森川博之 「私的な遊戯」

私的に色々綴って行きます。
曲↓http://www.myspace.com/morikawahiroyuki

私的な「2014年”初めて観た”映画ランキング」、ワースト編

2015-01-11 07:28:05 | 映画ランキング
お早う御座います、先日復刻版ビックリマンチョコが「84円」と表記
してあり、しっかり二度見した男、今年は遂に足に貼るカイロを導入しました、
寒いわ、心底。

さてさて、前回昨年の私的ベストをダラダラ綴りましたので、今回は
ワースト10でも。

まあ、あくまで私的ですが、避けるも良し、「ならば」と勇んで
観るのも良し、参考にして頂ければ、と。

もうサクサク行きましょう、ワーストは10位からの表記にします。


10位  肉(R18)
9位   カリフォルニアゾンビ逃避行  
8位   ゴール・オブザ・デッド
7位   ムービー43
6位   ガッチャマン
5位   R100
4位   ツナグ
3位   MONSTERZ
2位   pupa(アニメ)
1位   フィンランド式残酷ショッピングツアー


以上です。

詳しくはMIXIのレビューに書いてますが、一応端的に
各々の駄目だったと感じた部分を書いていきます。

10位の「肉」。

R-18詐欺、テーマ的には確かに危ういですが、その実
内容は結構雰囲気が良いミステリ風。

ただ、やはりカニバリズム、それを採り上げ18歳未満はお断り
ならば、そこをもっと突き詰めて欲しかった。
フライング母ちゃんは笑いましたし、娘は可愛かったのですが、
上記の問題と穴と疑問を投げたくなる脚本も残念な一本。



9位の「カリフォルニア~」。

ゾンビものはハズレが多い、知ってます。
でもゾンビが好きなので観ます、危ういと分かってても観ます。
観た結果、この作品に関しては御都合主義が過ぎる、定番の
「ヒロインだけ」無傷状態、「終始何となく進む」ストーリー、
どれも残念なまま、凛とした女性エンドという説得力皆無な
着地に。笑いも私的にはフィットせず、寒かった。
女優さんは美人でした。



8位「ゴールオブザデッド」。

前後半、2枚組に分ける必要全く無し。企画とビジネス的な
問題でしょうが、ならばもっと作りこんで欲しかった。
良かったのは前半の前半、アウェイ戦に乗り込むサッカーチームの
描き、それのみ。

後はもう・・漂白剤を吐くゾンビらしき人物、律儀に「待ち」の
態勢を取るゾンビらしき集団、時代劇かと。
ゾンビ映画に必須のカタルシスは皆無、サッカーは殆どしない。

結局、期待を最も裏切ってくれた一本でした。
サッカーとゾンビ、同じくらい好きな方、堅実に避けて下さい。
予算はあったみたいで、映像はそこそこ豪華です。


7位「ムービー43」。ハリソンさん、何してるんですか。

ハリウッドスター達が短編お下劣ギャグ作品に次々出演する映画。
これは9位のカリフォルニアでも書きましたが、結局は笑いのツボの
問題かと。いや、お話自体も凄まじいやっつけでした。
コテコテの下ネタ、その表現が余りに酷く、汚ねえなあ、と
終始ぼやくだけの作品に。
ノドチンコ、あれだけはしつこくなければ・・いや駄目でしたね、
私的には。オススメしません。


6位「ガッチャマン」。

序盤のアクション、ここは好きでした。以上が好きな部分。
各々のキャラ、その大儀の描き、ストーリー展開、強引に
ねじ込んだ感がプンプンする恋愛要素、勘弁してください。
こういう実写は、やはり未だ日本ではビジュアル的にも
厳しいのかも、と再確認出来た一本。
まあ、それ以前にお話の精度をもっとどうにかして頂きたかった。
世界の終わりが急接近中、鼻歌交じりにお買い物をしているヒロイン、
何とも言えない怒りが湧き起こる一本、勿論オススメしません。


5位「R100」

お笑いでは大好きな松本さん、彼の映画。
良かった、というか期待させたのは、これまた序盤の映画的映像、
それのみ。
陳腐な鼻血演出からは、もう全クオリティの落下は食い止められず。

やはりこの人は、撮るならば30分コント的な作品を短編で
繋ぐ、そういう方法しか、それならばもう一度期待してみよう、
そう確信した一本。
安い、不味い、笑えない、三拍子揃った映画。
外人さんの使い方は相変わらず好きでしたが、それもコントで
散々観たので上手い、とは成らず。
残念です、好きな方だけに。


