小平だより

月・火・金・土の午前9時〜11時が通常診療 午後は第三金曜のみ4時から6時です。感染症は11時以降の電話予約制です。 

あせも

2011年06月28日 09時50分12秒 | 重要な医療情報
正常な状態の人間の皮膚は表皮ブドウ球菌などの善玉菌におおわれています。腸管の中が善玉菌でおおわれているのと一緒です。

汗をかくと、表皮のpHや塩類の分布が変化し、別の種類の細菌がわきやすくなります。皮膚であれ腸管であれ、正常状態でなくなると、排除のメカニズム(炎症)が発動します。これが、腸管で起きたら下痢ですし、皮膚で起きたらあせもとなります。

腸管と違って、濡れタオルでこまめに拭き取るだけでほとんどの皮膚は正常化します。異常な付着物をクリーム類や塩類を塗って固めてしまったり、汗腺を塞いだりすると、治療してるんだか悪化させてるんだか訳のわからない状態になります。当院では、よほどひどい掻痒症や細菌感染などの病的状態のある方以外には塗布物や内服薬はお勧めしていません。

海や川で遊べる地域ではあせもなど滅多に見かけることはありません。事故に気をつけてベランダにビニールプールやベビーバスを用意して、一日に3~4回水遊びをさせるだけで激減します。また、寝ござを敷く、縮緬などの通気性の良いパジャマに替えてあげる、髪の毛をすいてもらって通気を良くする、などの対症療法だけで、9割以上のお子さんはあせもはなくなります。

それでも治らない場合だけご来院下さい。


また、汗のかきかたがよくないお子さんが多すぎます。

暑くなると冷却のために汗を分泌するのですが、どの部分にどれだけの汗をかくか、その程度は自律神経という無意識に作動する神経によって制御されています。

よく鍛えているアスリートの皮膚を見てください。うっすらとまんべんなく汗をかいています。分泌に無駄がありません。

一方、運動不足の人が汗をかくとぽたぽたと落ちます。必要量の制御が出来ていないんですね。

この季節、バッタ取りに明け暮れていた昔の小平の小学生はうっすらと皮膚が光っていましたが、今はポタポタと汗を垂らす子が増えているのは気になります。

自律神経系が未発達な人は、どうしてもアレルギー性疾患が多い傾向もあります。気管支喘息が自然治癒したお子さんを見ていると、やはり激しい運動の経験者が多いようです。逆に、こうした自律神経の発達障害が気管支喘息の異常な増加(日本の都市部では5%を越え、10%に迫りつつあります)の原因の一つになっているのでは?と考えています。

自律神経は鍛えたら発達します。光化学スモッグの少ない午前中に、日焼け止めを塗って外遊びはしておいたほうがいいでしょう。低刺激性と表示されている日焼け止めを試し塗して、発赤が出なければつかえます。酸化チタンを微量塗るぐらいでは汗腺閉塞などの問題はほとんど起きません。どうしても上手くいかない場合は、医療用の特殊な製品がありますのでご相談下さい。

ガイガーカウンター

2011年06月24日 17時08分01秒 | 重要な医療情報
6月11日に都内でガイガーカウンターミーティングという専門家とガイガーカウンターのユーザーによる正確な測定法の講演・講習会がありました。

その会場で、鉛のボックスに入れて全ての放射線を遮断して市販のガイガーカウンターのスイッチを入れてみる、というプレゼンがありました。

なんと、0.05μSVの値を示しました(笑)ちなみに、0.01μSV未満を正確に計測できるNaIシンチレーターで計測したらちゃんとゼロでした。通常の0.05μSVの所をこんなインチキ機械で測れば、0.1以上の高い値が出るのは当たり前です。

医師も市販のガイガーカウンターの素材になっているロシア管(較正がないので現場にはとても送れないシロモノですが)で自作していろいろ性能測定をやってみましたが、原理的にどう考えてもそこらの安物ガイガーで現在の放射線量を正確に測定できるとは思えません。

