老中の市井日記

理想を失うことなく老いの中を楽しみながら、日々発見、日々刺激、日々出会いを大切にしていきたいと思っています

大学のブランド力

2010-05-27 07:51:20 | 大阪府大
私が38年ぶりに母校にお世話になるキッカケの一つが、「大阪府立大学のブランド力
の向上」というテーマです。それも物凄い偶然というか「縁」です。

今から2年2ヶ月前の春の兆しが見えかけてきた頃、中百舌鳥駅(大阪地下鉄と南海高野線)
と大阪府大との通学路である「西高野街道」を新設の堺市立高校の民間校長となった
Nさんと二人でF理事へ挨拶を終えて歩いていたら、駅の方からHさんが歩いて来ました。

この3人は大阪府大の工学部電子工学科の同級生です。38年ぶりの再会です。本当に
奇遇です。その時はまだその後3人が大学がらみで深く関わっていくとは思っていません。

Hさんは、工学部同窓会長です。同窓会長として南理事長・学長(当時)へ大阪府立大学
のブランド力の向上のため、「大阪府立大学の産学連携とブランド戦略への提言」を
していました。まさか後日そのテーマを私がやるとは思っても見ませんでした。

「選ばれる大学」になるためには、ブランド力の向上が大きな課題となります。
私学の場合は、それぞれの建学の精神が明確にあり、それが脈々と受け継がれてきて
います。そして建学の精神がブランドの基礎となります。

建学の精神の教育への反映は学生の育成に大きく影響し、社会に羽ばたく数多くの学生は、
大学のブランドを大きく左右します。建学の精神は、組織を育てる文化であり、方法論
でもあります。

ブランドづくりを支えるのはトップダウンよりも構成員各自の自発性であり、建学の
精神は学んだり働いたりする「意味」を与えてくれるものです。独自の文化に共感する
者が学生や教職員として参加してこそ、組織は成長し、文化が継承されるものです。
そして建学の精神は、常に社会の変化からの挑戦を受けています。

私は、大学のステークホルダーである「卒業生」をネットワーク化して、ステークホルダー
がみんな一緒になってブランド力の向上のために応援したいと思っています。

一方、地方国立大学や公立大学の一部ではその建学の精神が不明瞭です。我が大阪府大
はどうかと調べてみますと、昨年3月に21世紀科学研究機構の山東大学史編纂研究所所長
の堺・南大阪地域学として発刊した「大阪府立大学史への誘い」がありました。

その本によりますと、大阪府立大学の「創立」は、3つの大学が統合されていますので
それぞれの「ルール」を探ることになります(昔、そんな名前の映画がありました)。

大阪府大(浪速大学)と大阪女子大は、ともに戦前の旧制専門学校を母体として発足して
います。さらにその前身機関を含めると、ついに辿り着きました。
それは大阪府立農学校獣医科の母体となっている1883年(明治16年)に設立された
「獣医学講習所」となりました。よって、2013年が創基130年となります。

建学精神に基づいた「創立」には辿り着けませんでしたが、始まりの年が見つかりました。
建学の精神とは言わなくとも、それに近い「学風」「校風」があります。大阪府大の
イメージは、ある調査によると「まじめ、実直」だそうです。

建学精神に代わるものとして、基本理念を設けています。この目的を果たすために、
中期目標として「高度研究型大学」を目指しています。

公立大学の場合、設置主体(設置者)が地方公共団体でありますので、大学の設置は
選択的な政策の一つであります。だから財政事情や地域の要望などへの反応が顕著に
なります。戦前は産業振興や復興の教育の観点で設立され、戦後は経済成長とともに
ありました。

昨年秋から大学改革の作業が始まりました。また新しいステージに向かいます。


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