4位「ツナグ」。

ここ何年、邦画で主流の「どうですか?感動するでしょ?」的
作品を観た私も悪かった。
安直に感動へと走らせる演出は、観ていて音速で萎えます。
後は「心の声演出」、もういい加減どうにかして頂きたい。
我々はエスパーでも無く、ましてや心情を全く汲み取れない
阿呆でも無い。
薄っぺらい、その表現がシックリ来る一本、無理でした。
あ、後は美男美女の闘病記も、もう打ち止めでお願いしたいです。


3位「MONSTERZ」

これは藤原さんと山田さん、好きな俳優が二人も、しかも
ダブル主演だったので鑑賞。

4位のツナグ以上にお粗末過ぎた脚本、この作品はこれに尽きます。
藤原氏の劇中での特殊能力、そのルールの線引きが異様に曖昧。
視界に入る人々を操れる、なるほど。

その条件を踏まえると、このシーン、周囲の人々は完全に殺人未遂、
若しくは異常な風景を目撃している「はず」ですが、ノータッチ。なるほど。
後は日本だけでなく、世界の危機さえ危ぶまれる人物に対して採る
警察の対処方法が、何ともまあ・・やはり揃いも揃って無能かと。
題材が悪くなかった分、仕上がりとのギャップに絶望した一本。
観ないほうが吉かと思われます。


2位「pupa」。
アニメです、年齢制限ありました、ツタヤ限定でした。
画のクオリティ、お話自体の粗末さ、突っ込むのも疲れる
数多の展開、全てが酷い。

ある一話なんて、妹が兄貴をむしゃむしゃ喰らう、真実それだけの
描写が延々続きます。
そこに何の含みもカタルシスも無い。ただ喰ってるだけ、ツマラン。

「ブレイキング・バッド」というドラマで、実は一話丸々ハエを
追いかけるお話があるのですが、それは「生」をしっかり描き、
主人公の精神異常も同時に表現している、斬新で驚いた一話でした。
pupaの作り手さんは、先ずそれを観て頂きたい。


で、1位は「フィンランド式残酷ショッピングツアー」。

ジャケットが良かった、それだけ。
ゾンビもの?とも言えないこの作品、終始親子喧嘩と親子の
キャハハウフフを魅せられます。ツライ。

しかも、それを物語に一切活かせていないのが驚異的、ツライ。

一応ショッピングモールという、ゾンビ映画へのオマージュが
感じられる部分は・・無いですね、やっぱり。

これは心底酷かった、断トツの優勝です。
POV形式なのに、時折「まあ、いいじゃん」的なノリで
撮られた「誰が撮影したか分からないシーン」、このやっつけ感も
恐ろしい、おぞましい。
ジャケットで魅かれても、借りてはいけません、約束です。


以上ですが、一応「奇生体X」という作品もありまして、これに
関しては「酷いです、観て下さい」というリクエストの下鑑賞したので、
選外。まあ酷かったですが。

低予算映画、工夫次第ではどうにでも転がるな、そう感じさせてくれた一本。
勿論今作はゴロゴロ転げ落ちるだけのシロモノでした。


長い、申し訳御座いません。

最近は地雷を積極的に踏みに行かなくなりました。時間が無い、怖い。
ので、精神は専ら安定しております。

ベスト、ワーストと、長々お付き合い頂いた方々、真実有難う御座いました。

ではでは、犬でも愛でに行きます。

寒い、シャワーは無理だな。






紅白歌合戦を観た男の「2014年に”初めて観賞した”映画ランキングベスト10」

2015-01-02 08:35:42 | 映画ランキング
お早う御座います、というか明けましておめでとう御座います。

カウントダウンをここ何年かで初めて「何かしらのお店」以外で迎えた男、
年越しは完全に布団の中、寝てました、良いです、もう良いです。

カラオケ屋、ライブハウス、ツタヤ、その他年越しした場所多数。失念。
振り返ると接客業ばかりのバイト生活でしたね、知ってるけど。

紅白観ました、その他の邦楽賞レースもボチボチと。

何かもうアレですね、いっそ「ジャニーズ、エグザイル、AKB」か、
それ以外でジャンル分けした歌番組が欲しいですな。

「この子は誰?この歌は何?」

「・・知らん」


終始この繰り返し。
親子団欒で。親が子に質問する、そのコミュニケーションが私的な
邦楽トップチャート離れから断裂され、実にカオスな空間が構築
されておりました。

ビックリした、本当に殆ど知らなかったから。

来るところまで来た、そんな印象です。まあ、もうどうでも良いか。


さてさて、2014年が終わり2015年到来。
ザクっとですが、私的な昨年初見映画ランキング、それを書いていこうかと。

ベスト10と、ワースト10、短い感想も入れつつ、ですね。

早速ベストから。

1位   マーターズ (2008年作品)
2位   ロスト・ボディ (2014年レンタル開始)
3位   死霊館 (2014年レンタル開始)
4位   きっと、うまくいく (2014年レンタル開始)
5位   悪の法則 (2014年レンタル開始)
6位   ブランカニエベス (2014年レンタル開始)
7位   劇場版魔法少女まどかマギカ前後編 (2012年作品)
8位   地獄で何故悪い (2014年レンタル開始) 
9位   ばしゃ馬さんとビッグマウス (2014年レンタル開始)
10位  グランド・ブダペスト・ホテル (2014年レンタル開始)

