（２４日、楽天８―０ソフトバンク）
トレードマークの雄たけびを上げるまでもなく、涼しげにゼロを並べた。楽天の田中が両リーグ最多タイにして自身初の１６勝に、８安打完封で到達した。
「力まず、バランスよく投げられた」。前回登板で見られた、上体が突っ込む悪癖を完璧に修正した。大量援護をもらい、早めに打たせて取る。わずか１０６球の無四球完封劇だった。
投球回数が初めて２００イニングを超えた。目標とする沢村賞の選考基準を次々とクリアしている。２５試合登板にもあと一つだ。ただ本人は「終わってから振り返ります。しっかり次の準備をしたい」。３位とは５ゲーム差。それでも田中がＣＳ進出を諦める理由にはならない。
「これからが僕らの底力を見せるところ。残りを勝つしかない」。その先に、先発投手最大の栄誉があると信じて。若きエースの奮闘が続く。（渡辺崇）
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