Sartreの"Huis clos"

2005-02-24 01:27:36 | 読書 Lire
今Jean-Paul Sartre(サルトル)の劇作、
"Huis Clos"(邦題「出口なし」)を読んでる。

ある部屋に一人一人入ってくる男一人、女二人。
その3人は死んだ人間で、その部屋は地獄。
地獄だといっても身体的に苦しみを与えられることもなく、
生前の生き方の結果でその部屋にいるに違いないと思うのだが、
大体自分たちが何をしてそこにいる羽目になったかもはっきり分からない。
しかし、自分たちが3人しかいないその空間から出ることは決してできず、
することと言ったらお互いと向き合うことだけということに気づきはじめる。
3人は次第にお互いに気を使うことをしなくなり
感情も欲もさらけだしぶつかり合いだす。
生前何をやったかも明らかになってくる。
この地獄で彼らは身体的に痛めつけられることはない。
たった3人で出口のない部屋に永遠にいつづける、
つまり、”地獄とは他人のこと”なのだ。

大体言うとこんな話。重く読み応えあるわ。
色々考えたり感じたりするので
もうちょっと自分の感想を整理するため
今4回目読みはじめた。

この前の"Les mains sales"(邦題「汚れた手」)と言い、
サルトルの劇作本って一回だけでなく何度も読みたくなるし、
さらには実際に演劇までやってみたくなる。
普段は演劇なんて全然と言っていいほど興味ないのに。
サルトルのこれは劇作本なので
それに沿って演劇でやった場合、
見た人はどう思うのか聞いてみたいんだと思う。
今調べたら
舞台のサイズはよく分からないが
日本でこの「出口なし」は上演されたりするようだ。
観客からはどういう反応があるのかな。

同じ作家の本ばかり読まないようにしてるんだけど
サルトルの作品は何度も読みたくなるくらいだし、
もっと手元に回ってきてもいいかも。