ダイキャスト情報室

鋳造品の品質を決めるのは、方案と排気かな。。。。

ダイキャスト用抜き型の話---追記あり

2020-02-19 | DieCast

ダイキャスト製品は鋳造完了後、不要なランナーやオーバーフロー部分を取り去るためにひと工程を入れなければならない。50年ほど前は手作業で不要な部分を(ブラスチックや木)ハンマーなどを使って取り去っていたがその後、簡単な金型を使うようになり、更に複雑な構造の金型を使って内周と外周を同時にトリムするように進化してきた。私の関わっている企業は高度な金型を使って、トリミング→ショットブラスト処理でバリ取り作業を終えるようになっている。スライドによるバリも油圧・空圧シリンダーを使って取り除く場合もある。この時問題になるのが、金型の取り付け位置の精度確保である。ロボットを使わない時代は良かったが現在では、ロボットで鋳造機から取り出した鋳造品をトリムプレス(縦型油圧)に引き渡すときに毎回同じ位置に金型がないとロボットに微調整が必要となる。この時にベット側で位置決めをしようとすると金型の外周寸法で規格化が必要となり(大きなものまで対応するなら規格寸法も大きくなってしまう)筆者はスライドプレート側(上型取り付け側)に細工して位置決めをしようと考えた。

スライドプレート側にあったM16穴にガイド用ピンを2本セットし、金型側に同ピッチの穴をあけておよその位置まで人力で移動させ、最後の位置決めはガイド用ピンが決定するようにした。 これで万事解決かと思われた。 がそうならなかった。どうなったかというと。 それまでに作られた抜き型の数が多すぎて既存の型にガイド穴を加工する作業(懇意にしている金型係の主任に依頼した)の穴加工が間に合わなかったため、ガイド穴のない型の場合にはプレス機のプレートに付けたガイドピンを外さなければならなかった。するとこの外したピンが行方不明になってしまうことが続き、結局、このガイドピンは使われなくなってしまったようだ(というのは私が退職してしまったので)

今もロボットには毎回微調整が行われている。

それともロボットにカメラが付いて調整不要となったのだろうか?