ぜんそくは、春秋に多い、夜間に発作が多い、低気圧の接近時に発作が多い、重度になると咳は減って息苦しさだけになる、初期は聴診器だけで聞こえて聴診器なしでも聞こえるようになったら重症、という特徴があります。今、諸条件が重なってぜんそくは非常に多い季節です。
ところで、神戸からこちらに移動してきて、アトピー・花粉症・ぜんそくの患者数が多いのにびっくりしました。神戸の頃から鼻粘膜の観察はほぼ全員に実施しているのですが、腫脹している方が神戸の数倍います。転勤や帰省で小平から地方に行くと軽快し、小平に戻ると再燃する方が多いのも驚かされました。
何らかの原因があるな、と思って数年間、観察しておりましたが、何点か気づいたことがあります。
生活圏での自動車の密度が神戸の数倍あるようです。神戸の住宅地で、これほど大量の自動車が住居のすぐそばを走行している地区というのは、43号線などの国道のそばに限られています。そして、43号線は報道でご存じのように公害訴訟のメッカです。
神戸では、車をぴかぴかに磨くと、1週間ぐらいはきれいなままです。ところが、小平では1~2日でうっすらと汚れはじめ、1週後にはどろどろになっています。付着物を顕微鏡で見てみると、通常の砂塵ではなく、多孔質の恐らく排気煤煙と思われる物質がびっしりと含まれています。
この夏、小平中央図書館の屋上に環境省が設置した自動観測機のデータをずっと観察しておりましたが、晴れた日はほとんど連日のように光化学スモッグが発生していました。数時間吸っただけでも正常な方でも息苦しくなるのに、午前から就眠時間までほとんど毎日危険レベルを超えていました。
日本の山野は本来、広葉樹を中心とした多彩な植物種で覆われています。ところが、戦後の植林政策で、杉の単相林が増えたため、杉花粉症が大量発生したのはおわかりと思います。小平の空き地を観察していますと、神戸では考えられないぐらい、植物の種類が偏っており、杉花粉症の発症と同じメカニズムが春秋の雑草の花粉の季節にも起こると思われます。
東京都、特に交通量が激増した東京中西部では、こうした気道損傷の原因となる現象が広く見られるようです。本来は、問題にならないような弱いアレルギー因子の方が顕著な症状を示してしまうのは、こうした諸現象が原因と考えています。
近々、東京都は小児のみならず成人に対しても公害病の認定を拡大する予定ですが、こうした背景を解決しない限り、アレルギー性疾患の増加は食い止められないでしょう。
ところで、神戸からこちらに移動してきて、アトピー・花粉症・ぜんそくの患者数が多いのにびっくりしました。神戸の頃から鼻粘膜の観察はほぼ全員に実施しているのですが、腫脹している方が神戸の数倍います。転勤や帰省で小平から地方に行くと軽快し、小平に戻ると再燃する方が多いのも驚かされました。
何らかの原因があるな、と思って数年間、観察しておりましたが、何点か気づいたことがあります。
生活圏での自動車の密度が神戸の数倍あるようです。神戸の住宅地で、これほど大量の自動車が住居のすぐそばを走行している地区というのは、43号線などの国道のそばに限られています。そして、43号線は報道でご存じのように公害訴訟のメッカです。
神戸では、車をぴかぴかに磨くと、1週間ぐらいはきれいなままです。ところが、小平では1~2日でうっすらと汚れはじめ、1週後にはどろどろになっています。付着物を顕微鏡で見てみると、通常の砂塵ではなく、多孔質の恐らく排気煤煙と思われる物質がびっしりと含まれています。
この夏、小平中央図書館の屋上に環境省が設置した自動観測機のデータをずっと観察しておりましたが、晴れた日はほとんど連日のように光化学スモッグが発生していました。数時間吸っただけでも正常な方でも息苦しくなるのに、午前から就眠時間までほとんど毎日危険レベルを超えていました。
日本の山野は本来、広葉樹を中心とした多彩な植物種で覆われています。ところが、戦後の植林政策で、杉の単相林が増えたため、杉花粉症が大量発生したのはおわかりと思います。小平の空き地を観察していますと、神戸では考えられないぐらい、植物の種類が偏っており、杉花粉症の発症と同じメカニズムが春秋の雑草の花粉の季節にも起こると思われます。
東京都、特に交通量が激増した東京中西部では、こうした気道損傷の原因となる現象が広く見られるようです。本来は、問題にならないような弱いアレルギー因子の方が顕著な症状を示してしまうのは、こうした諸現象が原因と考えています。
近々、東京都は小児のみならず成人に対しても公害病の認定を拡大する予定ですが、こうした背景を解決しない限り、アレルギー性疾患の増加は食い止められないでしょう。