコートに身を包んだ。足元は黒いブーツ。
黒いモヘアニットの帽子もかぶろう。
たちまち全身黒尽くめの、ウサギのような少女が出来上がった。
手袋とマフラーだけ白い。
エバタが言っていた、「魔法使いは、黒い服を着てなくちゃならないんだ。」
羽音が、どうして、と聞くと、
「黒い服は、魔法使いの制服だから。」
と答えた。
エバタは、近所のハシモトさんちに住んでいるウサギだ。
それもただのウサギではない。
人間の言葉を喋る。喋るだけじゃない。エバタは「ぬいぐるみ」なのだ。
羽音はエバタを、とても気に入っている。
エバタも羽音を気に入っているらしく、普段喋らないのに羽音とハシモトさんがいる時だけお喋りになる。
エバタとハシモトさんは二人で一人だ。
エバタはお喋りだけど、ハシモトさんは殆ど喋らない。
ただ、羽音がいると嬉しそうな顔をする。ハシモトさん、と改まって呼んでいるが、本当は羽音より五つほど年上なだけの、少年だ。
でも、何だか大人っぽくて静かで、いかにも「ハシモトさん」なのである。
白い家に、お母さんとエバタと三人暮しみたいだけど、お母さんは殆ど家にいない。
ハシモトさんは、いつもエバタと一緒だった。それに羽音が加わったのは、数ヶ月前のことで三人はすぐ仲良くなった。
夏の終わり頃に、羽音が公園で転げる落ち葉を追いかけていた時、ベンチに座っていたのがハシモトさん、その鞄から外を覗いていたのがエバタ。
何か気になって、近づいた。
「ねぇ、それなーに?」
指差して尋ねる羽音に、ハシモトさんは驚いていた。わたわたと戸惑っている。
ハシモトさんは、赤くなったり青くなったりで何も言えないみたいだった。
ふと、気付いてエバタを見て、閃いたのかエバタを鞄から取り出した。
「俺はエバタ!」そして、エバタはハシモトさんを身体全体で指して、
「こいつがハシモト。君は?」と言った。
「あたしは羽音。」
「羽音かー。きれーな名前だなぁ。」
「ありがと。エバタは何してるの?」
「俺は、ここで秋の始まりを探してるんだ。」
「秋の始まり?」
「ほら、地面に落ち葉が落ちているだろ?それも秋の始まり。」
「ふーん。」
「あと…焼き芋屋さんが来ると、秋だなぁって思うよね。」
「あたし、焼き芋大好き!」
ハシモトさんとエバタが笑ったので、羽音も笑った。
すると急に打ち解けて、日が落ちておなかの虫が鳴くまで三人はお喋りしていた。
夏が終わるとどうして寒くなるんだろう、とか雨が降るときは透明な傘の方が、空が見えるとか、たくさん話した。
でも、ちょっと人が近づくとエバタもハシモトさんも黙りこくってしまう。
人見知りなのだと、幼い頭で羽音は思った。
そしてそんな二人と仲良くなれた自分を、嬉しく思った。

