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DESTINY スペシャルエディション:1 感想

2006年05月28日 | ガンダムSEED DESTINY感想

悪い種から善い芽は育たない。

―原罪―

人はたいがい、じぶんのもつものがそうだとは、思わないのだ。



そうかたられるモノローグは、アスランの回想録のようで…



もしこのスペエディ全4巻が彼の回想録であるのならば、

… アスランがDESTINYで得た希望とはなんでしょう。
…アスランの諦められない希望とはなんだったのでしょう。
(何だったっていうんだ!!!)

…ということになりかねない。


なぜならば、、、

人のもつ種はそもそも「悪」であるのだという悲観。
その思想の土台に造られる世界




人のもつ種はそもそも「善」であるはずだと信じる楽観。
その思想の土台に造られる世界


による「選ばれる未来」はきっと天と地の差が生まれるだろうと考えるから。



スペエディ1巻に語られたアスランの思いは
DESTINY以降のアスランの選ぶ道に通じるのだと
捉えると…

冒頭の「アレ」をアスランに語らせる意図が怖い。

SPのレイならば気持ちは理解できる。

むしろキラの方が陥りやすい思想じゃないかとも思っていた。

だから、、、、なんで、それがアスランなの????

そしてスタッフはなぜあの言葉にこだわるの??


(これをどうしても映画への伏線と捉えてしまって戦慄したわけです。)



「悪い種から善い芽は育たない。人はたいがい、じぶんのもつものがそうだとは、思わないのだ。」


だから、その世界を統制しよう、
と考えたのがデュランダルであったのがDESTINYという物語。


アスランの知りたい世界。常に表裏一体に混沌とする世界を知る術。

今回のアスランのモノローグを
「選ばれた未来」でアスラン、キラ、シンが決意した
「明日の希望がある世界」に至るための葛藤のモノローグであるならば
致し方ないかと観ることもできるのですが。。。
(言葉選びのセンスは別として)

もし、DESTINYの先に待つ、アスランの持つ闇を描こうとするものならば、、、
ものすごく怖い。

ただの深読みのしすぎ…と笑えるのならば…うれしいんですが。





「悪い種から善い芽は育たない。
人はたいがい、じぶんのもつものがそうだとは、思わないのだ。」

だから、判らせなくてはならない。旧人類に。
絶望を教える、身をもって。
生きるのに精一杯なくらいの世界を与えることでしか、
愚かな人類は気づかない。

切望を。平和への切望というものを。

だから正すのだ。

と言って、コロニー落としを選んだシャア・アズナブルのような、

そんな悲観論者に、

「もうここまでだ、と終えてしまったひと」(byラクス)に、

どうかアスランをしないでほしいです。


☆ ☆ ☆




さて、スペエディ1巻。


起承転結でいえば、アスランがセイバーに乗ることを選ぶまでの「起」に終始しているので、
特にどうという感想もないのですが、(そもそもここまで本編自体がアスラン主役でしたし)

…ミーアに、懐かしさのような、切なさのようなものを感じました。。。
かわいかったなぁ。

つなぎの作画を全て平井氏…にはならないんですね。ざんねん。
どうしてキラとラクスだけあんだけ力入っているんですか?
監督のお気に入りということでいいのかな???あのふたり。


■全体のテンポのはなし。

全体のテンポ…若干伸ばしていますよね??

その分、役者さんたち…大変だったんじゃないでしょうか。

そして動画、苦心の跡があちこちそこここに…(どうなの)

本編のリズムが体に染みこんでると、なんだか、不思議な違和感をかんじました。。。
テンポを下げて判りやすく…という意図でしょうか。

■アスランとカガリの例のしーん。

カガリとアスランを赤面させたカットをまるまる入れ替え。
甘さが抜けて趣味的にはいいんですが、
作画が…泣

カガリ、あれじゃギャグアニメじゃないですか。

こんな指輪の渡し方…云々!のカット、
凸眼レンズですか?

ああああああ泣

可愛かったのに、本編の照れてるカガリ。
あのクスクス笑う笑顔のシーンも。。。
描き直して欲しい~号泣 (え?わがまま??)

■ED

盛り上がりに…欠けた???
何か…違和感が。

曲の所為ではないと思う。。。
EDに至るまで、そこまでもっていくテンポの問題…かな。

■ロボットアニメ!!

