逆正弦変換法によるχ2分散分析(三要因)の計算法(統計tool使用)

( ゜д゜) 思わず作ってしまった。多分合っているはず。

「逆正弦変換法によるχ2分散分析」の続きです。先程,分散分析の計算プログラムを使えば,結構簡単にできることがわかりました。

つーか,あれって,三要因もできそうでないか? つーわけで,さっさかさーと,試してみました。

Ⅰ.データ変換の段階

 □生データ:%データ
    │        │        │
    │    a1    │    a2    │
    ├────────┼────────┤
    │  b1    b2 │  b1    b2 │
 ───┼────────┼────────┤
   c1 │  0.5   0.6 │ 0.4   0.3 │
   c2 │ 0.7   0.9 │ 0.7   0.6 │
 ───┴────────┴────────┘
        (各セルの人数はn=10)

 □逆正弦変換(角変換)後のデータ
    │        │        │
    │    a1    │    a2    │
    ├────────┼────────┤
    │  b1    b2 │  b1    b2 │
 ───┼────────┼────────┤
   c1 │ 45.00  50.77 │ 39.23  33.21 │
   c2 │ 56.79  71.57 │ 56.79  50.77 │
 ───┴────────┴────────┘

Ⅱ.統計ソフト(例:統計tool)を使って二要因(対応あり×あり)分散分析の実行

 ┌───┬───────┬───────┬
 │   │   a1   │   a2   │
 │   ├───┬───┼───┬───┼
 │   │ b1 │ b2 │ b1 │ b2 │
 ├───┼───┼───┼───┼───┼
 │No.01 │ 45.00│ 50.77│ 39.23│ 33.21│
 ├───┼───┼───┼───┼───┼
 │No.02 │ 56.79│ 71.57│ 56.79│ 50.77│
 ├───┼───┼───┼───┼───┼


    ◇二要因(対応あり×あり)分散分析の結果☆
 ────────┬────────────────────
   変動因    │   SS   df    MS    F
 ────────┼────────────────────
   被験者S   │  572.92   1   572.92
   要因A    │  243.35   1   243.35  304.27
   誤差AS    │   0.80   1    0.80
   要因B    │   9.04   1    9.04   0.89
   誤差BS    │  10.14   1   10.14
   交互作用AB  │  132.73   1   132.73   13.09
   誤差ABS   │  10.14   1   10.14
 ────────┼────────────────────
   全体     │  979.13   7   34.86
 ────────┴────────────────────

Ⅲ.「比の差の分散分析」への結果の変換

 ①分散分析の結果から使うのは,「SS」「df」「MS」の数値のみ。F値は使わない。
 ②変動因の名称を変更
  ・「被験者S」→「要因C」に変更
  ・「誤差AS」「誤差BC」→「交互作用AC」「交互作用BC」に変更
  ・「誤差ABS」→「交互作用ABC」に変更
 ③「比の差の分散分析」として結果表に,以下の新要素を追加する。
  ・追加行として「郡内」行を追加
  ・追加列として「χ2」を追加
 
      ◇ 比の差の分散分析の結果ver0.1 ☆
 ────────┬────────────────────
   変動因    │   SS   df    MS    χ2
 ────────┼────────────────────
   要因C    │  572.92   1   572.92
   要因A    │  243.35   1   243.35
   交互作用AC  │   0.80   1    0.80
   要因B    │   9.04   1    9.04
   交互作用BC  │  10.14   1   10.14
   交互作用AB  │  132.73   1   132.73
   交互作用ABS │  10.14   1   10.14
   全体     │  979.13   7   34.86
   郡内     │
 ────────┴────────────────────

 ④表が見にくいようであれば,行(変動因)を適切に並び替える
 ⑤郡内のχ2値を以下の計算式で算出
  ・郡内χ2値=821/n (各セルnで異なる場合は,nの調和平均を使用)
 ⑥郡内χ2値を基準にして,各変動因のχ2値欄を計算する
  ・変動因のχ2値=変動因のMS/郡内χ2値

      ◇ 比の差の分散分析の結果ver0.2 ☆
 ────────┬────────────────────
   変動因    │   SS   df    MS    χ2
 ────────┼────────────────────
   要因A    │  243.35   1   243.35   2.96
   要因B    │   9.04   1    9.04   0.11
   要因C    │  572.92   1   572.92   6.98
   交互作用AB  │  132.73   1   132.73   1.62
   交互作用BC  │  10.14   1   10.14   0.12
   交互作用AC  │   0.80   1    0.80   0.01
   交互作用ABS │  10.14   1   10.14   0.12
   全体     │  979.13   7   34.86   1.70
   郡内     │                82.10
 ────────┴────────────────────

 ⑥χ2分布臨界値表などを使って,有意性判定を行う


だいたい,こんな感じだろう,と思う雪本さん!