それはいつもの日だった。羽音はハシモトさんの家でお喋りしていた。
エバタは元々くたくたの身体をフル回転して、羽音を笑わせている。
ハシモトさんの家は、明るいテラスがあって冬なのに暖かい。
外はびゅうびゅうと風が木々を揺り動かしている。
羽音は、ベランダに面した大きな窓から射す光が板張りの床に作った陽だまりに、ごろごろと転がった。
「あったか~い。」
「外は寒いけど、あったかいよなぁ。」
エバタが頷くと、羽音はそちらの方へ転がってくる。
「ハシモトさん。」
ハシモトさんは声を出さずに、首を傾げた。
「“だんとう”って何ぃ?」
「暖冬か~。暖かい冬ってことだ。」
エバタが答えた。
「ハシモトさんに聞いたのに~。」
「何だよ、俺じゃダメ?」
「ダメじゃないけど…。ハシモトさん、殆ど喋らないんだもん。」
ハシモトさんは、少し戸惑って笑った。エバタが、彼を見上げて言う。
「でも、よく暖冬なんて言葉知ってたね、羽音ちゃん。どこで聞いたのさ?」
「お母さんが言ってたの。今年は暖冬だから、雪は降らないかもねって。」
「俺にしてみれば、十分寒いように感じるけどな。な、ハシモト!」
ハシモトさんは頷いた。
羽音はむー、と膨れる。
「雪が降らないの、ヤダなぁ…。」
「羽音ちゃんは雪が好きなの?」
エバタが言うと、羽音は頬の膨れを元に戻して言う。
「だってハシモトさんが言ってたじゃない。『雪は冬の始まりなんだ』って。あたし覚えてたんだよ。」
ハシモトさんは、そうだった、と気付いたらしい。
ハシモトさんの、数少ない言葉の中でも羽音の印象に残っていたのだ。
あの時は珍しく、ハシモトさんのお母さんがいて、エバタは一言も喋らなかった。エバタはお母さんが苦手なのかもしれない、と羽音は思った。
ハシモトさんは、眉をちょっとだけ下げながら言葉少なに喋っていた。
お母さんは、あまり一緒にいられないハシモトさんと喋ろうとしていたけど、ハシモトさんはちょっと困ったように相手をしている。
お母さんは羽音にも優しくしてくれた。ハシモトさんとお母さんはよく似ている。
優しくて綺麗。ふわふわのお花みたいな人だ。
そういう風に言うと、ハシモトさんは小さな声で言った。
「母さんは花に似てるけど…僕は多分雪の方が似てるよ。」
そう言うハシモトさんは、エバタをしっかりと握り締めていて、エバタが少し苦しそうだった。ハシモトさんは、エバタがいないとダメダメなんだ。
もう一つ羽音は、雪はすぐ融けて消えてしまうのに変なの、と思った。
そして、ハシモトさんは『雪は冬の始まりなんだ』とぽつりと言ったのだ。
その時の言葉を自分で思い出したらしい、ハシモトさんはエバタを見た。
「だから、あたし雪降って欲しいの。冬の始まりが見たいの。」
「そうかー。そうだったのかー。」
エバタが、うんうんと頷く。羽音は頬杖をついてエバタに返した。
「だからねー、暖冬は困るの。雪が降らないと冬が始まらないじゃない。」
「そんなこともないんじゃないかな。」
エバタが少し呆れている。羽音はむきになって叫んだ。
「そんなことあるもん!だって、毎年雪は降ってるんだよ。冬が来なくなっちゃうよ。」
ちょっと、ずれてるんじゃないかな、とぼそぼそとエバタが言ったが、羽音は聞いていない。
「あー、どうしよう、冬が来なかったら。冬が来ないと春も来ないんだよ。エバタ、困るよね?」
「まぁ…困るかな。」
「かみさまお願い、雪を降らせてください!」
突然祈りだす羽音に、ハシモトさんも呆れ顔だ。
エバタが呟いた。
「おとぎ話なんかには、雪を降らせる魔法使いの話なんてあるけどなぁ。」
すると、その言葉に羽音が反応した。目がキラキラしている。
「その話本当?」
「おとぎ話だけど。」
「魔法使いなら、雪が降らせられるのね!」
羽音は、うきうきし始めたのか、何やらぶつぶつ言いながら考え事を始めている。
「羽音ちゃーん。何考えてるの?」
「あたしが雪を降らせるの。」
「え?」
「あたしが魔法使いになって、雪を降らせるんだ。」
エバタもハシモトさんも、口を開けて驚いている。
ちょっと面白い顔だと、羽音は思った。
「でもどうやって魔法使いになるのさ?」
当然のエバタの問いに、羽音はちょっと考えて、
「そうだよね。どうしたらいいんだろう?」
と言った。
「魔法使いって言ってもなー。」
「エバタ、魔法使いってどんな格好してるっけ。」
「うーん。ホウキ持って…。ああ、黒い服だな。」
「黒い服?」
「魔法使いは、黒い服を着てなくちゃならないんだ。」
「どうして?」
「黒い服は、魔法使いの制服だから。」
羽音は、その言葉をしっかり胸に刻み込んだ。

