子宮内膜症による卵巣のう腫と付き合う

さなの治療、手術、術後の記録

手術当日

2011年01月22日 | 日記
手術は今日の三件目です。
予定は午後2時スタートとのこと。

朝起きて、まずは浣腸です
生まれて初めての浣腸
軟便、下痢症な私は、本当に経験がありませんでした。

看護師さんがお薬を注入してくれます。
「もしも我慢できたら、ちょっと我慢してからトイレに行ってくださいね」
そう言われ、がんばってみると…意外と数分我慢できてしまいました。

しか~し…このあとが…
もうダメかな?!とトイレにとりあえず座ってみる。
意外と痛くないかなぁ~なんて呑気に座っていました。
すると…だんだん痛くなる。痛くなる
そしてついには、かなりの激痛が!!!!!!!!!!!!!!!

ひゃぁ~~~
そして出てきたものをまた看護婦さんに確認してもらうのですが…
何故か残渣がちょっとあったのです
なんでだ?!昨日のニフレックの後はきれいな液体だったのに…。
鶏のササミも食べなかったのに!!!!

看護師さん「あれ…ちょっと残ってますねぇ。ん~もしかして浣腸もう一回…」
私「ええ、ええぇ…ほんとですか?」

あまりに嫌な顔をしたからか、優しい看護師さんはOKをくれました。
浣腸は一回で済みました。


10時ごろのことです。
主治医の先生がいらっしゃいました。
「おはよう変わりないですか?今日はよろしくね」爽やかなご挨拶です。

「先生、あのぉ…」ここで私は切りだしました。
開腹してみて摘出する部位を決めることが引っかかっていました。

薬剤アレルギーのある私は、できるだけ手術はもうしたくありません。
片方は卵巣を残せるかも、と言われていましたが、残して再発…再手術…これは絶対に嫌でした。
そして子供もいるので、ここでお別れになっても仕方がないと考えていました。

卵巣を残して、またホルモン療法や低用量ピルで経過観察していく→再発のリスクと更年期障害の副作用
卵巣を摘出→再発の可能性はなくなり、内膜症は治まるが、更年期障害の副作用

これを天秤に掛けると、私は同じ更年期と付き合っていくなら、再発のリスクがない方がいいと考えました。

「卵巣を残すと必ず再発しますよね?」
「…ん~」先生は否定してくれません。
「もう機能は求めないので、卵巣を取ってもしまう方がいいのか考えているのですが」
「そうねぇ。確かに取ってしまった患者さんの方が意外とイキイキしていたりしますけどね。
副作用は半年くらいかけて、ゆっくりと出てきます。辛い場合は、ホルモン充填療法もできますからね。
それからガン化のリスクはなくなります」

あーでもないこーでもない…と話した結果、やはりどうしてもホルモン療法(偽閉経)を受けたくない場合や、薬剤アレルギーがある場合などは、やはり摘出するケースがあると話して下さいました。
「では摘出してください」

頭を下げながら、涙がぽろぽろ。
自分で決めたんだけどなぁ。これでいいと思っているのに、涙が出るよ。

こんな患者、きっといないんだろうなぁと思いながら、かなり心揺れながら、結局オペ数時間前にいきなり子宮・卵巣全摘を決断して、お願いしました。
この判断がどうなのか、それは何年かしないと分からないだろうなぁと思います。


この後、点滴を入れに看護師さんが来ました。
これまでに何度も点滴をしているし、慣れっこのはずなのにやたらに痛かった
看護師さんいわく、輸血してもいいように特別に太い針を入れているらしく、通常の点滴とは違うようです。

それから術衣に着替えました。
前開きのパイル地のもの。そして紙でできたブルマみたいなパンツ。

さぁ、点滴も入れたし着替えたし、あとは待つばかり!
ちょっと遅れながら…3時半ごろ、やっとこさっとこ呼ばれました!

行き道は歩いていきます。
点滴の棒を引きながら、エレベーターに乗って、歩いてオペ室まで行きました。
オペ室の入口で、家族はバイバイです。

中に呼ばれ、かなり狭い台の上に上がりました。ここで最後までオペなのかしらん?

