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パイロット養成講座

多くの機長、副操縦士を育てた坂井優基が、パイロットになろうとする人や訓練生に送るアドバイス

眠気

2012-04-30 | その他
kooriさんの質問に答えて

質問

自動車による居眠り運転事故が多発しています。

当然,いろいろな準備をしていても操縦中に眠くなってしまうことはあると思います。
その際には,やはりガムやコーヒーで対策するしかないのでしょうか?

回答

眠気対策は非常に重要です。
特に時差があるところでは大事になります。
ガム、コーヒーは重要ですが、それでもたらない時があります。
人により違うのですが、そんな時は、メンソレータムを目の下のクマのところに塗ったり、首の後ろを熱くしたタオルをあててマッサージしたりと様々な努力をしています。

太陽電磁波

2012-04-30 | その他
最近、車の暴走、バスの事故などが増えています。
個別の事象を見ると原因は別々ですが、その根底に太陽からの電磁波、宇宙線の影響があるのではと心配しています。
通常は太陽の磁場は北極がN極南極がS極という形と、北極がS極南極がN極という形が11年ごとに交代しています、
現在、太陽の磁場は今までと違って北極と南極がN極、赤道がS極の形をしています。
当然、太陽から地球に降り注ぐ電磁波や宇宙線も今までとは違います。
これが人間や様々な電子機器に影響を与えている可能性があるのではと懸念しています。
私の心配が杞憂に終われば良いのですが。

操縦士養成学部

2012-04-29 | その他
様々な大学で操縦士養成学部が開かれています。
たまたまある大学の操縦士養成学部関わっている人から話を聞きました。
30%は放っておいてもパイロットに成れる人
40%はいろいろと教えてパイロットに成れる人
後の30%はあまりパイロットに向いていない人
だそうです。
ここでも大事なのは学部に入ることではありません。
また学部に入って、向かうから教えてくれる課題をこなしているだけでは、最初の30%の人はパイロットになれるかも知れませんが、後の人がパイロットになるのはきついのかも知れません。
入ることが目的ではなく、入ってどう勉強するかが大事になってきます。
知識や操縦技量だけでなく、左手の訓練、同時に複数のことを考えられるようにする訓練、失敗にとらわれない訓練、過去ではなく未来を考える訓練などが重要です。
その意味でスポーツに似ているかも知れません。
例えばサッカーを例にとるとパスやシュートの練習だけではなく、基礎体力をつけたり、戦術や戦略を勉強したり、メンタルをコントロールしたりする訓練が必要です。
どこに入るかではなく、入ってから、いや入る前から何をやり続けるか、与えられるのを待っているのではなく、自分を分析して足りない要素は自分から補っていくことが重要になります。
過去に書いた超音速勉強法、機長の教え、飛行機の操縦などを参考にしてもらえればと思います。



文系理系

2012-04-29 | その他
読者の方から、パイロットになるには文系理系どちらに進むのが有利でしょうか?という質問が来ました。
結論から言うとこの質問は、質問自体が無意味です。

単純にパイロットに向いた学部はというと、東海大学など航空機操縦学科に入るのが一番向いています。
ただし、莫大な費用がかかります。別の選択肢としては航空大学校があります。
また、両方とも卒業したからといいって必ずしも全員がパイロットになれるわけではありません。

一般の大学に入ることを考えてみると、一口に理系といっても様々な学部があります。遺伝子組み換えを学ぶ学部に入ってもパイロットに役立つ話はありません。
それよりも文学部でも実践的な英語を学ぶ学部の方がパイロットにとって役に立ちます。
受験勉強を考えても、生物と化学を一生懸命学んでもパイロットには役立ちません。
数学も飛行機の世界で使うのは、三角関数から微分積分どまりです。

この質問の背後にあるのはどちらがお得かという観点です。
いくらお得でも本人が興味を持てないし、好きでもない学部では勉強の意欲もわかず結果として成績も上がらず大学の4年間は無駄になってしまいます。

パイロットを目指していても、常に成れなかった時のオルタネートを考えておく必要があります。
その時の、基準はどちらがお得かではなく、何が好きかであるべきです。
自分の好きな分野でしたら、努力をするのではなく、自然と学べます。それが成績の良さにつながり、ひいてはパイロットにへとつながっていくかと思います。


パイロットへの動機

2012-04-26 | その他
私がパイロットを目指したときと今では世の中が大きく変わっています。
私のことが参考になるかどうかはわかりませんが。

私の父は戦争の時代のパイロットでした。
戦争が終わってからはまったく違う職業についていたのですが、こどもの頃、布団の中で良く昔の話をしてくれました。
このころから漠然と空っていいなというあこがれを持っていました。

