昨日はジャカルタからお客さんが見えて、チャイナ・タウンでお昼をご一緒しました。その後コーヒーを頂いてお別れしたのですが、オフィスへ戻る道すがら、「まてよ、確かうちの“お茶”はすでに切れているよな。折角チャイナ・タウンにいるのだから、ちょっとお茶でも買っていくか。」と、最寄の中国系デパートの裕華国貨に飛び込みました。そこでは量り売りで中国茶が買えるのです。以前は気に入った店舗形式の古いお茶屋さんがあったのですが、しばらく行かないうちにそのお店はなくなってしまっていて、その後は、まあ、面倒臭さもあって、まっすぐこの裕華国貨に来てしまいます。
しばらくぶりでしたが、いろんなお茶があり、見るだけでも楽しめます。量り売りの場所に行くと、緑茶系、烏龍系、鉄観音系、それにプアール系のお茶がグレードごとに分けられてケースに入っています。私の前には金持ち風華人系のご婦人がいらして、店員さんに茶葉を見せてもらいながら品定めしていました。で、どれもグレードが一番上のものを三種類くらいそれぞれ量ってもらっていました。
私はというと(笑)、店員さんには申し訳なかったのですが、緑茶系と烏龍系のをそれぞれ100gだけそれもグレードも値段も“リーズナブル”なものを袋につめてもらいました。10ドル払っても十分おつりがきます(笑)。
さてオフィスに帰ってレジュメでも読むかという段になって、外はいきなり大雨になっているに気がつきました。仕方がない、じゃ、ちょっとお茶でも見て帰るかと、自分に言い訳をして(笑)、店内を散策。お茶だけでなく、茶器も所狭しと並べてあります。ティーポット一つでうちの紹介料が吹っ飛ぶ位の値段がついたものもたくさんあり、そこは足早に通り過ぎ、またこれもリーズナブルなものを見て回りましたが、今回は購入を見送り、箱詰めの茶葉のコーナーに移りました。
高級茶葉のコーナーに行くと日本円で20万円から30万円ほどするものが展示されていました。ひとり“げっ!こんなに!”と思っていると、その心を見透かしたように店員さんが一人、すーっと近寄ってきて、“May I help you?”と、満面笑みです。「しょうがないなー、また例のごとく金持ちと勘違いされてるのかなー」と一人ぼやきながら、「いえ、今日は、そのー、タダ見ているだけですから。」と、それこそ“お茶を濁し”、逃げるようにその場を立ち去ろうとしたその瞬間、こんな値段でビビッてもらっては困るよお客さん、うちにはもっと高いお茶があんねん、と言わんばかりの微笑で、「お客様、当店にはビンテージもののプアールが御座いますが、ご覧になりますか?ちょっとお値段がはりますが。」と。「えっ、このケースの中のお茶よりも高いのですか?」と私。「はい、40年もののプアール茶でお値段は一万八千ドルでございます。」「ぃ、いちまん、はっっせん、ドル!?」。 はい、1万8千シンガポールドル、今日のレートでいくと日本円で約136万円也、です。
見せてもらいましたよ。その136万円のお茶を。直径約25センチほどの固形茶でした。値段もさることならがら、「40年もの」というのも驚きです。ものすごい古いじゃないですか。私よりもこの世に長くいますよそのお茶。ま、ほとんど同年代ですが(笑)。でも、これって中国本土に行くと、実は3分の一くらいの値段なんでしょ、と私が聞くと、その店員さんは、「とんでもございません。実は中国本土の方がもっと高いのです。近年はニューリッチ(注:この言い方も古い)の台頭で、金持ちは金に糸目をつけず、ビンテージものを集めています。ちょうど株式投資のように値段がどんどん上がっていて、むしろシンガポールで買った方が安いのです」と。その説明を聞いて妙に納得。お茶の上で札束が乱舞するイメージが浮かびます。
しかし、お茶に136万円。ワインも同じようなものかも知れませんが、好きな方にはそれでも安いのかも知れません。値段には手も足も出ませんでしたが、あのお茶の年は私と同年と思うと、なぜか懐かしいクラスメートのようでもあり、思わず肩を組みたくなる気がして、その思いを断ち切るように空を見上げると、もう雨は上がっていました。



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