 
以上がベストです。
一応次点に「ラッシュ」「ダラス・バイヤーズ・クラブ」「恋の渦」
「ミッドナイト・ガイズ」「プロジェクトX」等もあった事を記載
しておきます。


さて、1位が2008年作品と言う愚行を犯しておりますが、やはり
昨年観た映画で「最も印象に残り」「私的な観賞体験で、最もエグかった」
作品として、ちょっと揺るがない位置取りです。

最悪の物語にして、最高の精度。
観賞時に「精神的にエグ過ぎるからもう止めよう」と思わせた作品は、
私的にこれ以外は未だ御座いません。
もうオープニングのこの画が嫌過ぎる。


それでも観てしまう、しまったのは「地獄の三段落ち」展開の匠さ、
そし登場人物の造型と「人間とはここまで行くか」という、ある種の
究極性を孕んだメッセージ。

兎角、底の底まで突き抜けた傑作。断固オススメはしませんが。

2位のロスト・ボディは昨年の始めに観賞したのですが、ついぞ
これを越える「純粋なミステリー作品」は2014年出会えません
でした。

兎角、上手い。フェアでありつつ、読めない。
登場人物がそこまで多くないのに、やっぱり騙されて気持ち良かった
スペイン産の逸品。これは見つけたら是非どうぞ。

3位の死霊館も同じくホラーと言うジャンルで言えば、昨年の
始めに観たにも関わらず、これを越えるホラーは2位同様現れません
でしたね。
端的に言うなら、昨今の海外、ジャパニーズホラー、その良い部分を
無駄なくスポイルし、細部にまで行き届いた実に丁寧な演出で、「恐怖」を
描ききった秀作、そういう赴きです。

ビックリ演出ではなく、ジックリジットリ魅せる、お見事でした。

4位のきっと、うまくいく、インド映画。
普段は避ける陽性のドラマ、しかし抜群に面白かった。
多少の御都合主義はあれど、それを凌駕する膨大な伏線の数と、
それを回収する過程、素晴らしい。

「これも拾うの!」、と感心しつつ、普段は苦手なホッコリ全開な展開にも
ニコニコしながら十二分に楽しめました。
万人にオススメ出来る一本。

5位の悪の法則、これは超個人的に好きな映画。

分かります、評価が割れる、低い、イマイチ、分かります。
ただ、彼等が織り成す「会話」ではなく「対話」が兎角大好物で、
画も素敵でした。

物語的には特筆すべき点は御座いませんが、キャメロンディアスを
筆頭に「格好良い」と心底思わせてくれた映画。これぞ私的には映画です。

6位、ブランカニエベス、スペイン産。
スペインは良い作品多いですね。


白雪姫と白黒無声映画とスペインという国の色、それを実に
巧みに融合させた一本。
ラストだけ、納得は出来るのですが展開が少しおとぎ話に寄り過ぎての・・
というものでしたので、そこさえ整頓されていれば、完璧!と
言っていたかもな一本です。

7位はまどかマギカ。

言う事は2つ。
先ずは劇場版前後編だけでも初見さんは楽しめる。私がそうだったから。
もう一つ、最初の20分「我慢する」。
もうね、萌えが理解出来ない私には「何で一人で恥ずかしがってるんだよ」と、
35歳が夜中に苦悩した姿、一人で観て良かった。

脚本が素晴らしいです。着地には心底ビックリしました。その発想は無かったと。

画で敬遠されている方、20分だけ耐えていただければ、満足出来るかと。

8位、地獄で何故悪い。

園子温監督作で最も好きな一本になりました。
やるとこまでやったバイオレンスコメディ、笑える程に
血が出ます。血の海でスライディングするし。

ラストも好きでしたね。
これは映画、そういう含みを持たせつつの余韻、素晴らしかったです。

青臭すぎるのがほんの少し引っかかりましたが、異常に楽しかったので
全く問題なし。

9位も邦画、ばしゃ馬さんとビッグマウス。

これは私的に「東京で目標を追いかける人々の物語」、その
リアリティが凄まじいと実感したので。

目指しても、届かない。
その過程を、真実細かな部分まで徹底して描いてました。
チャリンコ演出は心に痛過ぎる、私も良くやったから。

麻生久美子さんを一気に好きになった一本でもありました。

10位グランド・ブダペスト・ホテル。

これは最近観た映画。
可愛すぎる、しかしながら整頓、計算された画作り。
加えてその中を進行する堅実な物語。

芸術性が高い映画は、「で、何なんですか」という不時着を多々
起こすきらいがありますが、この作品は画と物語の融合を、
エンタメとしてのバランスを見事とっていると思います。