「北風びゅーびゅー、落ち葉かさかさ、吹きっさらし、出がらし、すれっからし~。」
羽音は、意味の無い言葉を言うのが好きだ。
全身黒尽くめの少女が、落ち葉を次々踏んで公園に行く。
雪を降らす魔法使いの話を聞いた翌日の朝である。まだ誰もいない。
息をするたびに、ほわほわと湯気が立つ。
「汽車ぽっぽ!」
上を向いて、息を吐くと機関車そっくりだ。しばらくそのまま歩いてみたが、前が見えないので元に戻った。
「北風びゅーびゅー…ここでいいかな。」
公園のど真ん中に立つと、羽音は上を向いて両足を広げて立った。
「ちちんぷいぷい…違うな。アブラカタブラ、雪よ降れ~!」
甲高い声が、12月の青空に吸い込まれていく。が、何の変化も無い。
「ダメ、なのかなぁ~…。」
もう一度、叫んでみた。遠くで犬の遠吠えが聞こえる。
「むー…。」
羽音は腕組みをして考え込み始めてしまった。
何がいけないんだろう。服も全部黒い色にして、魔法使いらしいのに。
呪文が違うのだろうか。
もう一度、もう一度やってみよう。
両の握りこぶしを、真っ赤になるほど握り締め、口を堅く引き結ぶ。
腰に力を入れて、思いっきり構えた。
「雪を降らせてくださーい!!お願いしまーす!!雪を降らせてくださーい!!」
広い青空に、羽音の声が響き渡った。
「ぶふー…。」
吐き出した息を、また思いっきり吸い込んだ。
やっぱり無理なのか。冬は来ないんだ。
羽音ががっかりした時だった。
ひらり。
白いものが、羽音の目の前を掠めた。
「何?」
ひらり。ひらり。
次々と、降ってくる。
「雪だー!!」
笑いながら、空を見上げる。白いものが、またひらり。
でも空は、日本晴れといって良いほど晴れ渡っている。
「あれ?」
白いものはまだ降ってくる。少し後ろから降っているようだ。
背中が反り返って後ろに倒れそうになるくらい、羽音は上を見上げた。
逆さまに、ハシモトさんとエバタがいた。
「ばれちゃったか。」
エバタが、照れ笑いをした。ハシモトさんも、恥ずかしそうにしている。
羽音は急いで駆け寄った。
「エバタ、ハシモトさん!どうして?」
ハシモトさんの手には、白いものがたくさんあった。よく見るとそれは、細かく刻まれた発泡スチロールだった。
「ハシモトさん、何で…。」
困ったように、ハシモトさんは眉根を寄せた。
エバタを抱きなおそうとして、発泡スチロールとエバタを落としてしまう。
ハシモトさんが抱き上げるより早く、羽音がエバタを拾い上げた。
「大丈夫エバタ?痛くなかった?」
ハシモトさんは、本当に困った顔をしている。
だけど、羽音があんまりエバタを心配するので、ついに声を掛けた。
「大丈夫、エバタは強いから。」
「本当?ハシモトさん。何にも言わないよ、エバタ。」
「大丈夫、大丈夫なんだ。羽音ちゃん。」
「なーに?」
ハシモトさんは、顔をがしがしさすりながら笑う。
「ありがとう。」
「ん?どういたしまして?」
羽音には、訳が分からない。ハシモトさんの顔には、発泡スチロールが一杯ついていた。
羽音は、エバタを抱きしめながら尋ねる。
「どうして、あたしが来るって分かったの?」
「多分…そうだと思ったんだ。だから。怒った?」
「んーん。」
首を横に振ると、ハシモトさんは安心したようだった。
「寒いねぇ、ハシモトさん。」
「寒いね…。冬が来たんだよ。」
「冬が来たんだ?」
「うん。だから、本物の雪も降るよ。」
「本当?」
「多分。」
「そっかー。じゃあ良かった!」
羽音の笑い声が響く。ハシモトさんは、帰ろうか、と言った。
はい、と羽音はエバタの左腕を差し出した。
ハシモトさんはためらわずに、その手を握った。
羽音はエバタの右手を握る。
三人は、並んで手を繋いで歩いていく。
ハシモトさんは、今までとは人が変わったように、ちゃんと喋っていた。
反対におしゃべりなエバタは何にも言わなかったけど。
『まったく、世話が焼けるよねぇ。』
と、もしかしたら言ったかもしれない。

