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月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.312 GS後のアイ高野さん

2025-04-24 01:23:14 | グループサウンズ&カルトGS

NO.311に続いてのGSネタです。

GSの印象的なドラマーというと、「好きさ好きさ好きさ」での決めポーズで有名な、アイ高野さんが思い浮かびます。

 

 

アイ高野さんというと、カーナビーツを思い浮かべますが、GSのブーム以降は、表舞台にこそ出てきませんが、

色々な活動をしています。カーナビーツ解散後には、エディ藩グループに参加しますが、後にゴールデンカップスと合併する事になります。

その後は、ミッキー吉野グループにも参加、初期のゴダイゴのメンバーだったりもします。

80年代になってからは、竹田和夫さんのクリエーションにも参加しています。実は、ヒットした「ロンリーハート」のボーカルは、

アイ高野さんだったりもしています。ヒットしていた当時は、全然知らなかったんですけどね。

 

 

80年代以降は、意外というか、アニメや特撮のサントラの仕事もしていたり。その中でも異色のものが、アイ高野とビーハイブです。

これは、『愛してナイト』というアニメの劇中で登場する、ビーハイブというバンドの曲を実際に演奏しているものです。

今でこそ、バンド物のアニメで声優さんがバンドをやっていたりもしていますが、その先駆けの一つと言っていいものかもしれません。

アルバムは2枚出ていまして、1枚目はこんな感じです。一部の曲の作曲は、タケカワユキヒデさんやミッキー吉野さんだったりします。

 

 

そして2枚目のアルバム『ビーハイブ・パーティ』からの曲も。『恋のモータータウン』の作詞は湯川れい子さんだったりします。

 

 

こちらは、かまやつひろしさんの作品です。アルバムの最後を飾ります。スパイダースとカーナビーツの共演とも言えますね。

 

 

かまやつさん以外にも、ワイルドワンズの加瀬邦彦さんも作曲している曲もあったりで、興味深かったりしますが、クオリティはなかなかだと思います。

それ以外にも注目すべきは、この2枚目のアルバムは、全編、久石譲さんが編曲をしていますし、ギターで参加しているのは、

ジェラルドやヴィエナといった、日本のプログレのギタリストでも有名な藤村幸宏さんだったりします。後にGACKTのバンドを支える存在にもなる人です。

余談ですが、『愛してナイト』の作中には、アクションやノヴェラ、44マグナムといったグループのタイトルや歌詞が出てきたりします。

作中のボーカルの人のイメージは、ノヴェラのボーカルの五十嵐久勝さんだそうです。

そして久石譲さんは、一部作曲にも参加しています。個人的には、湯川さん作詞、久石さん作曲のこの曲は、いい感じだと思っていますね。

 

 

特撮だと『巨獣特捜ジャスピオン』の主題歌が有名ですね。挿入歌も幾つか歌っています。

 

 

その後は、タイガース・メモリアル・クラブ・バンド等にも参加し活動していましたが、2006年、急性心不全で55歳で亡くなっています。

あまりにも早い死が惜しまれます。


NO.311 リメンバー・グループサウンド 1・2

2025-04-20 23:00:06 | グループサウンズ&カルトGS

 

最近、入手した本なんですが、近田春夫さんによる「グループサウンズ」を読みました。

 

 

グループサウンズの代表的なグループの解説本というのは、マニア向けのものを除いては、それ程には無いのではないかと。

スパイダース、タイガース、テンプターズといったグループ名やヒット曲は知っていても、意外とどういった活動をしてきたのかは、

わからないものだったりします。ですから、一連の流れを知るのにも、いい一冊かと思います。実は、大物の作詞家、作曲家が大半の作品を作り出し、

次第に歌謡曲化が進み、廃れていくという視点も面白いかなと。勿論、GSの寿命が短かったのは、それだけではないですが、

面白い視点から見ていますし、実際にそのシーンの中にいた人ならではの話も興味深かったりします。

 