ブルーレイで、是非是非。



うーん、長い、やはり長い。

ワーストまで行こうと思いましたが、次回に持ち越します。

朝だ、2日だ、やはり寝よう。










「地獄でなぜ悪い」にあって「ガッチャマン」に無いものを、映画ランキングしつつツラツラ綴ります

2014-04-02 06:28:20 | 映画ランキング
お早う御座います、朝です、鼻水が駄々漏れです。

昨日黒木渚のアルバムを購入し、その感想等も近々グダグダ書いていきたいと
思っておりますが、今回は差し当たって習慣の勝手に映画ランキングでも行います。

最近は「見えてる地雷」を避ける傾向が強く、結果的に大ハズレが少ない観賞傾向に
ありますので、先月もワーストは特にメタメタに書き殴りたい逸品は御座いません。

あ、ガッチャマンは「見えてる地雷」で久々に踏みに行き、やはり爆死。酷かったです。

ともあれベスト3本から


1位 地獄でなぜ悪い    88点
 
2位 劇場版魔法少女まどかマギカ  81点

3位 殺人の追憶      80点


うーん、凄まじいラインナップな3月でした。
因みに上記に加えて二本ドキュメンタリー映画も好印象でしたが、映画というか
その人物を知る映像だったので、除外しておきます。

作品名は「ノーコメントbyゲンスブール」と「情熱のピアニズム」、オススメです。  
 




1位の「地獄でなぜ悪い」。画像は血の海スライディング、素晴らしい。

簡単に書くと、物凄く勢いがあるバイオレンスコメディ。
なんですが、日本映画へのオマージュが盛り込まれ、映画に対して、作品に対しての
愛情や敬意をかなり感じる、私的には園監督の中で一番好きな映画になりました。

勿論全編面白かったのですが、やはり後半の長時間戦闘シーン。
ここが昨今の邦画では中々お目にかかれないクオリティの「馬鹿全開のぶっ飛んだ殺陣」が
炸裂してますので、爽快感とワクワク感が満載でした。

誰が何時死ぬのか分からない、最高です。

同時に作品全体で現在の邦画への危惧、皮肉もメッセージとして挿入。
この作品ならば、十分に説得力があります。

そしてラスト。私的には好きな終わり方、良い余韻でした。

やるならば、本気で馬鹿を、そして出来る限りの愛情と敬意を。
そんな意気込みがビシビシ伝わってきた一本でした。

オススメです。


2位は「劇場版魔法少女まどかマギカ」。

職場の同僚に話したら「遂にそこまで逝ってしまったか・・」と言われ、悔しいです。

いやいや、面白いです、良く出来てます。

正直序盤のキラキラ展開で停止を押そうか何度と無く葛藤しましたが、そこを乗り越えれば
私的にはど真ん中クラスの内容でした。

ビジュアルが所謂「萌え」ですが、どっこい中身はしっかり「燃え」ていて、脚本も
かなり綿密。というか脚本が素晴らしかったです。

魔法と少女は使ってますが、基本的な主張はもっと人間の根源的な部分でしたし、その問いかけや
進行方法もお見事。

伏線からのループ演出はなるほど、と思わず唸りました。
後は魔女のビジュアル、これは画的に好きでした。おぞましくも、格好良い。

後は選択と決断。
主人公の行く末、その飛躍具合にもヤラれました。

全く萌えなかったですが、十分に楽しめた一本。
ビジュアルで敬遠されている方、勇気を出してトライしてみて下さい。

私的にはかなり驚いた作品でした。


3位は「殺人の追憶」。

これはずっと前から気になっていた韓国映画。
実話ベースで、事件が解決しない、そんな前知識で望んだのですが、興深い一本でした。

韓国映画の特色は私的に「生々しい暴力」がその一つだと捉えていますが、この作品は
それを随所に散りばめ、あれよと言う間にそれ自体を問題に「いつの間にか」している
という、かなりトリッキー且つお上手な一本でした。

前半の暴力描写はどこか可笑しく、事実笑ってしまう場面も多々あるんですが、後半に向かうにつれ
そのベクトルが変化していき、着地は暴力に対する虚しさと警報、うーんお上手。

