脳内機長のフライトログ

「脳内機長のフライトログ」の記事置き場です。

「航空機着陸支援施設」の仲間達のお話

2010年03月24日 21時30分22秒 | Microsoft Flight Simulator
ど~も~。「脳内機長」でぇーす。
自動車の運転と航空機の操縦。大きな違いは?・・・・・。色々な答えが返ってくるとは思いますが、脳内機長は、
「操作軸が平面と立面の違い!」って答えます。自動車は、ハンドルで「左右」、ギアで「前後」の操作をしますよね。
つまり「左右・前後」の二軸。航空機はここに「上下」が加わります。これが操作を難しくします。
例えば、自動車の運転では「斜め右前方」で済むのですが、航空機では、「斜め右前方へ上昇」なんて。
また、自動車は道なりですが、航空機は、「○○°方向へ、高度○○フィートへ、上昇率○○で。」と、とても精密で
あります。

自動車で言う「車庫入れ」に相当するでしょうか?航空機の「着陸」は。自動車では「あーあ。擦っちゃった。」で
済みますが、航空機では洒落になりません。
そんなに難しい操縦なんて人間が出来るの?いや、難しいから、機械の手を借りるんですよ。本日はそんな話。

航空機で一番難しい操作。「離陸」と「着陸」。脳内機長は、「着陸」操作の方が難しいと思います。もう、空に浮いて
しまっていますからね。地面に降ろす操縦の難しさは、セスナで訓練するとよく分かります。雑な操縦は、一気に姿勢を
変え、どーにもならなくなります。( Flight Simulatior でよかった。)

では、実際の旅客機は、どうするのでしょうか?。計器飛行方式 ( IFR: Instrument Flight Rules 正確には、計器飛行
方式による飛行) で飛行しています。計器飛行方式とは、航空機の計器および目視の両方で自機の位置やコースを確認し、
常に航空管制官の指示に従って行う飛行や、運航情報官が提供する情報を常時聴取して行う飛行のことであります。
計器と言いましても、連携した「自動操縦装置」があり、パイロットは常に動きを監視しています。

飛行コースにつきましては、いずれ詳しく解説する機会を作りたいと思いますが、本日は「着陸」について書いてみたいと
思います。

まず、下のスクリーン・ショットをご覧下さい。赤い鉄橋のような物が手前に見えます。これ、ILS (計器着陸装置 Instrument Landing SyStem )の LLZ (ローカライザー装置)と呼ばれるものです。脳内機長の記事によく出てきます ILS 。
滑走路への進入を自動で行う装置であります。 LLZ は、ここから電波を発して「左右」の進入位置のズレを調整します。
このズレの大きさは、パイロットの正面の計器「 ND-NAV ディスプレイ」に表示されます。


次に GS (グライドスロープ装置 Glide Slope )です。これは LLZ とは逆に「上下」の進入位置のズレを調整します。


で、 ILS は、下のスクリーン・ショットのように、航空機の「 ND-NAV ディスプレイ」に表示されます。左側画面の四角い
計器の下の点々が LLZ で右の点々が GS の表示です。電波の中心線は、赤い点で表示され、双方の赤い点が中心の
「 - 」に重なると、滑走路の降下位置の「中心」にいることが解ります。パイロットはこれを見て着陸進入をいたします。


スクリーン・ショットの中央に、羽田空港の ILS RWY22 の LLZ が見えます。その手前(小さくて見づらいかも。)に
ILS RWY 16R の「マーカー・ビーコン」が見えます。これは航空機と滑走路との距離を測定するためのもの。


スクリーン・ショットは、VOR (超短波全方向式無線標識施設 VHF Omnidirectional Radio Range )と DME (距離
測定装置 Distance MeaSuring Equipment )のアンテナです。
VOR は、超短波を用いて有効到達距離内のすべての航空機に対して、VOR 施設からの磁北に対する方位を連続的に指示する
ことができますので、航空路の要所に VOR 施設を設置することにより航空機は、正確に航空路を飛行することができます。
つまり、航空路の「案内板」であり、「ここは○○という場所だよーん。」と教えてくれます。

DME は、電波の伝搬速度が一定であることを利用し、航空機から地上の DME 局へ距離質問電波を発射し、それに応じて
DME 局から発射された応答電波を受信するまでの時間的経過から地上局までの距離を連続測定する装置です。
「あんたは、ここから○○マイルにいるんだよーん。」と教えてくれます。


これは、ASR (空港監視レーダー Airport Surveillance Radar )と SSR (次監視レーダー Secondary Surveillance
Radar )です。
この装置は、空港周辺の出発機や到着機を監視し、誘導するレーダーです。 ASR は、空港から約 110Km 以内の空域に
ある航空機の位置を探知して、出発・進入機の誘導及び航空機相互間の間隔設定等ターミナルレーダー管制業務に使用
されています。航空機は、この装置から発する質問電波を受信すると、機上の ATC トランスポンダー(航空交通管制用
自動応答装置)から各機に固有の応答信号を発射しまして、地上のレーダー表示画面上に航空機の識別、高度並びに緊急
事態の発生等を画面に表示します。
これは航空機側と言うよりも管制側に情報を送る装置であります。


最後に管制塔。頭の上にあるサボテン(?)が、ASDE 空港面探知レーダー Airport Surface Detection Equipment )。
空港内を監視するレーダーで、空港全体が画面に表示され滑走路など地上にいる航空機や車輌の様子がわかります。
空港地表面の航空機や車面等の動きを監視しそれらの交通の安全を図るための高分解能レーダーで、飛行場管制業務に
使用されます。主に「グランド・コントロール」を担当しています。


数々の装置のおかげで、脳内機長は正確かつ安全な着陸をさせて頂いております。た・だ・し・・・・・、あくまでも
これらは「支援装置」で、最終的な判断は「人間」。「機長」さんであります。これは実機でも Flight Simulatior でも
同じ。


CP:「アプローチング・ミニマム。」
脳内機長:「チェック!。」
CP「ミニマム。」
脳内機長:「ランディング!」

は、そのための「合い言葉」でありますから。 by脳内機長 (^_^)



最新の画像もっと見る