なぜに逆正弦変換法なるものをするのか?

①百分率(割合)データを,より正規分布データに近づける作用がある.
②郡内分散とは,各セルの分散を意味しているが,「821÷人数」によって算出されるので,セル人数が同質であれば,各セルの分散も同質となる.

分散分析の前提条件として,①正規分布性,②各水準の分散の等質性がありますが,逆正弦変換法を使うと,この二つの条件を満たす(かなり満たす可能性が高くなる)ようになるわけですね.

(´-`).。oO(当然,一要因もできます。次回にでも説明します)
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逆正弦変換法によるχ2分散分析(二要因)の計算法(統計tool使用)

( ゜д゜) 名義尺度版多重比較法に決~めた

というわけで,名義尺度データ(従属変数が二カテゴリ)の場合の統計法である「逆正弦変換法によるχ2分散分析」の計算法をちろっと書きます。

……何が「というわけで」と思った皆さんへ。
えと,あの,「教えて!goo」で逆正弦変換法に関する質問があったので,回答をしたわけですな。

[教えて!goo] 逆正弦変換法(角変換)の必要性と求め方

そのときは,統計ソフトを使った(少しでも)簡単な方法が自分の中で整理がついていなかったので,自分のブログに追加回答をしてみた……といのが今回の投稿です。

( ゜д゜) 運がよければ,質問者さん,参考にして下さいっ!

データは『はじめての心理統計』(by 神宮英夫,川島書店)より。
なお,「逆正弦変換法による(略)」は面倒なので,「比の差の分散分析」としています。

Ⅰ.データ変換の段階

 □生データ:%データ
 ───┬─────────────┐
    │  a1    a2    a3  │
 ───┼─────────────┤
   b1 │ 0.083  0.100  0.058 │
   b2 │ 0.250  0.183  0.125 │
 ───┴─────────────┘
  (各セルの人数は,等しくn=10)

 □逆正弦変換(角変換)後のデータ
 ───┬─────────────┐
    │  a1    a2    a3  │
 ───┼─────────────┤
   b1 │ 16.74  18.43  13.94 │
   b2 │ 30.00  25.33  20.70 │
 ───┴─────────────┘

Ⅱ.統計ソフト(例:統計tool)を使って一要因(対応あり)分散分析の実行

 ┌───┬───┬───┬───┬
 │   │ a1 │ a2 │ a3 │
 ├───┼───┼───┼───┼
 │No.01 │ 16.74│ 18.43│ 13.94│
 ├───┼───┼───┼───┼
 │No.02 │ 30.00│ 25.33│ 20.70│
 ├───┼───┼───┼───┼


      ◇一要因(対応あり)分散分析の結果☆
 ──────┬────────────────────
   変動因  │   SS   df    MS    F
 ──────┼────────────────────
   要因A  │  39.74   2   19.87   2.88
   被験者S │  120.78   1   120.78   17.52
   誤差   │  13.79   2    6.89	
 ──────┼────────────────────
   全体   │  174.31   5   34.86
 ──────┴────────────────────

Ⅲ.「比の差の分散分析」への結果の変換

 ①分散分析の結果から使うのは,「SS」「df」「MS」の数値のみ。F値は使わない。
 ②変動因の名称を変更
  ・「被験者S」→「要因B」に変更
  ・「誤差」→「交互作用」に変更
 ③「比の差の分散分析」として結果表に,以下の新要素を追加する。
  ・追加行として「郡内」行を追加
  ・追加列として「χ2」を追加
 
      ◇ 比の差の分散分析の結果ver0.1 ☆
 ──────┬────────────────────
   変動因  │   SS   df    MS   χ2 
 ──────┼────────────────────
   要因A  │  39.74   2   19.87
   要因B  │  120.78   1   120.78
   交互作用 │  13.79   2    6.89	
   全体   │  174.31   5   34.86
   郡内   │
 ──────┴────────────────────


 ④郡内のχ2値を以下の計算式で算出
  ・郡内χ2値=821/n (各セルnで異なる場合は,nの調和平均を使用)
 ⑤郡内χ2値を基準にして,各変動因のχ2値欄を計算する
  ・変動因のχ2値=変動因のMS/郡内χ2値

      ◇ 比の差の分散分析の結果ver0.2 ☆
 ──────┬────────────────────
   変動因  │   SS   df    MS    χ2 
 ──────┼────────────────────
   要因A  │  39.74   2   19.87   2.90
   要因B  │  120.78   1   120.78  17.65
   交互作用 │  13.79   2    6.89   1.00	
   全体   │  174.31   5   34.86   5.10
   郡内   │                6.84
 ──────┴────────────────────

 ⑥χ2分布臨界値表などを使って,有意性判定を行う

手計算の方法は「データテクニカルブック」に説明されていますが,こんな方法もあるわけです。

(´-`).。oO(しばらくは,勉強成果の発表をしたいと思います……な?)
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提出後のひととき