近田春夫さんは、嘗ては、ハルヲフォンを率いて活動していましたが、日本のロック等には詳しい人ですね。初期の頃には、

ライブにて日本のロックのカバーとかも演奏しています。選曲は、かなりマニアックですが。70年代半ばにこの選曲、センスはいいと思います。

 

 

そしてその70年代の半ばに、早くもGSをカバーしたアルバムを出していたのには驚きです。それが、『リメンバー・グループ・サウンド1・2』という

2枚組のアルバムです。GSの主要なヒット曲のカバーアルバムでして、ハルヲフォン以外にも、オレンジペコ、神無月といったグループが参加しています。

アレンジ的には、オリジナルに近いものですが、おそらくこの時期には、GSのベスト盤とかは出ていないと思いますので、意義は大いにあったのではないかと。

 

君だけに愛を(タイガース) 近田春夫&ハルヲフォン

 

オレンジペコは、ARBのドラムのキースが嘗て所属していたといいますが、どうしてあんな風貌になったのかと。こんな感じでした。

 

 

真冬の帰り道(ランチャーズ) オレンジペコ

 

神無月は、子供ばんどの湯川トーベンさんが参加していたみたいですね。この時の演奏に参加しているかは不明ですが。

 

忘れ得ぬ君(テンプターズ) 神奈月

 

それ以外には、VSOPというバンドと、ザ・グループサウンズというバンドも参加していますが、詳細は不明です。

 

好きさ好きさ好きさ(カーナビーツ) VSOP

 

バラ色の雲(ヴィレッジシンガース) ザ・グループサウンズ

 

個人的に好きな、モップスの『朝まで待てない』が収録されているのはうれしいですね。

この曲は、阿久悠さんのデビュー曲でもあったりします。

 

朝まで待てない(モップス)  近田春夫&ハルヲフォン

 

もう1曲、個人的に好きな曲で収録されていて嬉しいのは、寺内タケシ&バニーズの『愛のリメンバー』

バニーズは、寺内さんをはじめ、メンバーが曲を作っている事が多いですね。その辺りが、他のグループとも違った

独自のスタイルなんでしょうね。大ヒットには結びつかなかったのは残念ですが。

 

愛のリメンバー(寺内タケシ&バニーズ) 近田春夫&ハルヲフォン

 

GSと芸能事務所の結びつきは強く、大物作詞家や作曲家も作品を提供していますが、その辺りはブログが終了する前までに

まとめられたらとは思います。そしてライブでは洋楽のカバーを好んでしていたりですが、これもまたまとめられたらとは思っています。

更にヒットはしないけれど、強烈な個性を持っているカルトGSも語れればと。因みに、このアルバムの解説にも近田さんが、

カルトGSについて少々語っています。例えば、山口冨士夫さんがギターを弾いていたダイナマイツは、有名な『トンネル天国』ではなく、

そのB面の『恋はもうたくさん』について語っていたりと、独自の視点をしています。それ以外にもカルトGSを語っていて、流石、先見の明があると思ってみたり。

 

余談ですが、近田さんは、その後に『電撃的東京』という、歌謡曲のカバーを中心としたアルバムを発表しています。

こちらは歌謡曲をカバーしていますが、これはロック寄りの演奏となっています。個人的には、『ブルドック』のインパクトが大きいですね。

映像で見てみると、茶化しているのか、大真面目なのかわかりづらいですが、演奏に引き込まれますね。

 

 


NO.253 加橋かつみ「パリ1969」

2024-05-04 00:50:07 | グループサウンズ&カルトGS

最近、ふとしたことでグループサウンズ関係の曲を聴いたりしました。

モップス、そしてタイガースの関連も。沢田研二さんもまだ現役でライブを

していますし、そういえばタイガースのメンバーも近年集まったなぁと。

そしてタイガースといえば、ジュリーと並んで人気があったのは、

トッポこと加橋かつみさんですね。派手ではないですが、その優しい歌声には、

ファンも魅了されたでしょう。

タイガース当時から、ビージーズの曲はよく歌っていたようで、

「ホリディ」とか得意だったようですね。

 

