息を呑むほど美しかった。

2005-02-27 14:12:59 | 映画 Film
Tout près des étoiles”(邦題「エトワール」)を見た。
パリオペラ座のダンサーたちの姿を追うドキュメンタリー映画。

パリ・オペラ座に階級は
エトワール(Etoile)、プルミエ・ダンスール(Premier danseur)、
スジェ(Sujet)、コリフェ(Coryphée)、カドリーユ(Quadrille)の5つ。
選ばれたものだけが最高峰エトワールになれる。
とにかく厳しい世界。見ながら何度も絶句だった。
ここにいるものたちは幼少時から友達と遊ぶこともせずバレー学校に通い
厳しい選抜を経てパリ・オペラ座のダンサーとなる。
そこまでいたる道のりも険しいが、
ダンサーとなったとしてもいつも舞台に立てるとは限らない。
つねに周囲と自分との競争、そして自分自身との闘い。
才能はもちろん不可欠、かつ肉体的にも精神的にも信じられないくらいの強さも
彼らは日々要求される。
まるでサーカスの綱渡りのように緊張感を持ち続け、
人によってはそれが10歳前から引退する40歳くらいまで続くのだから
もう普通の人生ではない。

そこまでしなくても、とか人生を楽しめてないようでかわいそう、
という思いも正直抱いたりした。
しかしダンサーたちは言う。

”踊りは自分の人生なんだ。”
”踊りを愛するという言葉でも軽すぎる、それ以上のものなんだ。”

プロとはこういうものなんだと感動したり頭が下がったり、
プロになりたいと思ったらこれくらいの気持ちがないといけないんだと
身が引き締まる思いがしたり。

体も心も徹底して鍛え上げられた彼らの踊りは息を呑むほど美しかった。