市販の数万円のガイガーカウンターの精度なんてそんなもんです。これを根拠に騒いでいる人たちの信頼性もそんなもんです。

ガイガーカウンターは感度が鈍く、そもそも、原発などの本当の高濃度汚染地区で使用するためのものです。

現在、福島のこども達に計測器やフィルムバッジを持たせて、生活圏の安全確認作業が進められていますが、どこのメーカーも供給が追いつかない状態です。

さて、東京都がマスコミや「市民」の皆さんの取り囲む中、計測した結果が出てきました。
このひと月の騒動はなんだったんでしょう?
普通に生活して大丈夫です。

追記です)

小平市の結果
も出てきました。
仲町と小川町の平均をとって0.05μSV/hとして
0.05 × 24時間 × 365日 の計算で年間 約0.44mSVです。
騒ぐ必要がないことがよくわかります。

足立区や江戸川区は一見高そうですが、
0.12 × 24 × 365 で1.05mSVです。

ちなみに、山口県の平常時が0.8mSV、 健康状態の良さで定評のある地中海側フランスは1.8~3.5mSVぐらいです。これは何万年も昔からの平常状態です。

半減期を示して絶望感を煽る活動家も多いですが、このリンクを見ると同じ原爆が落ちた広島と長崎で比較して、降下物質の影響よりも元々の自然放射性物質の影響のほうが大きいことがよくわかります。それどころか、原爆一つ落ちたことのない岐阜などのほうが値が高いことがよくわかります。一般の人が被曝する量としては、人口核物質よりも花崗岩などの自然の岩のほうが影響が大きいのです。新宿区の観測機が18mの高さに設定されたのは、近隣の建築物から出る自然放射線を回避して、飛来する微粒子による空間線量を測るためです。

雨による自然流出と、適切な除染作業の組み合わせで、福島のほとんどの地域はいずれ帰宅可能になります。正確な計測による安全性の確認まで、短期間の小児や妊産婦の退避を実施すべきなのです。それなしに、安全と宣言する政府の側にも問題があります。

一方、小平は放射性プルームの上空通過量も少なく降雨もなかった安全地帯なのに、活動家の皆さんが騒ぐ根拠がよくわかりません。



某サイトでお勧めガイガーカウンターとして紹介されていたものですが、最小感度が0.001mSV/hです。μSV/hのレンジは保証外なので、一般の低線量測定には使い物になりません。そもそもガイガーカウンターは原理的に微細線量の測定に使えません。原発に関する論文を第一著者で一本も書いたことのない「自称専門家」がこれをお勧めにした根拠は理解不能です。

乳幼児検診などで伺うと、未だに怯えて室内生活を続けているお母さんがたくさん居られます。原発推進派のついてきた嘘もひどいものですが、不安を煽る反対派の嘘もまた迷惑なものです。外に出て構いません。赤ちゃんは20分以上の日焼けと午後いっぱい出ている光化学スモッグと間接喫煙を含めたタバコに気をつけてください。そちらのほうが桁外れに危険です。

原発と食料品

2011年06月15日 16時58分01秒 | 混雑情報
農産物の検査体制が官民とも整ってきて、かなり詳細な資料が出てきました。リンクをクリックすると各種農産物の検出状況が表示されます。たとえば、牛乳の検査は執拗に繰り返され、もはや安全なものだけが市場に生き残っていることがよくわかります。

先日、東京大学の物理学科(原子力工学科と異なり、東京電力からの研究費は出ていません(笑))の五月祭でシンチレーション検出器の実測を見学させていただく機会がありました。スペクトルごとに放射性物質の種類を精密に同定できます。

リンクのグラフを見ていただいたらわかりますが、通常の環境でも自然放射線の様々な波があり人間の目では読み取りが難しく、その中からコンピュータで一部の特殊波形を見つけ出す仕組みになっています。

東京電力で当初、これが見つかった・あれが見つからない、と混乱した理由は、このプログラムに欠陥があったため、と判明しています。(これは医師も確認していますが発表当初から東大物理学科からは「このデータの出方はおかしい」と指摘が出ていましたし、事実その通りでした)

この検出器は極めて感度が高く、近くにある物質から出る自然放射線も表示してしまうので、食品の測定の場合、多重遮蔽して長時間の積算値をコンピュータで検出する必要があります。また、こうした精密なGe式の測定器は数千万円します。よく通販や秋葉原で売られている数十万円程度の測定器では原発作業員の健康管理には役立っても、現在の農水産物の低レベルのセシウムの検出などは困難です。

ネットで食品の汚染について騒動を煽っているページで、こうした正確な測定に基づく根拠のあるものがどのくらいあるでしょう?