を観ていたのか、今…としみじみ感じたのがオーブ沖でのインパルスの戦闘シーン。
シンが初めて種割れするシーンです。

シンのオーブへの怒りが、シンをバーサーカーへと目覚めさせるシーン。
本編ではワタシには心痛いシーンで、
生き延びなくてはならない、だけどシンにあんな経験をさせなくちゃならない悲しさ、
に物語的に感傷を感じていたんですけど。

スペエディでは…あのれぼれぼの音楽が…

ばんだいのロボットヒーロー見参!!!

というシーンにしか、、、思えなかった。。。
ガンダムでなくてロボットアニメ。


ま、まま、そんなことはどうでもいっか。

は! あれですよ、れぼれぼが嫌いなんじゃありませんから!
学生時代、彼が大ちゃんと組んだ時点からあの二人の活躍は影ながら応援しております。


■全体として

あの、ひたすらアスランを愛する私としては、

「不安」を提示されたスペエディでありました。

アスランが議長を信じた経緯を、AAと対立したことも含めて、
あれをアスランが、言い訳する必要はないと思っているので、
言い訳がましくモノローグを入れるのはご勘弁いただきたい。。。

アスランの若さと正義感ゆへの焦りもあっての行動と葛藤と逡巡であったからこそ、
彼が好きだし、彼が行き着いた答えが好きだし。

だから、正直あの本編41話のような、言い訳なのか取り繕いなのかよく分からない
アスランの独白は…
もう、本当に勘弁してほしいので、

スペエディにそれを持ち込むつもりでないことを願いたいです。
本編への誇りを持ったスペエディとなりますように…
(本編は作り直しが効かないわけですから、もうこの際置き去りにしていくものは
置いていこう…的な発想でも…いいんじゃない?それも芸術だろうし。ケースバイケースなので善悪は別として)


プロフェッショナルなお仕事をどうか…



止まらない時代の中で、時間の中で、何でアレ人は
「進まなきゃならない」
といって、再び剣を持つ道を選んだアスラン。


ここのシーンは心底ほっといたしました。

アスランらしいし、しっかりした子だvvv

前進か、後退か。

時計の針がとまらない以上、

時間軸を加えて物事を立体的に捉えると
人生に於いて停滞はありえない。という発想。

なら、前へ進みたい。
それが生きるということだろう?

というアスランに
また惚れた。(超単純細胞)

「生きることの方が戦いだ」

その言葉に縛られて生きているアスラン


アスランて、なんて誠実な男なんでしょう。

だが、それが幸か不幸か…

それを決めていくのもアスラン次第。



だから、



…彼の心をぽきっと折ってしまわないでね…………映画で…………祈





4 コメント

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前向きに、前向きに。 (たいむ)
2006-05-28 21:06:17
くりっぷさん、こんばんは。

「感想を楽しみにしています。」と書きながら、届いたDVDは最初と最後しか見直していない私だったりして・・・(汗、ただいま読書に没頭中)



>アスランの回想録のようで…

ああ…やっぱり同じです。

スペエディ初見での「アスランの語り」には私も「???」を感じました。

どっか結果論でものを語っているというか…

ぶっちゃけ「これがアスラン視点という意味?」と捉えられなくもなく、「スペエディ自体をアスランの回想物語にでもするつもりか?」という思いが沸き起こりました。

とはいえ、まだ1/4。

ここで判断を下すのはいかにも早計と、真意を計るにしても次巻を見てから・・と思い直しました。



ただ、最後の

「誰もが留まれない時に中にいるのなら、それでも進まなくてはならないのだ。おそらくはそれが生きるということだから。。」

には、うんうんと頷いた私であり、

(やっぱり同じですねw)

自分の為に、誰かの為に、持てるチカラの全てで最大限に生きたい、という願望と意思の強さをヒシヒシと感じ「やっぱりアスランだ」とひとりで盛り上がっちゃった私でしたがw