救いの無さ全開の韓国映画も勿論突き抜けていて好みではあるのですが、それ自体を物語全体の
構造で何気に否定する様な上手い作品もあるのかと、改めて感心しました。

というか、ポンジュノ監督と言う方がかなりインテリジェンスに溢れているのでしょうね。

観る度に発見があるだろうと確信できる一本でした。オススメです。



ワーストはサクッと。


1位 ガッチャマン       20点

2位 キャリー(リメイク)   40点

3位 グランド・イリュージョン 45点



うん、やはりガッチャマン以外はそんなに外れていない3月でした。
ので、キャリーとグランドイリュージョンの感想を先ずは少し書きます。

グランドイリュージョン。
これは前半滅茶苦茶ワクワク出来ました。
セットも豪華、役者も豪華、お祭りだなあと。しかもマジック演出楽しいし、ナイスエンタメと。

ですが、お話が進む毎にマジックの要素が削がれ、メンタリストが無双し、ついにはカーチェイスと
肉弾戦をセットで行う始末。

カーチェイス自体も目新しさが皆無だし、肉弾戦はトランプ投げて攻撃するし、何か効いてるし、
何だかなあと。

メンタリスト無双というお話のアンバランス、プラスマジック、イリュージョン演出を
余り押し出さない展開。

もっとエンタメ、視覚的に突き抜けて欲しかったなあと。
最後のドンデン的な演出も、私的には蛇足且つ強引に感じました。
幾らなんでもそれは「強引な驚き」、アンフェアでしょうと。

ある程度は楽しめたのですが、消化不良な一本でした。

リメイクキャリーに関しては、主演のクロエさんが可愛い、これが既にアウトで、
悲壮感や閉塞感が皆無。
オリジナルと比較しなくても、全体的に彼女を追い込む描写が温く、クロエさんがプロムで狂乱する
説得力が大きく欠けていたかなあ、と。

後は終始可愛いので、プロムで美しく豹変する主人公、その変化、ギャップも乏しい。

演技云々ではなく、単純にミスキャストの香りが漂いまくった一本でした。
まあ、可愛かったから良いです。


で、ガッチャマン。

これはmixiのレビューでも書きましたが、序盤の戦闘は本当に好きでした。燃えましたし、
ちゃんと観れると。

その後がもう駄目でした。
地球の半分を制圧されているのに、日常描写に一切の危機感が無く、何か戦後の風景チックなのに、
セットは小奇麗。

中盤は不必要過ぎる恋愛展開にうんざりし、意味不明な仮面舞踏会で失笑。

ラストの戦闘は暗くて序盤の素晴らしさは忘却の彼方へ。それ、岩じゃなくて発砲スチロールですよね?

旬の俳優を使って、恋愛要素を入れる。それはガッチャマンでやる事ではないかなあと。



急に変態仮面の画像を貼りましたが、好きな作品です。

これは「地獄でなぜ悪い」でも書きましたが、「真面目に馬鹿をやる」から面白く、熱も伝わって
くるんです。
変態仮面、確かにかなりチープでしたが、主人公の出で立ちは完全に原作に忠実、完全に一致。

ガッチャマンにも出てましたね、この方。お疲れ様でした。

ガッチャマンを観てやはり思ったのは、作品に対して愛情と熱意と敬意が感じられない、という事。

本当にこの人達は、作り手はガッチャマンを撮りたかったのか?大好きなのか?と。
これは精神論みたいに取られるかもですが、結果的に画面に映される物語は、そういう作り手の
熱量もしっかり反映すると、私は信じています。

まあ、お話によりけりですが、こういうアニメ原作とかならば、いよいよですね。

原作レイプ、良く使われる言葉ですが、また一つそれに当てはまる作品が不幸にも誕生しましたね。

今年は寄生獣という私的に大好きな漫画の「実写化」が待ち構えています。

決定みたいなので、後は原作を愛している方が熱を込めて撮ってくれる事を、唯々祈るばかりです。
それならば、変態仮面の時と同様少し粗が見つかっても、頑張ってるなあと笑顔でスルー出来る
筈ですから。

いや、テーマが違うから無理かも。
まあいいか、兎に角良い作品を期待しております。

鼻が痛い。ウエットティッシュ買いに行こう。

朝だ、眠い、おやすみなさい。











2014年開始直後に、2013年の私的な映画ランキングを年間ベスト・ワースト10作品選びました

2014-01-02 03:02:24 | 映画ランキング
こんばんは、2014年が始まりました。

明けましておめでとうございます。
昨年も沢山の方々に支えられ、何とか生き延びた一年でした。

ここを覗いて下さる方も含めて、先ずは多大なる感謝を。

そして、今年も宜しくお願いいたします。

と、形式ばった挨拶もそこそこに、いきなり少し毒を放出させて頂きます。

昨年の紅白、そして年明けの歌番組、結構真剣に聴いていたのですが・・

まあ・・何と言う歌唱力の低さ。

業界の誰かが言っていた「歌が下手でもデビューできるのは日本だけ」というお言葉、
こんな暮れの大舞台で、その実体を晒してしまうとは・・

まともに唄えないのに、踊りながらはいよいよ無理だろ!と団欒の場で心中突っ込み、
日サロ行く時間をボイトレに使わんかい!と気持ち悪い、届いてない高音域歌唱にうな垂れ、
豪華なセットと衣装の中、主役であるはずの歌が唯一圧倒的低品質な状況に唖然とする。

