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独創新薬、勝敗のカギ

2012-04-20 11:23:07 | 日記

薬価下げ メーカー正念場
 2年に1度の医薬品の公定価格「薬価」の改定が4月に行われ、薬価が平均6%引き下げられたことで、新薬開発できるかどうかが医薬品メーカーにとって一層重要になっている。(香取直武、佐俣勝敏)
 創薬意欲を促すため、特許期間中の独創的な新薬は、実質的に価格を維持する制度が試験導入されているためだ。有力な新薬を持つメーカーと、持たないメーカーとの間で勝敗がはっきりしそうだ。
特許切れ痛手
 薬価改定でエーザイの下落率は平均の6%下落を大きく超える11%台前半になった。特許切れの影響で、主力の認知症薬「アリセプト」が16・7%と大幅に引き下げられたことなどが響いた。同社は、抗てんかん薬など、次の主力品開発に力を入れる方針だが、2012年度の収益悪化は避けられそうにない。
 アステラス製薬は、高コレステロール薬「リピトール」が特許切れで11・3%下がったにもかかわらず、新薬開発に成功、全体では6%台前半にとどまった。最大手の武田薬品工業やノバルティスファーマは平均を下回る5%台にとどめた。
 厚生労働省は独創的な新薬について、特許期間中の価格維持を目的に加算する制度を前回改定から試験導入した。同省によると、薬価が定められている1万5000品目のうち、今回、価格が維持されたのは542品目だ。
外資系優勢
 企業別では、制度対象となった製品数の上位10社のうち外資系が8社を占めている。1位のグラクソ・スミスクラインの51品目に対し、国内勢最多のアステラス(7位)でも半数の25品目しかない。国内メーカーは、売上高の2割前後を研究開発費につぎ込んでいるが、新薬開発には10年以上の期間と数百億円規模の資金が必要なため、「資金力のある外資系が有利」(アナリスト)とされる。
 日本メーカーでは、今回の薬価引き下げによる減収額が100億~300億円に達するケースもあるとみられる。国内大手8社の12年3月期連結決算は、主力製品の特許期間が切れた「2010年問題」の影響や円高により、7社が営業減益を予想しており、今後の経営環境は厳しそうだ。
 このため、単独で新薬を開発する自前主義のモデルから、海外メーカーの買収や、大学や創薬ベンチャーなど外部との連携を模索する取り組みが広がっている。武田薬品は昨年、神奈川県に新たな研究所を設立し、京大や海外のベンチャーとの共同研究を進めている。アステラスも理化学研究所とアルツハイマー薬の共同研究を始めた。
 薬価を維持できるような競争力のある新薬を複数開発できるかが、製薬会社の命運を握りそうだ。また新薬をめぐり、さらなる再編につながる可能性もある。
(2012年4月8日
読売新聞)


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