>…彼の心をぽきっと折ってしまわないでね…………映画で…………祈

「心根が強いひとは、曲るのではなく折れる。」

別のアニメで私が密かにアスランを投影しているキャラがいるのですが、失意の果てにいま正にその状態。

何か途轍もないことが起こった場合、曲るのでなく、折れちゃう可能性を秘めているんですよね、アスランも、未だに(大汗)。

私も心配ではありますが、とにかく今は五里霧中。

前向きに、、、ポジな思考で行きましょうよ。

私たちがリスペクトし続けた制作者をもう少し信じてみませんか?
たいむさま★ (くりっぷ)
2006-05-31 08:22:55
こんにちは!すみません!また来るのが遅くなりましたっ



>ぶっちゃけ「これがアスラン視点という意味?」と捉えられなくもなく、「スペエディ自体をアスランの回想物語にでもするつもりか?」という思いが沸き起こりました。

とはいえ、まだ1/4。

ここで判断を下すのはいかにも早計と、真意を計るにしても次巻を見てから・・と思い直しました。



回想録なら回想録で統一してくれればいいんですけど、最初のあれと次のあれ(種云々)はアス個人の意見なのか、作品の一面を語っているのかが…アスラン側の思考回路じゃないことを言われた感が強いので…確信犯な言葉選びなのか、ただの演出なのか…は今後を見ないとわかりませんよね。



上の感想は先に悪い方の受け取り方をDestinyその後を仮定してかいてみたんですけれど、さすがにスペエディ自体は総集編である以上、良い感じで完結してくれると思っていますですvv



…が映画化への伏線もなにげに盛り込まれるという情報でしたので、ウズミ様の言った「戦争の根」についてそもそも制作側が用意していた答えが今回の「種の善悪云々」…ということならあのモノローグが作品全体のテーマにもなりかねないとおもうと…ちょっと…凹むかも…

(あくまでもDESTINY PLANについての暗示と思いたいです)



レイからアスランにバトンタッチさせて言わせたものが、人が戦争を止められない理由ということの提示だとしても、、、「希望」への暗示にも答えにもならない気がするので。。。



ここの言葉には乗せられたくないなぁ、と思って、あそこのモノローグはスペエディ本編とは脳内分離して見ていこうと思っています。(感想も分けたつもりがごっちゃになってました。はんせい)



>別のアニメで私が密かにアスランを投影しているキャラがいるのですが



あ!もしかして、金髪の彼ですか??今英国にいる…だんでぃーで無口な…(近くにアスランにそっくりな声の方がいらっしゃるので最近はそっちが気になって気になって…笑)

けっこう二三週間分溜め見をしているのですが先週分を昨日見ました(あ、違ったらどうしよう。。。でもたぶん…あれですよね?笑)

確かに、ぽきっっと折れちゃってましたね。びっくりしました。じょえるが生きてれば彼も元気なんだとばかり…おもってましたので…。

(カイが…格好良くなってて…vv)



ドイツ戦を見て貫徹してしまったので支離滅裂に拍車がかかってます…すみません、また出直してきますm(_ _)m
>あ!もしかして、金髪の彼ですか?? (たいむ)
2006-06-01 18:10:32
くりっぷさん、こんばんは~



あはっ、ご存知でしたか。(同じ時間枠だしなぁw)

もしかしなくても、その金髪の彼です。

確かに”声”がそっくりどころか、「もうアスランそのものじゃん?」というお方がここのところ毎週登場しているので、耳はそっちに向かってダンボになっていますけど(笑)



>ドイツ戦

たかはらぁ~~!!!

本戦でもこのくらい頑張って欲しいなぁと思いますが・・・日本戦は毎回ドキドキが止まらなくって見ていられない私です。

特に一点差で勝っている時の後半ロスタイムでの1分1秒の長いこと長いこと(^^;)



その他もろもろ、また別口にてお話に上がらせてください。

余談で汚してしまってすみません。ではでは。





たいむさま★ (くりっぷ。)
2006-06-03 22:57:11
こんばんは!

いよいよ待ちに待ったW杯月ですんで、頭の中の大多数がドイツに飛んでおりますが、アスランだけは忘れません!笑



ブラット+って進藤尚美さんもカジの幼少役で出演されてましたよね。。。それだけでにやにやしていた私はやっぱり相当重傷だとおもいました。。。汗

アスランがぽきっと折れたにしても、彼のようなカワイイ折れ方(拗ねた酒乱…///格好良いから許せる気がする…爆)してくれるなら面白いのに。(アスランを落としてはい上がらせたいだけでした)



あほコメントですみませんっっっ。

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