いや、昔からそういう歌い手はいましたが、比率が物凄い事になってますね。

まだ怒れるという事は、淡い期待でも抱いていたのでしょうか、私は。
まあいい、黒木渚とアクティクに2014は集中します。黒木渚解散したけど。

勿論大御所を中心に「流石です」と思わず頭を垂れる唄い手さんも大勢いらっしゃいました。
同じ土俵で歌っている彼等、彼女等は、何も思わないのだろうか・・

いいや、勝手な2013年ランキングを開催します。

条件はシンプル。2013年に初めて観た映画、そのベスト、ワースト10を決める。

早速ベスト10からサクッと書きます。

1位  アイアンマン3 (3部作のあわせ技)

2位  スーパー!

3位  マーターズ

4位  アルゴ  

5位  シュガーラッシュ

6位  ミッドナイト・クロス
 
7位  その土曜日、7時58分

8位  キャビン

9位  桐島、部活やめるってよ

10位 ゼロ・グラビティ

次点 ぼくのエリ200歳の少女・クロニクル・声をかくす人・劇場版銀魂、完結篇


以上です。
一本一本書いていくと終わりが見えないので、掻い摘んで、端的に。



画像は1位の「アイアンマン3」。アイアンスーツにグラサンドヤ顔、素晴らしい。
これはもう・・トニースタークというキャラが大好きになった、そこで勝負アリ。

元来、「ダークナイト」位しかアメコミ系を観ていなかった私が、アイアンマン1の開始10分で
「あ、俺このキャラ大好きだ」と成ってしまったのが運のツキ。

トニースタークというキャラに、ロバートダウニーを配した時点でこの映画の勝利は確定してました。

キャラキャラ言ってますが、内容も丁寧。
何より、シリーズ物の弱点である「回を重ねる毎にパワーダウンする」という定石を、
アイアンマンはぶち壊してます。3、堂々たる完結篇でした。

文句無しに面白い。アメコミ喰わず嫌いな方、是非どうぞ。最高のエンタメ作品です。

うーん不味い。このペースはマズイ。もっとシンプルに。



画像は2位のスーパー!年末観賞した作品。この画も観賞後だと、切ない。
「何故捕まらない」、その一点さえ許せれば、映像的説得力と心情の揺らぎを完璧に
持ち合わせた作品だと思います。パッケージで損してます。キックアスのまがい物みたいです。
レンタルのジャンル分けはコメディですが、笑えません。笑えるの序盤位。しかも黒い笑い。

ともあれ、ヒーローを実際にやっちゃったら・・というリアリティに溢れまくった一本。

3位の「マーターズ」。これも年末観賞。

数多の映画体験で、現在私的な「絶望した」ランキング1位の作品。
三段階の物語構造、上手いんです。上手いからこそ、効くんです。
オープニングの血まみれ少女疾走の画から既に「嫌だな」と思わせる、凄まじい映画。

オススメしません。フリではなく、観ちゃ駄目な映画だと思います。ショットガン、驚いた。

4位の「アルゴ」

好きな監督の実話ベース作品。アカデミー作品賞獲りましたね。
緊張感の持続。やり過ぎな演出もありましたが、それでも「映画観てるなあ」と思わせる
少しクラシカルな画作り等、丁寧で引き込まれる一本。
飛行機内での溜めて電話、お見事でした。

映画が実際に人を救う話を映画で採り上げる。素敵な話じゃないですか。

5位「シュガーラッシュ」、アニメですね。

これは、本当に脚本が完璧だと思いました。
隙が無い、しかも十分に面白い。
「ヒールの集い」でザンギエフさん出席。見た目重視ですか。笑いました。

大人が観ても唸り、子供が観ても楽しめる一本。家族で是非。

6位「ミッドナイト・クロス」

トラボルタファンとして未観賞だった一本。
この映画は、中盤「あれ・・監督投げた?」と思わせる雑さがありますが、
終盤の花火からラストの流れが兎角素晴らしい。

あんなに上手くて切ないラストはそうそう拝めません。古い作品ですが、是非。

7位「その土曜日、7時58分」、残念家族の残念話。

と書くと間抜けに聞こえますが、内容はその駄目さの描き方が実に人間臭く、
実在しているかの様なリアリティ。
自滅型転落物語ですが、時系列いじり系の中でも屈指の逸品かと。

兄の室内破壊シーンは、私的な名場面です。面白いです、是非。

8位「キャビン」、ホラーですね。

ホラーと言ってもややコメディも入ってます。
所謂「お約束崩し」、その決定版かもですね。
兎に角楽しい、観ていて楽しい。監視役が陽気なお馬鹿で楽しい。
ホラーが苦手な方でも、これを逆に入り口にして頂きたい一本。