<了>




ブログフレンズイメージキャラクター、「羽音ちゃん」の物語です。
ちょっと幼くしすぎたかな…。
羽音ちゃんとハシモトさんの物語に仕上げました。
なぜ突然、こんな物語を仕上げたかと言うと、企画があったからです。
砂蜥蜴と空鴉の砂蜥蜴さんの企画です!
詳しくは下のリンクからどーぞ。
ブログ持ちでなくても参加できるみたいなので、興味のある方は参加してみてください。
あ、でも締め切りとかあるので、砂蜥蜴さんのブログに行ってみて下さいね~。

<リンク>
砂蜥蜴と空鴉:羽音祭のお知らせ!!
BLOG FRIENDS 編集部
ブログはじめますた:羽音ちゃんテンプレートがアップデートしましたよー

色々。(携帯)。

2004年12月18日 17時04分54秒 | エンゲキバナシ。
宝塚ファンなのに、どうしてスルーしてるのか不思議に思ってる人もいるかな...。

花組 瀬奈じゅん月組移動、トップスター内定。

ファンだからもちろん喜んでます。
でも複雑な思いも一杯で。
住み慣れた花組を離れること、トップになった瞬間に退団が未来に見えてしまうこと。

長いこと応援してると、様々な過去や努力が去来する。

見守ることも愛情。
外野の声には負けず頑張って欲しい。

(追記)

ちなみに、彩輝直@さえちゃんの退団公演で、あさこちゃん@瀬奈じゅんは、
女役、タイトルロールの「エリザベート」を演じます。
女役をやった男役は、トップになる、と言うジンクスが出来そうです。
(コムちゃん@朝海ひかるしかり)



大化の改新異聞四。(最終章)

2004年12月17日 21時50分34秒 | 小説書いてみました。
これで最後です。
大化の改新異聞一。 大化の改新異聞二。 大化の改新異聞三。の続き。
一。と二。微妙に直してあります。




