私の家の軒下に毎年ツバメがやって来て巣作りをしている。
窓の外の電線にたくさんのツバメが休んでいた。
どうやらヒナ達が親ツバメに習って飛行練習をしているようだ。
しばらく休んでから一斉に飛び立ち、勢いよく飛び回っている。
南側のいつものベランダの上に作っていたはずの巣。
今年はなぜか落とし物(糞)がない。
おや?と家の軒下を見回っていて気がついた。
違う軒下に新しい巣を作っていたのだ。
去年、スズメと争っている光景を見た。
南側の暖かく眺めのいい巣は、どうやらすずめに利用されていたらしい。
西側の高い軒下に新しい巣ができていた。
その巣の下に野良猫が座っていて、巣を見上げていた。
母の話によると、数日前には、その巣の下に長々とヘビがいたらしい。
ヒナが落ちて来るかと待っているのかもしれない。
ツバメ達は、誰にも邪魔されない高い壁の軒下に新しい巣を作っている。
生き物達は、生存競争の真っただ中。
生き抜こうと必死なのである。
今日は、島の友人達と会って食事しながらお喋りをした。
それぞれ子どもが大人になり、家を離れ就職したり、伴侶を見つけて結婚したり、親の元を巣立っていく。
友人達も私も、親としての役目を終え、ほっと一息という時期となった。
そして、こんどは親の病気や死、自分自身の病気や老化という現実が待っている。
だが、お互いの現状を赤裸々に語りあい、聞き合い、鬱憤や不安も笑い飛ばす度胸もついているから楽しい。
子どもの自立を目標にひたすら働き生き抜いて来た人生だが、子どもが成人し巣立っていくと、大きな思考の転換を求められるようだ。
今度こそ、自分自身のためにどう生きるかということだ。
たまに合う友人達との会話は、お互いに自分にない面を見て参考にしたり、フレッシュな考え方を学ぶいい機会だ。
子どもや家庭に依存していた自分自身を独り立ちさせる巣立ちの時なのかもしれない。