言い争いからの「テキーラ!」、最高に笑いました。オススメです。

9位「桐島、部活やめるってよ」、邦画で唯一ランクインですね。

青春ものなど歯牙にもかけない私が恐れ入った作品。
高校生活がリアル、友人関係がリアル、校内ヒエラルキーがリアル。
しかも桐島という人物を用いて、作品のど真ん中に鑑賞者への「思考の穴」を残す。
こういう作品、もっとジャンル違わず邦画で出てきて欲しいものです。

神木君の廊下ダッシュが切なすぎる一本。高校生活送った方、どうぞ。

10位「ゼロ・グラビティ」、年末駆け込み映画館3D観賞。

これは・・凄い映像美。
で、単なるアトラクションとしては凄いという意見もありますし分かりますが、
内容もかなりカッチリ作ってあると、私的には感じました。

「生への執着、その偉大さ」、根源的且つベタなテーマですが、最後の最後まで
「溜め」を作ってますので、ラストがいよいよ活きる。

主演のサンドラブロックさんの演技、そしてあの生への執着の無さ、意義の見出せなさ、
そういう生々しいキャラも上手いと思いました。

これは劇場で是非。多分まだやってます。


良しベスト終了。ワーストはもっと端折ります。
先ずは順位。

1位  クソすばらしいこの世界
 
2位  ムーンオブザデッド

3位  シー・トレマーズ

4位  ザ・チャイルド

5位  人体実験 EX-6

6位  クロール

7位  地球最後の男

8位  ザ・スピリット

9位  藁の楯

10位 ワールドウォーZ


以上。マイナーすぎる作品は一言で。


1位の映画。

馬鹿大学生が夏休みに~のベタ設定を日本人がアメリカを舞台に!という期待作。
結果は王道を全く踏襲せず、捻ったつもりが駄々スベリしている、脚本から
撮り方まで全てが安く残念で穴だらけな一本でした。

ホラー、スプラッターファンは観賞を避けて下さい。

2位のゾンビもの。

暗い、画面が暗い。ゾンビじゃなくて白塗りの変態。
まあ、暗いを差し引いても、ただただ逃げてホンワカエンドという殺意が湧く一本。
確か90分位ありますが、70分位は「ちょっと何やってるかわからない」状態です。

パッケージが無駄に格好良いので、トラップに注意して下さい。

3位「シー・トレマーズ」

見せ場は開始5分、お姉ちゃんのオッパイポロリ。そこだけ映像のクオリティも高い。
引っ張って引っ張って・・大ボスが”かなりでかいザリガニ”。笑えません。

時間が経過する毎に物語と映像の精度が下がる一本。パッケージが格好良いのでこれも注意。

4位「ザ・チャイルド」

リメイクらしいです。オリジナルは未見。
うん、この主人公夫婦、善人設定ですが、婆ちゃんに助けてもらって婆ちゃんを見捨てる、
そんな鬼畜行動をやってのけます。

脚本も魅せ方も酷かったけど、この夫婦に同情できませんでした。

5位「人体実験~」

舞台はサウナ。美女が一人。
美女は序盤に死亡、萎える。
というか、良い大人がサウナで協力して脱出出来ないどころか、殺し合いまで始める。
そこに至るまでの描きが、とてもじゃないが無理がありすぎ。常に「協力したら、出れるよ」
そんな思考が付きまとった一本。多分もうお店に無いでしょう。

6位「クロール」、ツタヤ限定。

「ノーカントリーに匹敵!」、この殺し文句は今作品に致命傷を与えました。
「どう?この演出格好良くて意味ありげでしょ?」なニオイが充満する一本。
その実、中身は空っぽ。ノーカントリーに108回土下座して下さい。