 

そして加橋さんのボーカルと言えば、最大のヒットとなった「花の首飾り」。

やはりこの曲は、加橋さんの歌声が一番しっくりくる感じですね。

 

 

加橋さんは、タイガースの人気絶頂期に失踪の形で脱退します。

そしてパリに渡り製作されたのが、この「パリ 1969」です。

ビートルズの「ホワイトアルバム」を思わせるような真っ白なジャケットが

印象的です。

タイガースの「ヒューマン・ルネッサンス」でもクラシカルなサウンドを

聴かせていますが、このアルバムでもオーケストラが取り入れられ、

アレンジは、ジャン・クロード・プチが担当しています。

シングルカットされた「花の世界」から、

タイガースとは違った世界を見せてくれますが、残念ながら、Youtubeには

上がっていなかったです。いい曲ですけどね。

「雨上がりと僕」、オーケストラとの相性がよい曲です。

 

 

また、カバー曲の「バイバイシティー」、珍しく少々ハードな歌い方ですね。

 

 

加橋さんは、このアルバム以外にも数枚ソロアルバムを出していますが、

いずれも現在入手困難です。自分は「パリ1969」しか持っていないので、

また再発してほしいですね。

 

そして最後に、80年代のタイガースの同窓会的復活の時の加橋さんによる、

「生きてることは素敵さ」という曲。

その時の新曲の中でも印象的だったのを覚えています。

 

 

                                                                                                                                                                    

                                             

 

 

 


NO.193 水谷公生さんのお仕事 GS編

2023-09-22 00:18:39 | グループサウンズ&カルトGS

最近、色々調べている水谷公生さん関連。

まずはGS時代の事を書いていこうかと思います。

 

最初は、ブルーエースというインストグループに参加していた水谷さん

(当時は水谷淳名義)ですが、アウトキャストというGSに参加します。

アウトキャストは、渡辺プロ所属第1号のGSで、

タイガースの先輩にあたります。実力はあったのですが、

人気面に関しては、後輩のタイガースに大きく水を開けられます。

 

一日だけの恋

曲としては悪くないですが、スター性はなかったですね。

 

電話でいいから

やけっぱちなボーカルがやけに印象に残る曲です。

こういうの、嫌いじゃないです。

 

のっぽのサリー

アルバム「君も僕も友達になろう」収録。

スピード感こそないですが、日本初のガレージパンクとも言われてます。

「電話でいいから」と並んで、80年代半ばに欧米のマニア層に

注目されていたそうです。

 

アウトキャストはアイドルを目指して挫折しましたが、

ボーカルの轟健二さん(松崎 澄夫さん)はプロデューサーとして

キーボードの穂口 雄右さんはアレンジャーとして、

そして水谷さんはギタリストとしてキャンディーズを育てることになります。

 

キャンディーズ「春一番」

この印象的なギターは水谷さんです。

 

アウトキャスト解散後は、アダムスというグループに参加します。

オーケストラを効果的に使った「旧約聖書」という曲でデビューします。

「第2のタイガース」を目指していたらしいですが、ヒットはせず。

 

旧約聖書

てっきり、すぎやまこういちさんが関わっていたと思っていましたが、

作詞・山上路夫さん、作曲・村井邦彦さんでした。

大袈裟なオーケストラが好きな人には気に入るかと。

カルトGS屈指の名曲だと思っています。

 

にくい時計

水谷公生さんの作詞作曲の曲です。切なくなる曲ですね。

タイガースの映画「ハーイ!ロンドン」で演奏しているシーンがあるとか。

 

こちらは作詞・北山修さん、作曲・すぎやまこういちさんです。

最後は結局、歌謡曲っぽくなりましたね。

 

アダムス解散以降のソロアルバムやグループ参加については、また次回に。

 

