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月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.204 アリス「秋止符」

2023-10-18 00:24:06 | 隠れた名曲

段々と朝も涼しくなってきて、今年も秋に関する曲について

書こうと思っていた所に、谷村新司さんの訃報が入ってきてしまいました。

その為、予定を変更してこの曲を取り上げてみようかと。

 

アリスの曲は、ヒット曲は聴きやすいものが多いですが、その反面、

「帰らざる日々」のように重い感じの曲も多いです。

帰らざる日々」は死の直前の自分、「それぞれの秋」は友人の自殺、

冬の嵐」は人生の終わりについて。苦労している人生を歌う「砂の道」。

谷村さんは、「島耕作シリーズ」で有名な弘兼憲史の作品の

「人間交差点」をタイトルにしたアルバムも出していて、

その辺りの影響も強かったのかもしれません。

(今回、調べてみて知ったのですが、このアルバムの発売時期は

ドラムを菅沼孝三さんが演奏していたのですね。ちょっと意外でした)

 

さて話を戻しますが、この曲、「3年B組金八先生」の「15才の母」シリーズの

BGMにも使われていたので、もしかしたらそれで覚えている方がいるかも。

重い曲でありながら、シングルが50万枚ほど売れるヒット作となっていますね。

ライブでもよく歌われていました。 

 

今年の秋はいつもの秋より
長くなりそうなそんな気がして

 

この歌詞が身に染みるそんな気がします。

挫折を思わせる歌詞ですが、重いコートを脱いで歩いてほしい。

そんな事を思いながら。自分にも当てはまるのですが。

 

 

もちろんアリスには暗い歌ばかりではありません。

希望を歌うものも沢山あります。

初期には前回紹介した「明日への讃歌」。

 

そして後期には、絆をテーマにした「美しき絆~ハンドインハンド~」。

 

これも前回紹介した「風は風」

 

そしてヒットこそしなかったものの、ずっと大切に歌われてきた

アリスにとって裏の代表曲とも言える「遠くで汽笛を聞きながら」

 

いつまでもくよくよせずに、前向きで行かないとなぁ。

 


NO.168 白竜「光州CITY」

2023-07-08 21:25:45 | 隠れた名曲

本来ならもっと早く投稿する予定でしたが、先に投稿したいものが

幾つかあったので、順番を入れ替えました。

これを書いていた時点で、まさかPANTAが亡くなられるとは

夢にも思いませんでした…。

 

先週、地元で開催されたレコード即売会に行ってきました。

CDよりもレコードの方が多いくらいで、中にはなかなか手の出ない

レア盤もありましたが、流石に高額な物には手が出ません。

自分が探すのは、日本のロックやニューミュージック、フォークあたりですが、

なかなか欲しいものが見つからず、有ったとしても値段が高かったりします。

最近流行のシティポップ関係とか、どこの店舗も高めの値段ですね。

 

今回はあまり買うのがないなと思っていたら、予想外のものを発見。

白竜のファーストアルバムの「光州CITY」です。

アルバムとしてはCDを持っているのですが、それとはジャケ違いのもので、

なんとサイン入りのものでした。

 

 

値段は若干高めでしたが、目が飛び出るような高額でもないので、購入決定。

こういうのがあるから、即売会には出来る限り顔を出したい所です。

 

白竜の「光州CITY」は、元々「シンパラム」のタイトルで発売予定でしたが、

韓国での光州事件を題材にした曲の「光州CITY」が

レコ倫に引っかかって発売中止に。

在日韓国人2世でもある白竜は、真実を報道されない事に怒りを感じ、

この曲を作ったのだとか。そして全国でこの歌を生で聴くコンサートが開かれ、

後にアルバムが自主制作の形で発売され、ライブ会場にて発売される事に。

 

日韓ワールドカップ以降、自分は韓国に関してはいい印象を持っていないですが、

白竜の渋く男らしい歌声は高く評価しています。

「その男、凶暴につき」以降は、俳優として活躍することが多いですが、

内田裕也さん主催のニューイヤーロックフェスティバルには、

常連のように出演していました。

 

 

アルバム「光州CITY」は、スタジオライブの形で録音されていますが、

代表曲でもある「アリランの歌」や「シンパラム」は、

このアレンジがいい感じだと思います。ロック的な曲ももちろんいいですが、

白竜と言えば、やはりバラードも捨てがたいです。

最後に収められている「PAS DE DUEX」はPANTAの作品で、

PANTAの中でも隠れた傑作と言えるものです。

少々エロティックな歌詞ですが、露骨な厭らしさもなく、

文学的な感じがいいですね。

下のリンクにて聴き比べが出来ます。

臭いものに蓋をするな!発売禁止になった白竜の「光州シティ」と小室哲哉

 

この時の白竜バンドのキーボードは、あの小室哲哉さんだったりします。

ちょっと意外ですね。

 

そしてPANTAによる「PAS DE DUEX」のライブバージョンを…。

 


NO.105 白鳥座「白鳥座」

2022-11-26 00:40:24 | 隠れた名曲

フォロアーさんのブログで、さだまさしさんの「秋桜」が取り上げられていて

久々に聴いてみました。山口百恵さんに提供したこの曲は、

実に味わい深いというか、しみじみとした気分になります。

ちょっと調べてみたのですが、「雨やどり」や「秋桜」、

「親父の一番長い日」とかは佐田家、特に妹の佐田玲子さんが

モデルとなっているそうです。

ただし、モデルにしているだけで事実とは異なっており、

実際には玲子さんは結婚はしていないようです。

 

