ダイキャスト情報室

鋳造品の品質を決めるのは、方案と排気かな。。。。

技術力の低下

2020-01-24 | DieCast

しばらく前から自分の老化が始まっていまして、何度も書いているテーマなので気が引けますが書いてしまおう。数十人の定期的に読んでくれる皆様へ。

 ある金型メーカーからの噂話なのですが、しばらく前から鋳造メーカーから出てくる図面の質が落ちていて、例えば金型を使ってどのようなものを作りたいかを表現した鋳造製品図(素材図)のレベルが落ちてしまったという嘆きを聞いた。これには私も「同意」ボタンを押したくなったが、素材図って機械加工と鋳造技術さらに金型の知識を織さらにいえばその金型の法案まで織り込んで作成するため技術員の能力が丸見えになるもので、この図面の出来が金型にも最終製品にも影響を及ぼす重要な図面なのです。 agree? それが金型メーカーに内容が伝わるようにで出来ていないのです。企業間でも社内の金型部門でもコミニュケーションがうまくいかないと大変ですよ。

 ところが素材図だけではなく金型法案設計ができないという状況になっていて、「だから金型メーカーが解析ソフトを販売するような事態になっているのではないか」と事情通が教えてくれた。

 実はこのような状況は、射出成形金型の業界でしばらく前に起こっていて、プラ型の多くは外国で作られるようになってしまった。プラ成形も同じく金型以上に海外に移動してしまった。今のところダイキャストは日本企業が強いようだが、自動車部品の大物のように同じ形状の仕事しかしていないと応用力がなくなって恐ろしいことにならないことを望みます。

仕事は技術力のある所に流れる。

 


ハーゲンポアズイユの法則について、再び。

2020-01-08 | DieCast

私の以前の記事でも、金型の排気がいかに重要かということを書いたのですが、全く理解してくれない企業がまだ存在しました。

以前、金型設計の依頼が(間接的に)あったときにチルベントを付けて金型の排気を確保するように提案して金型図に纏めたのですが、今回金型更新にあたりチルベントを廃止する指示が出てきました。

金型はHVSC350の肉厚物なのですが、エアベントを凹0.2させて排気を目論んでいるようです。しかしハーゲンポアズイユの法則に従がえば、0.7mmの隙間が確保できるチルベントから0.2mmの隙間に変更しようということは、(ハーゲンポアズイユの法則については自習してください)幅が同じだとすると、0.2/0.7xx3=0.0233 2.3%の排気能力しかないことになります。距離がチルベントが倍あるとしても、今までの約5%(2.3%x2≒5%)しか排気能力が確保できていません。

断熱形離型剤を使うため、その成分がチルベントに堆積して排気通路を塞いでしまうことが理由らしいが、それは点検整備をすることが正道で、排気能力を1/20にすることが正しい判断とは思えません。離型剤をチルベントに当てないとかやることは(考えれば)あると思う。

この企業、この品物の巣の解消がいまだにできていないんです。

 30年前の記憶ですが、HVSC鋳造に関わり始めた頃チルベントを設置することにより離れた部分の彫刻文字がきれいに充填されるようになって驚いたことがある。この件は既報。

Hagen-Poiseuille's Law

ヘイシン(兵神装備株式会社)という企業がハーゲンポアズイユの法則についての計算サイトを提供してくれている。参照ください。

http://ebw.eng-book.com/heishin/HagenPoiseuilleLaw_poiseuille_calculation.do?category=poiseuille

同じくミスミさんが同様の情報提供してくれているが、金型に応用するには流量として把握できるほうが望ましいと考えます。

 


新年のあいさつとベアリング内蔵ナット

2020-01-02 | DieCast

読者の皆様、明けましておめでとうございます。本年もこのつたないブログをご支援願います。

さて、昨年7月に記事にした「ベアリング内蔵ナット」の続きです。株式会社ミスミから'19年12月に出た「射出成形用標準部品・設備」というカタログ(600ページ以上ある)のp139に金型用ハイトルクボルト・ナットとして同様な商品が掲載されていました。価格も良心的です。樹脂成形業界ではすでに普通に使われていたのかもしれない。DC業界も遅れてはいけない。

このカタログの中身はDC業界でも使える商品が多いです。すでにご存知のかた、ごめんなさい。

以上 新年の挨拶情報です。