そして完全に余談となりますが、アダムスの音源が収録されているこの編集盤に

作曲家の馬飼野康二さんが所属していたというブルーシャルムという

グループの音源も収録されています。

ゾンビーズの「二人のシーズン」の日本語カバーもやっていますね。

 

 


NO.182 タイガース「A-LIVE」

2023-08-24 08:13:49 | グループサウンズ&カルトGS

自分にとっての本格的なGSとの出会いは、

タイガースの同窓会再結成でした。(当時、瞳みのるさんが

芸能界を引退していて参加出来なかったので同窓会なのだとか)

 

元々、日劇が取り壊されるという事で、いくつかのGSが再結成されて

最後のウエスタンカーニバルが開催されました。

その中でもタイガースは期間限定ながら、新曲も出したりしていました。

CMにも採用された「十年ロマンス」とか「色つきの女でいてくれよ」とか、

GSを知らなかった当時の自分にとっても、いい曲だなと思えて

好んで聴いていましたね。

 

更にFMとかでも盛んにGS特集をやったりしていたので、

有名な曲は殆ど覚えたものです。

自分の世代だとGSとはまるで合わないですが、

就職したての頃、カラオケでGSのメドレーを歌えると言ったら、

上司と無理やり一緒に歌わされたこともあったなぁと思い出しました。

 

まだカルトGSを知らなかった時期ですので、

好きなグループは、やはりタイガースでした。何といっても

沢田研二さんがボーカルでしたからね。ヒット曲を連発していた人が

昔やっていたグループですので、興味を持ったわけです。

 

同窓会の時のライブもテレビで放映されたこともあって、

その時は食い入るようにテレビを見ていたなぁと思い出されます。

この当時は家庭用ビデオデッキはまだ一般的ではなく、

ライブビデオも1万5千円とかしていた時代ですので、

保存するという概念はなかったですね。サブスクで、ある程度のものは

無料で見る事の出来る今の時代は、何とありがたい事か。

 

後年になって、その時のライブアルバムが出ていることを知り、

偶然にも入手することが出来ました。

堂々のLP3枚組で、大半のヒット曲も網羅されていますし、

ライブで演奏していた洋楽のカバーも、ストーンズやビートルズ、

ビージーズといった得意のナンバーも収録されています。

 

その時のメンバーは、沢田研二さん、加橋かつみさん、森本太郎さん、

岸部一徳さん、岸部シローさんで、瞳みのるさん以外のメンバーが

参加しているのは嬉しいですね。

瞳みのるさんに関しては、十数年前にBSフジでインタビュー番組に

出演していて、保存している映像をまた見てみました。

タイガース時代の蟠りから、解散と同時に地元に帰り、何をすべきか

自問自答をしていたのですが、タイガース時代に出会った

「眠狂四郎」で有名な作家の柴田錬三郎さんからの言葉もあり、

中国語や中国文学の学問を頑張る事に。そして大学に入学し、

大学の教授にはなれませんでしたが、高校の国語の教師として、

定年直前まで勤務していたとの事です。

頑なに復帰を拒否していた瞳さんですが、徐々に和解していき、

2013年に40数年ぶりにオリジナルメンバーで復活することに。

 

タイガースは、行き違いやメンバーの対立とか色々ありましたが、

少なくても「A-LIVE」のアルバムの中ではのびのびと演奏を楽しんで

いるかのようです。こういうのっていいなぁと。

 

レコードは、1982年3月17日の日本武道館と

4月4日の大阪フェスティバルホールの音源が使われていますが、

映像は日本武道館のみで構成されているようです。

なかなか貴重な映像かと。

 

 

余談ですが、

慶應高校が100何年振りの甲子園優勝で盛り上がりましたが、

実は瞳みのるさんが教師を務めていたのが慶應高校だったりします。

しかも仙台育英の校長先生は、嘗ての教え子だったとの話も。

前回のストロベリー・パスの成毛滋さんも慶應高校の出身だとか。

いや、狙って記事にしたんではないですけどね。