ハウスの上に積もった火山灰を落とす農家の人(宮崎県小林市野尻町で)=中嶋基樹撮影
鹿児島、宮崎県境の霧島連山・新燃(しんもえ)岳(1421メートル)は29日も小規模な噴火が続いている。
午前9時時点では上空1500メートルで北西から12メートルの風が吹いており、南東側では宮崎県都城市などを中心に降灰が確認されている。
鹿児島地方気象台などによると、霧島連山周辺は雲に覆われ、噴煙の規模を確認できない状況が続いているが、午前6時40分現在では少なくとも500メートル以上の噴煙が確認された。
29日午後9時には北西からの風が18メートルまで強まると予想されており、警戒を呼びかけている。28日午後以降、爆発的噴火は観測されていないが、噴火警戒レベル3(入山規制)は継続されている。
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新燃岳を上空から観測した東京大地震研究所の中田節也教授は29日、新燃岳火口の中には、少なくとも四つの小さな火口があることを明らかにした。
新燃岳火口は直径約700メートル、深さ約200メートルのすり鉢状。中田教授によると、溶岩ドームが出現した火口は中央のやや南側に位置。周囲にある三つの火口からは白煙や暗褐色の煙が上がっていた。27日に起きた最初の爆発的噴火は、四つの中で一番大きい西側の火口で起きたという。
また、新燃岳火口北側にも長さ約400メートルの火砕流跡があった。この火砕流はガス成分を多く含む「火砕サージ」の可能性が高いという。今回の噴火で確認された火砕流跡は2か所目。
中田教授は「二つの火砕流跡は、噴火の時に出た火山灰などが流れてできた。溶岩ドームができるのは通常の火山活動の過程。新燃岳火口はすり鉢状なので、溶岩ドームが壊れても火砕流が火口の外に出ることはないだろう」と話した。
(2011年1月29日14時35分
読売新聞)
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