古人は、瞼をゆるゆると開いた。今は一体どの時間なのだろう。真っ暗で、自分の姿すら判然としない闇の中、緩慢に起き上がる。身体がみしみしと、音を立てるようにきしんだ。酷く疲れている。どうして、こんなに疲れているのだろう。まるで長い夢を見ているようだ。懐かしい、悲しい夢を見ていたような気がする。
袴が、身体を動かすたびに板のように、ぱりぱりと音を立てた。顔も何かがこびりついて乾燥しているようで、気持ちが悪い。
手や足が、冷え切っている気がする。夏であるのに、震えが止まらない。
さっきの夢のせいか。
山背大兄王の、死に顔が思い出された。
あの反乱を、鞍作は大臣就任の初仕事として見事に鎮圧したのだ。
軽皇子の指示で兵士は動かされ、あっという間に山背大兄王の軍は蹴散らされた。
山背大兄王は、燃え盛る斑鳩宮で自害したと言う。
古人は、山背大兄王の死の報せを聞いて、泣いた。
同じ少年時代を過ごした彼を、そして蘇我の血が流れる一族である彼の死を悼んだ。
そして、いくら最も天皇の位に近い皇太子と言えど、蘇我一族・本宗家の前には無力な自らを悲しんだ。
なぜこうも道が分かたれたのか。あの頃は、学堂の頃は良かった、例えその身に苦しみを抱えていても、若さがそれを押し隠していられたのだから。
そのままでいられたら、きっと「こんなこと」も起きなかったのだ。
「こんなこと」?「こんなこと」とは?
「……あ。あ、あ…。」
次の瞬間、古人は完全に覚醒した。
「は…は…ううぅ…。」
自分の意思とは勝手に、全身が震えだす。歯の根が合わなくなる。
目が、ありえないくらい見開かれる。
殺される。殺される。
「い…やだ…。助け…て…。」
涙が、頬を伝う。呼吸が出来なくなる。
鞍作。兄のように慕った鞍作が。
あの時、一人の男の太刀が一閃し、鞍作の身体を切り裂いた。
そして、中大兄皇子の槍がその身体を貫き、見えた表情が忘れられない。
苦悶の表情の中に、諦めきれない力強さがあった。
彼は、確かに権力を一手にした政治家ではあったが、少なくとも大和国のためには良質な政治家だったのだ。まだ、やるべきこともあったはずだ。
鞍作は、無数の傷を負いながら中大兄皇子の槍を、自ら引き抜き、それを杖にしてなお立っていた。鬼気迫る様子に、誰もとどめを刺せない。
鞍作の眼光、そして磁場が周囲を圧している。
大極殿には、鞍作の、男たちの荒い息遣いしか聞こえなくなっていた。
すると。
鎌足が、中大兄皇子の斜め後ろに進み出た。
「中大兄様。」
緊張に立ち尽くしていた中大兄皇子が、ハッと身じろぐ。
鎌足は、跪くとそのまま、地面に落ちた太刀を拾い上げ、捧げ持った。
「これにて、とどめを。」
震えながら、中大兄皇子は頷き太刀を手に取った。
「一豪族でありながら、権力を恣にし大和国を我が物とせんとした逆臣、蘇我入鹿!!覚悟!!」
中大兄皇子の太刀が閃いた。
次の瞬間、鞍作の首は刎ねられ遥か遠くの玉砂利の上に転がった。
「鞍作…。」
そして、古人は狂気の叫び声を上げ、油断した舎人たちを跳ね除け、走り出していた。
背後に、古人を追いかけるようにいつまでも、鎌足の哄笑が聞こえていた。

