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適切な枠組みによる学習の必要性

続きだったりするわけですな?

( ゜д゜) 実用家の立場から、数理的理解を目指して、概念的理解を行う

これが、雪本さんの統計法学習観なわけですが、これを進めるためには注意すべきポイントがあったりするわけです。

実際の現場で統計法を使う必要がある実用家は、数理的立場に立つ統計学研究家と異なり、必ずしも体系的な知識は要求されません。その時々の解決すべき問題に応じて、データを分析するための統計解析法という道具を学習していくわけです。

統計学(法)は、実用家の立場では、日本語や英語などと同様に、問題解決に必要となる「道具」という認識になるでしょう。確かに、言語そのものを研究する人たちがいますが、ごく普通の人々は、言葉は、自分の意志を表現するための、相手とのコミュニケーションをとるための道具であると、考えられているのではないでしょうか? 統計法も結局は、データを分析するための「道具」と考えられます。これが実用家、そして統計法(学)を学習する人にとって、一番すっきりする考え方だと思います。

さて、データと一言で言っても、実はいろいろな種類があったりします。そのため、そのデータの種類に応じて、分析の道具も多く用意されています。「記述統計(法)」「t検定」「相関分析」「分散分析」「重回帰分析」「因子分析」「χ2検定」「連関分析」「相関比分析」…………突然、出てきた言葉にびっくりされたかもしれませんが、これらは、データを分析するための「道具」の数々です。

(´-`).。oO(随分たくさんあるんだなぁ)

…と、思われた方がいるかもしれませんが、甘いですよ? データ分析の道具は、この他にもたくさんたくさん、開発されています。こう聞くと、泣きたくなる人もいるかもしれません。気持ちはよくわかります。僕も、いろいろな分析道具を学習するために、めそめそ泣きそうになります(嘘です

実際、実用家の大きな悩みの一つに、どのような分析道具を使えばよいのかわからない、というものです。「○○の分析道具の使い方がわからない」ではなく、「多くの分析道具のどれを選択すればよいかわからない」ということに注意して下さい。

コンピュータによる統計ソフトを使って、統計法学習をしている人は、レベルの差はあれ、ひとまずは、ある程度、○○の分析道具の使い方に慣れてきます。無論、十分に使いこなせないなどの悩みはあるでしょうが、多少の勉強で、特定の道具を「使う」ことはそれほど難しくはないのです。

問題は、ある程度たくさんの分析道具を学習すると、道具の選択基準がわからなくなるわけです。なぜかというと、おそらくは、複数の分析道具を整理するための体系的な枠組みを持っていないためです。

はい、話の流れからわかってくると思いますが、雪本的な統計法学習では「統計法学習における体系的枠組み」が大きな役割を持つことになります。

実用家が統計法をある程度学習していって、何となく壁にぶつかるのは、この「体系的枠組み」を十分に理解できていないからだと考えられます。これを突破しないと(枠組みを理解しないと)、「たくさんの分析道具をある程度は知っている。でも、それらを自信を持って使うことができない」などと悩んでしまうことになります。

それでは「その体系的枠組み」とは何か? 次回をお楽しみに!

(´-`).。oO(まあ、僕のサイトでは、かなり昔から公開していますが)
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雪本さん的統計学習観

( ゜д゜) メモ的に素早く書けるのがブログの良いところ

私のサイトからの流れでいくと、統計法学習がネタになるのはもはや真理でしょう(ぇ
統計解析法の世界に触れて、かれこれ十年近くなろうとしています。生来の「教え魔」気質ゆえに、統計法の「教育」に関心が出てきたわけです。

この統計法学習については、いろいろな人が、いろいろな立場で意見を述べています。それらの意見に対して、賛成できるものもあれば、納得できないものもあったりします。そして僕自身も、それらに加わる形で、自分なりの意見を持っています。

統計法学習に対する考えは多様ですが、ある程度のパターン化はできると思います(この辺を研究にするのも面白いかもしれない)。

(1)例えば、数理的立場からの学習があります。多くの人が、正統な統計法学習の態度であるとみなすものが、これでしょう。この辺になると、統計法と言わずに、統計学と言うのがよいかもしれない。

(2)あるいは、コンピュータ統計的立場も見逃せない立場です。統計法の数学的側面をばっさりと捨て、計算は専門の統計ソフトに任せる。そして、「統計ソフトの使い方・解釈法」を身につける、という学習スタイルです。数学が苦手な人にはぴったりの方法でしょう。

(3)昔は、この二つの学習スタイルが主だったわけですが、最近は、両者の架け橋となる第三の立場なるものが台頭しているというのが、雪本さんの考えです。すなわち、「概念的立場」と仮に命名できる立場であり、(2)のコンピュータ統計的立場ほど、計算過程をブラックボックスにするのではなく、かといって、(1)ほど厳密な形で計算過程を追求するというものではなく、ソフトに、イメージを使いながら両者を接近させるものです。

雪本の立場は(3)です。ただし……

最近、(3)の立場による統計法についての啓蒙書・教科書などが増えてきました。それはまことに素晴らしいことで、私もその類の本を何冊か持っており、それで大いに学習を進めているのですが、実は不満もあります。

上記の(1)、(2)、そして(3)を少し別の観点で整理してみましょう。

  原理的 ←───────────────→ 実用的
    (1)        (3)         (2)
   数理的       概念的    コンピュータ統計的

数理的立場は、統計法の原理原則を探求するという「研究者の統計学(法)」、コンピュータ統計的立場は、実践場面における実用的利用を重視する「実用者の統計学(法)」を追求しているといえます。

統計学(法)の歴史からいえば、当然の如く、(1)が唯一であったわけですが、コンピュータ科学の発達のおかげで(2)が登場、多くの実用者に受け入れられます。これに対して、(1)の立場の者が、(2)に接近していく形で、(3)概念的立場を採っていく……と概略を描くことができます。

しかし、(1→3)による概念的立場で学習した事柄は、実用面で有効かというと、即座には活用することは難しいと思います。いえ、教えられている事項そのものは非常に価値があるのですが、その事項は実用的観点で活用しにくいわけです。下手をすれば、トリビアになってしまいかねません。

やはり(2)の実用家はあくまでも(2)の観点に立っており(その必要がある)、同じ概念的立場であっても、(2)の立場の者が、(1)に接近していく形で構成された、(3)概念的立場の項目こそが、本当の意味で、役立つのではないかと思います。

というわけで、雪本さんが採っているのは、(2→3)による概念的立場なのですさー
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