また、昔から機械やメカが大好きでした。
小学生のころから潜水艦や飛行機の設計図を描いていました。

さらには遠い外国にあこがれていました。
私が子供の頃は日本はとてもまずしく、国として外貨が不足していました。
外貨の持ち出しには制限がありましたし、よほど理由がないと海外渡航が認められませんでした。
そんななか、パイロットになれば世界中を見て回れるというのも大きな理由の一つです。

今では、誰でも安く海外旅行に行ける時代です。またテレビにDVDなど海外の様子も簡単にわかります。
なかなかそういうことが動機にはなりにくい世の中だと思います。

パイロットをやっていて感じるのは、自分の判断や操作の結果が直接すぐに見えることです。
ルートを変え、高度を変えと自分の読みがあたったときには達成感があります。
緊張と弛緩の落差が大きく、OFFの時間が非常に充実している気がします。
またコックピットの中から見られる景色は最高です。

先日、高校の同窓会がありました。多くの同期生がリストラや子会社など会社を変わったり苦労していました。
その中で「いいなー。手に職があるやつは」と言われた一言が印象的でした。

一人一人、動機は違うかと思います。どんな動機でも良いのですが、ただパイロットになることを目指すのではなく、安全なパイロット、後輩を育てるパイロットなど、パイロットになった後の、その先を目指してもらえればと思っています。



テイルヒット

2012-04-05 | その他
自家用操縦士Tさんの質問に答えて

最近またテイルヒットが発生していますので、素朴な質問を2点。
1.コンピューターの力でテイルヒットを防止するような制御はできないのでしょうか。
2.テイルヒットが発生しても、機体に何ら損傷が及ばないようにする機構はできないものでしょうか。尾輪式機体の尾輪のようなもの等、または、簡単なテイルヒット用バンパーの交換等で、圧力隔壁等の機体構造への損傷が及ばないようにする等・・。

まず1ですが、エアバスのコンピューターにはそのようなロジックが組み込んであります。それでも仙台のテイルヒットのように起きるときには起きてしまいます。
2.ボーイング系の機体にはバンパーのようなテイルスキッドがついています。ある程度のヒットは防止できますが今回のような激しいものはダメージを防ぎきれません。


メーデー!:航空機事故の真実と真相

2012-04-02 | その他
ナショナル ジオグラフィック チャンネルで放送されている飛行機事故に関する番組です。
スカパーやケーブルテレビ、光テレビなどで視聴できます。
仕事で出ているときは録画して後でまとめて見ています。
一つの事故について、約1時間の番組にまとめられています。
事故は悲惨ですが、番組の中から「これはしてはいけない」「こうしなくてはいけない」という様々な気づきを学ぶことができます。
経験に学べと言われますが、飛行機の世界で経験に学ぶということは危険な状態に陥いってしまうことです。
過去の例から学ぶのが一番です。
このような事態に陥らないために事故から学ぶことが重要です。

好きや情熱

2012-03-29 | その他
KJさんの言われるとおり、一番大事なのは好きや情熱だと思っています。
自分が好きなことは努力できる、努力するからこそ上手くなる。
金のためとやっている人、文句ばかり言いながらやっている人に上手な人はいない気がします。


これからパイロットを目指す方へ

2012-03-28 | その他
よぬぐんさんの依頼にこたえて

依頼
これからパイロットを目指す方へメッセージを御願いできないでしょうか?

今パイロットを目指す人の数は減ってきています。
就職も大変なようです。
今から数年すると大量に退職者が出ます。
現在の便を維持するだけでも、大幅にパイロットが不足することになります。
またLCCも含めて新たなエアラインもどんどん登場してきています。

パイロットの醍醐味は、コックピットという特等席から日本や世界を見られることでしょうか。
また毎日が変化にとんでいるので、飽きることがありません。
知らない街、知らない店、好奇心の多い人にとっては新しい環境の宝庫です。
また、高度にしろ経路にしろ自分の読みがピタっと当たった時の爽快感も動機のひとつです。

このごろ残念なのが飛行機が好きとか、空を飛ぶのがが好きというような情熱を感じる人がだんだん少なくなってきていることです。
パイロットになれれば良いのではなく、どんなパイロットを目指すのかで大きく道は違います。
これは、パイロットに限らず、世の中の全ての職業に当てはまるのかも知れません。
目標を低く持てば持つほど、つまらない人生になってしまうかもしれません。
同じパイロットを目指すにしても高いところに目標を置いたほうが楽しい人生が送れるのかも知れません。