古人は再び、凄まじい叫び声を上げていた。
恐怖に引き攣った声が、自分でも止められない。髪がバラバラと顔に掛かった。
冠はどこにいったのだろう。走るうちに亡くしてしまった。
冠でも何でもいい、私を止めてくれ。
古人は、とうとう咳き込んで前につんのめる。だが、それを機に叫び声も止まった。
突然、戸が開かれた。
女官が息を切らせ、立っていた。逆光で表情が見えない。外はまだ日があった。
古人は闇から光に照らされ、自分を取り戻す。
と、同時に自分の姿がはっきりと見えた。
べったりと、血の色に染め上げられた袴。乾いて変色し、腿に張り付いている。
涙に濡れた顔をまさぐり、その手に目をやった。
「あ、」赤いものが目に入る。「や、だ、」
血が。血が血が血が。鞍作の死に顔が甦る。
血に染まった主の姿に、少なからず女官も驚愕したようだった。
だが、彼女も慌てていて自らの責務を全うすることしかこの瞬間は考えられなかった。
「古人様、」女官の声が、古人には遠くに聞こえる。
「蘇我の…蘇我蝦夷様が、自害なされました…!!」
終わりだ。
古人の目の前が真っ暗になった。
自分は、蘇我蝦夷と鞍作に後押しされていた皇太子だ。
程なく宮廷に自分の居場所は無くなるだろう。
そもそも、どうして鞍作が死ななくてはならなかったのだ。
彼は、悪い人間ではない。確かに、政敵に対する冷酷さや、政治を妨害する輩への冷酷さはあるが、鞍作が正しいのだから仕方が無いのだ。
そうか。中大兄皇子は、皇極天皇の息子だ。本来なら、第一の皇太子であるべき血筋だが、現在の蘇我氏中心の体制ではそれは叶わない。
しかも、鞍作は文字通り女帝の「寵愛」を一身に受けている。中大兄皇子は、母と大臣の良からぬ噂を苦々しく思っていたのに違いない。そして、蘇我氏の傀儡である、古人自身に対しても。
このままでいれば、程なく刺客を差し向けられ、自分は殺されるだろう。
今までは、美術や工芸品に目を向けて政治のことなど気にしないようにしてきたと言うのに、そうも言っていられない。
何か。何か手立てを立てなければ。
混乱して、何が何だか分からなくなる。
「どう、すれば、いい?」
「古人様?」
女官が怯えたように、声を掛けた。
逆光で、彼女の身体の背後が発光しているように見える。仏像の光背のようだ。
次の瞬間、古人は閃いた。
「刀を、持ってきてくれないか。」
「古人様?!」
女官の顔が蒼褪めたのが分かった。彼女の考えていることが手に取るようだ。
「心配しなくていい、」安心させるように、無理やりに笑顔を作った。
「お前の考えているようなことではない。すぐに持ってきてくれ、でないと…間に合わない。」
半信半疑なのか、少し逡巡した後、畏まりました、と女官は立ち去った。
これでいい。これなら、少なくとも命は狙われないかもしれない。
それに敵意が無いことも示すことが出来る。
顔にばらばらと掛かった髪の毛を、ゆっくりとかき上げた。
バリバリと音を立てる髪の毛が僅かに湿気を残している。
鞍作。すまない。私は、生きる。
卑怯だと、生き恥を晒すと言われても生きてやる。
だから、だから。
女官が小走りに戻ってきた。飾り紐のついた赤い鞘の太刀を布の上に載せて、古人に捧げた。
「ありがとう。」
古人の笑いに、女官は安心したのか緊張を解いた。
すらっと、太刀を鞘から抜く。夏の日の夕暮れ、最後の太陽の光が反射して目を刺す。一瞬、嫌なものが脳裏に見えたが、首を振って耐えた。
そして、左手で長いざんばらの髪を無造作に掴む。
「古人様?」
「見ていてくれ。これが終わったら、すぐに僧都をお呼びするように。」
二度とは、普通の生活には戻れないだろう。それでも。
古人は、目を閉じ一気に髪を根本から切り落とした。はらはらと、髪の切れ端が板葺きの床に広がる。女官が、口に両手を当て声にならない悲痛な叫び声を上げた。
これでいい。
「私は…出家する。鞍作も死に、蝦夷殿も自害された。ならば、私が弔わなければならないだろう。」
女官が、涙ながらに頷いた。感動を堪え切れず、何度も古人の名を呼ぶ。
だが、これは建前だ。私は死にたくないだけの、弱い男なのだ。
それでもいい。
古くからの友に、裏切られた男にはこれぐらいの復讐しか出来ない。
奴らにとって、僧となった古人は悩みの種になるに違いない。
僧には簡単に手出しを出来ないはず、だと思う。
古人にとって、生き続けることこそが復讐だった。
「…湯浴みをしたい。このように血で穢れた姿で、僧都にお会いするわけには行かない。」
「畏まりました。すぐにご用意いたします。」
さっと、女官が立ち上がると、ふわりと甘い香りがした。
ああ、あと数刻もすれば、現世とも別れねばならない。
僧は、世人とは違う生活を送らねばならぬ身だ。
古人は、ゆるゆると立ち上がり、戸の外に僅かに出た。
湿気をはらんだ暑い風が、不揃いな毛先を揺らす。
遠くの山に、赤い赤い日が沈んでいく。たなびく雲が、夕日に輝き眩しいほどだ。
例え天皇が変わろうが、この世がひっくり返ろうが、飛鳥野の夕映えはいつまでも変わりはしないのだ。きっとそうだ。
今になって何故か、晴れ晴れとした思いである。
だが、その心とは裏腹に、自然と両の頬を涙が伝う。
古人は、それを拭いもせず、一番の星が出る頃までいつまでも立ち尽くしていた。

<了>




あとがき。

書きたかったんです、古人皇子が。
情けなくも逃げ惑う彼が。

最終的に彼は十年後に、自殺とも暗殺とも取れる死に方をします。
悲劇の皇太子。