一部の環境団体が、意図的に雨樋の下の土を測定して膨大な数値を発表し不安を煽っています。屋根の面積分の塵を濃縮すれば高い値が出るのは当たり前です。核の時代に入ってからずっと、福島の事故の前から続いている現象です。そういう意味では、下水道の汚泥の処理は慎重を要しますが、逆に都市部の地表の放射線値はいずれ徐々に低下していきます。近海に流れ出し、ある程度の海洋生物での生物濃縮がおきますが、時と共に食物連鎖で広い海に拡散して低下していきます。

東京でこどもの鼻血がよく出る、という風聞を流す人もいるようです。診察を受けたのでしょうか?アレルギー性鼻炎の季節なので鼻粘膜をこすった跡のあるお子さんは大量にいます。放射線で下痢が出ている、という噂を流す人もいます。当院にも沢山いらっしゃいますが、1週間で治っています。彼らの説を信じるなら、放射線で遺伝子破壊された腸粘膜が整腸剤で治るんですね。それは大発見(笑)

我々に必要な情報は生活のために必要な情報です。
政治目的の嘘ではありません。

原発の海産物への影響

2011年06月15日 12時10分26秒 | 重要な医療情報
福島県など出荷制限されている地域近くでも現時点ではほぼ問題ありません。

海藻類は宮城ぐらいまで行くと問題ない模様です。これは三陸の漁場が復活した場合、安心できるデータです。

サンマなど沖合で取る魚類への影響は今のところない模様です。このデータは茨城沖などですがほとんど未検出です。現在出荷されている漁場はこれより南部です。

東京都では都内100箇所ほどの放射線データの測定を開始し、17日にも発表予定です。測定器が地上から高いところに仕掛けてあるのは陰謀だというネット情報をよく見かけますが、この設備は、土類や建築物の自然放射線の影響を避けて遠方より飛来する微細な塵の値を測定するためにこの位置にずっと以前から設けられていたものです。ここでにわかに地上近くに移設すると従来の値との比較が出来なくなるので移動は出来ません。

で、新しく設置した機械で同じ位置で地表近くで測定したところ、0.01μSVしか値が異なりませんでした。派手に騒いでいた人たちも最近はおとなしくなってきたようです(笑)

すぐに小平市内の全てのグラウンドを測定しろ、との要求をしている団体もあるようですが、いまサーベイメーターは買い占めに走る人が続出して供給が逼迫しています。本当に危険値に到達している可能性のある福島のこども達の測定が優先です。これこそしばらく「自粛」するべきです。

予防接種の時間帯について

2011年06月10日 16時36分53秒 | 重要な医療情報
現在の先進国の予防接種ワクチンは概ね高度な安全性が保たれていますが、接種後に100万人に一人ぐらいの割でアナフィラキシーという呼吸困難症状が出ることがわかっています。(ちなみに、牛乳や卵を食べると予防接種の10倍ぐらいの確率でおきますが)

アナフィラキシーが起きた場合、院内でしたら即座にアドレナリン注射や酸素投与を実施し、帰宅後でしたらすぐに救急車を呼んでいただいて20分ほどで治療を開始したら危険性は低いことがわかっています。

しかし、夕方や週末になりますと各病院とも人手不足となり、昼の時間帯と比べて受け入れを断られる率が跳ね上がります。現在の周辺の体制を考慮して基本的に予防接種は午後3時までに終了した方が安全です。

高校生の子宮頸癌ワクチンや麻疹風疹追加ワクチンなど、どうしても3時までに来院できない場合は4時半までは受け付けますが、原則として接種後はご家庭で観察していただくか、どうしてもご家庭の都合がつかない場合30分は院内待機していただきます。

ただし、アナフィラキシー様の症状は数時間後に出ることもありますので、原則として予防接種は当院で設定した昼の安全な時間帯にお願いします。当院では夜間の救急受付は人員・機材共に対応不能です。

また、上記の事情により、土日・祝日前・連休の前後は予防接種は受け付けておりません。