人間にとって最大の危険は、高い目標を設定して達成できないことではなく、低い目標を設定して達成し、満足してしまうことである。
ミケランジェロ

パイロットに向いているかどうかの質問

2012-03-22 | その他
回答をよせてくださった皆さんありがとうございます。

答えはどちらも正解ですし、どちらも不正解です。
ブルースリーも述べているように、全ての判断は必ずいくばくかの正解と、いくばくかの不正解を含みます。
その時の状況により、どちらがより正解の割合が多いかは変わりますし、些細な条件の変化で正解と不正解が入れ替わります。

この問題はどちらが正しいかが重要な問題ではありません。
この問題で重要なのは回答までの時間です。3秒以内に結論が出せた人は優秀です。
2番目の問題でわかるように時間がたてばたつほど条件は悪くなります。
正確に旋回半径を計算しても計算が終わった頃には、位置が変わって計算そのものがまったく無意味なものとなってしまいます。
時間をかけすぎるといくら正しい判断をしてもその時は山にぶつかっています。
ほとんどのエアラインのパイロットは瞬間的に答えが心に浮かびます。
そのために日頃からこうなったらどうしようを考えていますし、過去の事故事例を学んでいます。
時間的に余裕がある場合には、浮かんだ答えに間違いがないか、何か条件の見落としはないかを検証し、さらにCRM技術をつかって他のCREWの意見を聞いて間違いを防ぎます。
時間的余裕がない場合には瞬間的に判断して行動します。

日常生活でも今日の昼食にどの店に行くか何を食べるか、喫茶店で何を飲むかなどあらゆることを瞬間的に判断するのも訓練に有効な方法です。

パイロットに向いているかどうかの問題2

2012-03-19 | その他
答えの前にもう一つの問題です。

雲から出ると目の前に山がありました。
右によければ、山をクリアーするのに必要な距離は短いですが、その先にすごい積乱雲が控えています。
中に入れば飛行機は無事ではすまないかもしれません。
左によければ、積乱雲はありませんがよけるのに必要な距離はかなりながくなります。
ひょっとするとよけきれないかもしれません。
高くそびえ立つ山ですので上を飛び越えることは不可能です。
180度方向を変えるのには山が近すぎます。

A 右によける
B 左によける

あなたはどちらを選びますか?

富士山の風

2012-03-14 | その他
パイロットにとって富士山の風は非常に重要です。
冬場、西風が強くなると風の影響を受けてフライト時間がかかります。
スケジュールをキープするためには、向かい風の弱い低い高度を飛んだ方が有利になります。
羽田から福岡の便だと、丁度経路が富士山の近くを飛ぶことになります。
さらに途中でレーダーベクターでダイレクトを指示されると富士山の直上を飛ぶことさえあります。
低空で、風が強い時に富士山の近くでは孤立峰による山岳派が発生します。
富士山の上で50kt以上の風が吹くと高度を上げないとかなりゆれることがあります。
富士山上空の風が強い時は、富士山を過ぎるまでベルトサインは消さない。富士山を越えるまでは高い高度で飛びそこから高度を下ろすなどの対策が必要です。

テーブル

2012-03-05 | その他
KVKさんの質問に答えて

質問
キャプテンこんにちは。

LCCなどでは食事や飲み物も有料となっているようですが、私にとっては機内食は旅行の楽しみのひとつでもあります。特に海外のエアラインに乗ったときには。

ところでパイロットの方は、操縦席で召し上がれるのですよね。テーブルとかあるのでしょうか。

回答

答えはメーカーによって違います。

ボーイング社の飛行機は目の前に操縦桿があるのでテーブルはありません。
トレイやボックスを膝の上に乗せて食事をします。

一方エアバス社の飛行機は操縦桿はなくサイドスティックで操縦します。
このタイプは計器の下からテーブルが出てくるようになっています。

機内での食事

2012-03-04 | その他
パイロットも人間ですので食事をします。
お腹がすきすぎていると、血糖値が下がり、判断に狂いがでるかもしれません。
かといって満腹で眠くなっても困ります。
眠くならない食事の仕方は、
満腹になるまで食べない
なるべく糖質は少なめに食べる
良くかんで食べる
などがあります。
一番重要なのが食事の時間です。
着陸の一定時間以内になったら食事はしません。
食事はとらないけれど血糖値を上げたい時には、リンゴジュースなどを飲んでいます。

小鳥は食べすぎると重くなって飛べないので、少量にわけて何回も食べているそうです。
パイロットもこの方法がいいのかも知れません。