昨日、組みひもサークル講習会に参加した。(東京農工大学 科学博物館友の会による)
伝統工芸である「組みひも」を編んだのは、初めてだ。
以前、丸台(組みひもを編むための道具の一つ)で組みひもを編んでいる映像を見たことはある。
細い絹糸を何本にも重ねて編み上げると、美しい模様が出来上がるのだ。
講習会で出来上がった作品は、「メガネホルダー兼ペンダント」(写真参照)で、編み目がとてもきれいだ。
組みひもの歴史は深く、中国から伝来し、様々な形態に発展し、日本の文化を支えて来たようだ。
現代で、組みひもで愛用しているものといえば、着物の帯締め。羽織の紐だ。
市販されている安価なもので、巾着などの紐としても丈夫でよく使われている。
講習会には、20名の参加者があり、それぞれに講師やボランティアの方々のお世話で、
糸の組み方、きれいに編むコツなどを教えてもらい、約3時間必死で編み上げた。
ペンダントにするためには、65センチくらい編まなければならない。
右手と左手を同時に動かして、決められた順序で糸を絡ませていく。
6通りの糸の動かし方でひと模様ができる。
先生のアドバイスで印象的だったのは、
「たとえ、電話が鳴っても、6番目まで終わるまで出てはだめです。
途中で止めるとどこまで組んだか、分からなくなってしまいます。」
電話なっても6番までやめないで!
お客様が来てもお待ちください!
例えが変かもしれないが、「赤子泣いても蓋とるな!」みたいだ。
延々と長時間熱中して作業したせいで、今朝は肩やら腰やら筋肉痛だ。
それでも、また機会があれば是非習ってみたいと思っている。
かご編みは、私にはまだ経験が少ないが、楽しめる工芸だ。
昔、父が竹を細く裂いて農業用のかごを編んでいたのを思い出す。
竹という素材は、長年慣れていないと、簡単には扱えない。
自分で作るには難しいが、昔からの生活用品としては、丈夫で耐水性があり
材料が安価という利点がすばらしい。
手芸店で「エコクラフト」という紙製のおびひもが販売されていて、
これは未経験の私でも十分形にすることができた。
色も多種あり、好きな色を組み合わせることができる。
先日、くず入れを編んでみた。
紐の太さを変え、2色で。
部屋に置いてもおしゃれな雰囲気で、毎日、愛用している。
もう一つの作品は、木おびという木材を薄く細長くそいで作った素材。
多摩源流「小菅の湯(山梨県小菅村)」を訪れた際に、小菅村物産館(おみやげ店)に
木おびで編まれた見事なかごが展示されていたので、ぜひやってみたいと購入してきたもの。
木材のいい香りがする。
半日がかりで組んでいったが、素材が乾燥していたためか、
扱いにくく、何度もやり直してようやく形になった。
地元の職人さんが編み上げた見事なかごを思い浮かべながら、多少とも近づこうと
試みたが、とうてい無理な話だ。
ため息をつきながら、木工ボンドで固めるのが精一杯だった。
やってみて気付いたのは、四角い形は、長さをそろえたり、角度を決めるのに技術が必要。
私のような初心者には、丸いかごが一番作りやすいようだ。
自然素材を使った工芸は、作ってみても出来上がった作品を眺めても気持ちが安らぐようだ。
さて、四角いかごには何を入れて楽しもうかな。