( ゜д゜) うひょひょー

とりあえず大学紀要を提出しました。
次回あたりの大学紀要でも統計法のネタで書こうと思っています。現時点のネタは

・因子分析の結果の解釈について
・対数線型モデル分析について
・名義尺度版多重比較法について(未勉強)
・類似統計法について(未勉強)

んー,間隔尺度版と順序尺度版と執筆してきたので,名義尺度版多重比較法を書いて一応の締めくくりをしてみたいなぁ,とも思っていたり……

まあ,ぼちぼち考えてみます。
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大学紀要

( ゜д゜) 涼しくなってきました

熱いお茶が旨いなぁ,と感じられるようになってきたこの頃。

月末に大学紀要の締め切りがあるわけですが,雪本さん,後数日ですが頑張って下さい(自己激励)。

散々宣言してきたように,多重比較法で紀要を書きます。一本は間隔尺度版多重比較法,もう一本は順序尺度版多重比較法です。

Σ(゜□゜) 名義尺度版多重比較法がまだ残っているーっっ!!

まあ,これについては,次回ということで。
つか正直言うと,名義尺度版まで,多重比較法の整理する余裕がないわけですな。
紀要一本分に膨らませるとなると,やっぱり「割合の分布は逆正弦変換を行うと,正規分布化する」などのネタをしこまないと分量的に足りないと思います。それでも足りないから,何かネタを用意しないといけないだろうけど……

現時点では思いつきませんっ! まあ,クロス表の分析の一部を導入すればいいのかもしれんが……

ともあれ,名義尺度版多重比較法については整理ができてないので,今回は見送りました。

(´-`).。oO(個人的には,そろそろ多重比較法を卒業して,別の統計法を整理したい)
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類似の統計法

( ゜д゜) 類似の統計法

雪本さん的に統計解析法の分野は,中級三分野として「差異の統計法」「類似の統計法」「多変量解析法」,そして補足二分野として「クロス表分析法」「分布基礎論」と五分野にわけることにしています.

この中で,一番勉強を進めいてピンとこなかったのが,「類似の統計法」なわけです.類似の統計法とは,相関係数の発展統計解析法の分野と位置づけているわけですが,多変量解析も相関係数の発展版なので

( ゜д゜) 類似の統計法っているの?

と,悩んでいたりしました.

分野として成立するためには,ある程度手法の数が揃っていなければなりません.
しかし,多変量解析にかぶらないように,そろほど多くの手法があるのか……

それで悩んでいたのですが,最近,これでいこうかという案が浮かびました.

さあ,皆様は下記の手法のうち,どの程度ご存知でしょうか?

★同尺度の類似性
<両方向性>
□基本形
 間隔×間隔:ピアソンの積率相関係数
 順序×順序:スピアマンの順位相関係数,ケンドールの順位相関係数
 名義×名義:クラメールの連関係数
□オプション形
 間×間:偏相関係数,級内相関係数
 順×順:偏順位相関係数,級内順位相関係数
 名×名:偏連関係数,級内連関係数
□有意性の検定
 相関係数,順位相関係数,連関係数の有意性検定
 独立した相関,順位相関,連関係数の有意【差】検定

<一方向性>
□統計量
 間×間:回帰係数,偏回帰係数
 順×順:順位の回帰係数(仮)
 名×名:制約変数

★異尺度の類似性
 名×順:順位相関比
 名×間:相関比
 順×間:①(順×順)化して,順位相関係数の算出
      ②(間×間)化して,積率相関係数の算出
       ※「順→間」はパーセンタイル順位を求めることで可能

ひとまず,こんな感じのを考えていたりします.
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多重回答

( ゜д゜) そろそろ後期授業が始まるぞー

今日,久々に統計法の相談を受けた雪本さん.
今回は「多重回答」をどう分析するかについてでした.多重回答というのは,質問者さんは選択肢の中から複数回答をしてもよい,という複数回答のことです.

多くの統計解析法は,多重回答に対応していないわけです.
だからこそ,対応している分析法はその辺を売りにするわけです.

この手の質問には回答レパートリーを持っていませんでしたの,相談を受けながらどきどきしていました.

今度は,この辺の問題をちょっと考えてみたいなぁと思った日本の夜です.
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質疑応答の反応

( ゜д゜) 僕らはみんな

雪本さんは生きてますよっ!

雪本さん,「教えて!goo」などで質疑応答の練習をしています。
僕的には,ポイント……まあ,欲しいと言えば欲しいのですが……よりも,相手の反応を第一の報酬と考えています。

だから,何の反応もなく質問を打ち切られると,ちょっとへこみます
↓こんな感じに

orz

質問をされる方は,何らかの反応をお願いしますと望むこの頃であった。
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