今回はやはり硬膜外麻酔を使うようにお願いしたので、まずは背中に麻酔です。
背中に針を刺すこと自体は皮膚の麻酔もするので痛くないのですが、何故かズンと腰が重くなり、腰がとても痛いような感覚に襲われ、それだけは先生に訴え続けました。
「では針を抜きますね~」と言われた後で、何だかその痛みも治まり、終了。

それからとても密着度の高いマスクをかぶせられ、全身麻酔の始まりです。
「はい、吸って~吐いて~」と言われ、スースーとやります。
みんなの話だと、もう2秒くらいで落ちると聞いたのに、何故か私…いつまでも意識があります。
麻酔科の先生方がボソボソと「あれ、おかしいねぇ」的なことを囁いているのが聞こえました。

それからどのくらい経ったか分かりませんが、次に意識が戻った時には、回復室のようなところでした。
無事に手術は終わっていたのです。

隣で横たわっている患者さんが、やたらに元気に看護師さんと話しながら、痰を一生懸命出しているのが聞こえるのに、私は殆ど返事をするのがやっと。痰もでません。
「痰を出さないと、後で気持ち悪くなっちゃうから、痰は出しな」と隣の看護師さんは言っていました。
でも出ないしなぁ…と思いながら、あえて出す努力もせず…。。。

とにかく歯がガチガチなり、やたらに寒くてどうしょうもありません。
看護師さんが電気毛布をかけてくれました。
しばらくするとガチガチ震えるのも治まり、それから病室に戻りました。


内容は覚えていませんが、夫や姉と多少会話をして、「割と元気だよ~」という雰囲気でした。
この時点で夜7時半ごろ。
手術は2時間半~3時間弱だったようです。

夫は摘出したものを見ながら説明を受けました。
卵巣はやはり両側アウトでした。どちらにしても摘出することになったようです。
子宮への癒着もかなりひどかったようです。
直腸へもかなり癒着していたようですが、直腸を傷つけることなく上手くはがせたようです。
心配していた外科的処置や人工肛門もなく、無事に済んだとのことでした。

というわけで、先生は「いい判断をされましたね」とおっしゃって下さったようです。

手術は成功したので、とにかく一安心です。

入院二日目

2011年01月22日 | 日記
さて、昨夜の下剤で一応少しはお通じがあったものの、
今日は2リットルの下剤で完璧に腸内を空っぽにするとのこと
ニフレックという名前です。

よって、今日一日の食事は絶食ではないものの「無残渣食」という
流動食みたいなものとなるそうです。

朝食:みそ汁の上澄み、玉子豆腐、高カロリードリンク(麦茶味

昼食:重湯、プリン、高カロリードリンク(コーンポタージュ味)

さて、昼食後からいよいよ始まりました。
2リットルの下剤をゆっくりと飲むのです。
大体一時間で1リットル、つまり15分で250ミリという計算です。

付き添ってくれていた姉としゃべりながら、時計を見つつ飲んでいきます。
味は、看護婦さんの言っていた通り、ポカリスエットのレモン味みたいです。

ずいぶん長いこと何も起こらず、1時間ほど経過したところで、急にトイレ往復が始まりました!
行って戻ろうとする途中にまた…

いや、個室でよかった!
みなさん大部屋の方々は、どのようにしてこれを乗り越えているんだろう?
トイレとの距離が近くないと、これは大変ですぞ。

しかし痛みはさほどになく、とにかくシャーシャーと洗い流すように出ていきます。
4~5回トイレに行ったところで、ナースコールを押して出したものを確認してもらうように言われています。
4回目に呼んでみました。
が、微妙に残渣があり、やり直し~。
6回目くらいでOKが出ました。やれやれ。

しかし不思議なのが、この後です。
こんな思いをして腸内を空っぽにしているのに、食事していいんですか?
無残渣食とはいえ、食べていいの?本当に??

不思議に思いながら、夕飯も食べました。

夕飯:重湯、茶碗蒸し(中に何故かささみの固まりがゴロンゴロン)、ゼリー、高カロリードリンク

茶碗蒸しの中のササミはさすがに食べる勇気がありませんでした。
どう考えてもこれはダメでしょー自己判断で、夫に食べてもらいました。


さてさて、腸内洗浄もばっちり。
「いよいよ明日だね」夫と話しながら、ドキドキ。

どこまで摘出するかはこの時点で決まっていなかったものの、何となく卵巣はもうダメだろうなという気がしてならず、夫に伝えました。
「最後かもしれないから、卵巣ちゃんバイバイしてあげて」と。
お腹をサスサスとしてくれました。

この夜は、ベッドに入ってからお腹に神経を集中させました。

卵巣さん、今までありがとう。
本当にありがとう。
明日は、うまく剥がれて下さい。お願いします。
直腸さんから、つるりんと剥がれてね。

手術がスムーズに行くことをお祈りしながら眠りにつきました