そんな感じで、佐田玲子さんがメンバーだった白鳥座の事をふと思い出し、

LPレコードを引っ張り出してみました。

このファーストアルバムとセカンドアルバムの「デネブ」は、

学生時代に地元の中古レコード屋で見つけたもの。

それ以降、殆ど見かける事はなかったので、買っておいてよかったなと。

さだまさしさんの妹がメンバーだということもあり、

また「心にスニーカーをはいて」が全日空のキャンペーンソングになったり

もっと売れてもよかったと思いますが、アルバムやシングルが

なかなか見つからない事から、残念ながらヒットしたとは言えないですね。

でも、曲としては心に残るいい曲がそろっていると思います。

 

 

アルバム2枚発売後、玲子さんがソロ転向等で、メンバーが変わったりで

活動停止、2000年以降は、不定期で活動したりしていました。

アニメ「銀河漂流バイファム」のOVAの主題歌や

フジテレビの昼ドラマの主題歌を歌っていたりしていたので、

聴いたことがある人がいるかもしれませんね。

 

 

 

個人的には、もう一度CDを発売してほしいなと思います。

やっぱ無理かなぁ。

 


NO.91 ルシア塩満「黄昏色の秋」

2022-10-06 01:03:22 | 隠れた名曲

ふと思い出した秋の歌。今回は斜め上の変化球で。

 

30数年前、ワールドミュージックが流行して、

これまで聴く機会の少なかった色々な地域の音楽が流れていたりしました。

当時はミュージックマガジンを購読したり、

FMで特集されたものを聴いたりしていましたね。

イギリスやアメリカでヒットしているものしか聴けなかったのが、

南米やアフリカ、中近東等、これまで接することのなかった

音楽を聴けたので、なかなか有意義な時間だったと思います。

残念ながら思っていたほど売れなかったのか、ブームは数年で終わりました。

それでも生き残ったのは、ジプシーキングス

(ビールのCMで使われた「ボラーレ」のカバーや

鬼平犯科帳のEDで使われたり)

ケルト系音楽のエンヤぐらいですか。

あれほど流行ったランバダもすぐ消えましたし。

 

そんな中でも好きなアーチストの一人だったのが、

アルパ(パラグアイの小型ハープ)奏者のルシア塩満さんです。

NHKFMでのライブ放送を聴いたのが切欠でしたが、

アルパの音色が印象的で、ちょっと聴いただけで気に入りました。

西洋のハープとはちょっと違って、何となく庶民的な響きがあって

なかなかいいなと感じていたのです。

 

 

コンサートも何度か見に行ったことありますが、

やはりアルパの奇麗な音色は、生で聴くと感動的ですね。

コンサートでは「カスカーダ」や「牛乳列車」等、アルパの有名アーチストの曲を

演奏することも多いですが、「八月の濡れた砂」や「秋桜」、

「川の流れのように」といった日本の楽曲をアレンジして演奏したりします。

 

 

ルシアさん自身のオリジナル曲もありまして、

自分が一番好きなのが、やはり「黄昏色の秋」ですね。

初めてFMで聴いた時には涙が出そうになった事を思い出します。

日本を感じさせる抒情的なメロディにアルパが上手くマッチした

名曲と思いますね。スタジオ録音盤には、

チェロの溝口肇さんが参加しているようです。

 

 

今回、久しぶりに90年代の終わりに自主製作された

ライブ盤を引っ張り出してきました。以前、ソニーから

ベスト盤に近い感じのものが発売されたこともありましたが、

残念ながら現在は廃盤です。ルシアさんのアルバムは、

基本的には自主製作で発売されていますね。

 

ここ十年ぐらい、活動とか気にしてなかったですが、

2年前に活動45周年を迎えていたようで、昔と変わらない

若々しい姿を久しぶりに見ました。若さを保つ秘訣とか聞いてみたいですね。

 

 


NO.88 上田知華+KARYOBIN「秋色化粧」

2022-09-28 01:04:50 | 隠れた名曲

季節はもう秋なのですが、未だに暑い日々が続きます。

秋の歌というと色々思い浮かびますが、パッと思いつくのがこの曲です。

昔、FMのリクエスト番組で偶然聴いたのですが、

ストリングスを使った曲は珍しかったので、強い印象に残りました。

エアチェックしたテープを何度も聴いていたことを思い出しました。

当時は知らなかったのですが、ポーラのCMソングだったのですね。

シングルは昔、レコードも扱っていた古本屋にて偶然見つけました。

それ以来、シングルは見かけないので、

その当時に買っておいてよかったかなと。

 

上田さんが弾くピアノに加えて弦楽四重奏団バックにするスタイルは、

他に例を見なくて、余計に印象に残っているかもしれません。

メンバーには、ヴァイオリンのマレー飛鳥(金子飛鳥)さんも

所属したことがあり、またチェロの溝口肇さんも

サポートメンバーとして活動したことがあるそうです。

 

残念ながら、KARYOBINとしては大ヒットは無かったですが、

後に上田さんは作曲家としての活躍をすることになります。

特に今井美樹さんへの楽曲提供は有名ですね。

残念ながら、上田さんは2021年にすい臓がんで亡くなられています。

まだ60代だったのに残念です。