週刊現代記事より
独裁者・プーチンの心理を解説している記事に興味を持った。
「現在の戦況は、完全にロシアがウクライナに負けている状態。そこで、プーチンはプリゴジンに失敗の責任を取らせようとしている。まさに『トカゲの尻尾切り』」
権力を掌握し、恒久的に維持しようとする独裁者は、けっして自分の非を認めようとはしない。それどころか、「どうせ代わりの者などいくらでもいる」と、下の者に責任を被せて追放し追及から逃れるのが常だ。
独裁者が、かつて盟友だった者に罪を被せ、粛清した事例は過去にも存在する。
ナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーが、親友エルンスト・レームを粛清した「長いナイフの夜事件」。
ヒトラーは、1934年、レーム率いる突撃隊関係者ら1000人以上を処刑。親友をも殺して、トカゲの尻尾切りを完遂したのである。
軍事心理学が専門である同志社大学教授の余語真夫氏が解説する。
「多くの独裁者に共通するのは、サイコパシー(精神病質)、マキャヴェリズム(権謀術数主義)、そしてナルシシズム(自己陶酔症)の3つの特性で構成される『ダーク・トライアド』というパーソナリティ特徴を持つ。この3つの特性はすべて、他者への無関心や冷淡さに向かう傾向があり、自分の行動で他人に不利益が生じようとも、罪悪感を持つことは一切ない」のだという。
独裁者は一人では誕生しえない。国民が独裁者を歓迎し、その体制を維持させようとする。多くの政治に「無関心」な国民の存在が独裁者の「後ろ盾」となる。独裁者は我欲に走り、国の将来や国民のことを一顧だにしない。そして歴代の独裁者の共通項は「メンツはあるが恥知らず」ということか。