新幹線の中で感染したと思われる事案が見つかっています。
接種済みの人たちにとっては麻疹は不顕性感染(感染しても症状はほとんどないけどウイルスはバンバン放っている状態)で風邪に過ぎませんが、未接種の場合や抗体価が低下している場合は命がけの疾患です。
極めて高度な感染性があり、すれ違って呼気を吸っただけで感染するため、特に未接種で抗体を持たない乳児にとってはCOVID19以上の脅威です。
麻疹に治療薬は存在しません。感染者を診断して高次施設に送っても治療は酸素投与などで「見守るだけ」です。
生き残ったとしても脳炎・失明など重篤な後遺症が残る例も少なくありません。
以前から繰り返しお伝えしていますが、1歳の麻疹風疹混合ワクチンを接種して2〜4週経つまでは、東京駅や羽田空港どころか、吉祥寺のカフェすら行くのは命をかけたギャンブルです。
自家用車や自転車で移動して小金井公園のような広い場所に行くのは大丈夫ですが、大規模スーパーは無理、というのは暗記しておいて下さい。
なぜ1歳まで公費による予防接種がないかというと、6ヶ月未満なら抗体がつきにくいからなのですが、6ヶ月〜1歳は短期間で抗体価が低下するから、というしょうもない経済的な理由です。
中国が侵略するかもしれないから、という理由で国防費を増やすなら、乳児の防衛のためにはちょっとした予算は付けてもいいと思うのですが。
6ヶ月を過ぎたら任意で麻しん風しん混合ワクチンは接種可能ですので、ご相談下さい。
できるだけ廉価で受けられるように努力します。
5/13追記です)
新幹線内での感染者報告が増え始めました。
接種して抗体を持っている人にとってはただの風邪ですが、そうでない人、特に小児にとっては命がけになるケースは多々あります。
6月1日追記です)
当院で当代の医師が担当した小児はごく一握りを除いて全員2回接種を完遂していますので問題はないはずです。標準的なワクチンはこういう時に効いてきます。
母子手帳紛失など抗体価の有無がわからない場合、自費ですが検査にて確定出来ます。最近では同じご家庭の中で一人は麻疹風疹とも抗体を有していましたが、もう一人は麻疹抗体価は十分だったが風疹抗体価が不十分で、家庭内に結婚のあり得る女性がいたため接種をしたケースがあります。
妊娠がありうるケースなら公費負担だったのですが、その条件は満たさなかったため、広く一般には勧めがたい高額検査になっているのは問題があります。防衛や次世代の保護に関してにぎやかな今日此の頃ですが、これは立派な日本の次世代防衛です。もっと予算を入れるべきです。
既にN抗体獲得率が上昇し始めていて秋には新型コロナウイルスワクチンが必要か?はわからなくなっているので、確実に危険な麻疹風疹の対策に予算を傾斜すべきと個人的には思います。