7位「地球最後の男」、SFです。

延々孤独とは?生きる事とは?というテーマを、誰もが思案したであろう範囲の
言葉と緩い画で展開し続け、挙句最後にそれを救うのは・・ネタバレしますね、下に

でっかい文字で「LOVE」、何じゃそらと。そう思った一本。便利な言葉ですねラブって。



8位「ザ・スピリット」

「シン・シティ」という凄まじく格好良い作品、それを撮った監督の一本。
シン・シティを極限まで薄めて格好悪くした、そんな一本。
主人公、悲劇的なまでに魅力が無い。

上の画像、左が主人公。変態紳士にしか見えん。
因みに真ん中の美女は連ドラ「キャッスル」の女刑事さん。
キャッスルは面白いです。キャッスル、オススメです。

9位「藁の楯」、邦画ですね。

この作品は名作セブン的な場面と、最後藤原君の「スゲエ・・」、この二箇所は
凄まじく良い、のですが・・

それを軽々と凌駕する脚本の致命的な穴穴穴、正に穴だらけ、御都合主義だらけ。
「10億の男」、実際にその状況ならば、と考えると、いやいやいや、の連続でした。

三池監督は時代劇をもっと撮って欲しいです。
「十三人の刺客」、オススメです。



10位「ワールドウォーZ」、絶賛レンタル中、残念ながら盛況です。

これは先ず「ゾンビ映画として考えると」、0点に近い。
唯一見せ場のゾンビ群、これが視覚的に新しかった、それ位。

上の画像、ブラピ一家の嫁と娘、超安全圏、絶対的セーフティ、ゾンビ要らんわ。

この映画の駄目と思った箇所は、過去にもう書き尽くしたので割愛。

で、レンタル、滅茶苦茶回ってる、売れているんですが、確かに配給会社が
「ゾンビ物っていわないで!」とお達しした行為は商業的に成功してます。

だって、ゾンビって書いてたら、ここまで売れて無いです、絶対に。

ただ、ゾンビを取っ払っても「無敵のブラピ」始め、凄まじい残念脚本だった事は
確信しています。

ペプシの違和感も忘れません。


以上が2013年の勝手に映画ランキングでした。

そういえば、昨日ひいたおみくじで「まちびと      きません」
という非情な一言を突きつけられ、少し笑いました。

今年もそんな一年なんだろう。

寝ます、おやすみなさい。

良い一年を。















新作「クロニクル」を待ちつつ散々だった11月の映画観賞をランキングで振り返る

2013-12-02 03:52:49 | 映画ランキング
こんばんは、既に暖房にホットカーペットという完全防備、軟弱な男、シャワーも限界です。

さて、11月は音楽的に恵まれ、映画的には散々な状態で、後半は安パイを何本か観てしまうという
ヘタレ観賞まで行うという異常事態でした。

まあ、音楽的にとは書いてますが、結局好きな映画のサントラ何枚か手に入れたという結果なので、
映画には絡んでますが・・視覚的な満足が極端に得られなかった一ヶ月でした。


しかしまあ、こんな月もあるという事でウダウダ言わずに勝手にランキングを懲りずに開催。


サクサク行きます。先ずはベスト。

1位 ギャラクシークエスト 85点

2位 トロピックサンダー  80点

3位 サウスパーク劇場版  75点


うん、新作全く無し。

北野版座頭市も観たのですが、これは既に何回か観ていたのでノーカウント。





先ずは1位の「ギャラクシークエスト」。

前々から評価が高い作品なので観ようとは思っていたのですが、ビジュアルとSFコメディという
未知のジャンルにより、中々手付かずでした。

そんな時に知人からのオススメ。背中を押されれば観ます。月末で当たりも無かったし。

結果的に相当面白かったです。nさん有難う御座います。

ビジュアルで敬遠されている方、観れば分かります、面白いです。
というか、かなり良く出来てます。

上の画像は異星人達。外見が絶妙に人間離れしてます。

ギャラクシークエストという地球の連ドラを観た異星人が、本物と勘違いし、憧れ、技術を真似する。

ここが先ずお上手。
異星人設定でありがちな「何で?」という突っ込みを「いや、真似してますから」という真っ当な理由で
見事回避。しかもそれを最大限活かしてます。

基本的には過去の栄光で食いつなぐダメ人間の再起、そういう物語なのですが、ダメさと成長の
運び具合がスムーズで気持ち良かったです。

冒頭の楽屋の退廃感は元箱の人間からすれば驚くべきリアリティだし、営業回りの侘しさも悲しい。

まあ、名作と言われる作品ですので、私が細々書いても書き尽くされてる事でしょう。

ベストはどれもこの言葉が当てはまりますので、やはりサクサク行きます。

好きなシーンでも挙げておきます。

・やはり楽屋。生々しいです。
・液体を纏って宇宙旅行、この発想は楽しい。
・「切って!」のゼスチャーで切ってない。あるあるネタでした
・ラスト付近の花火。ここは色んな提示があって、とても良いシーンでした。

あれです。兎に角脚本が見事で、コメディとしても再起の物語としても素晴らしい作品で、更に積み重ねの
裏切らなさ、そういったメッセージも込められていて、それを軽く魅せて飽和していない。

チープを利用している点も良いしなあ・・
キリが無いので止めます。是非ご覧あれ。
珍しく元気になる作品をススメてみます。


2位「トロピックサンダー」



この作品も以前鑑賞していて途中でディスクが止まり、それ以来ご無沙汰だった一本。

なので、面白さは織り込み済みでした。安パイ観賞バンザイ。

まあ、ともあれモラルハザードの馬鹿映画。
その馬鹿具合は上の画像の俳優、その容姿一発で理解できるはず。

トムさん、何してるんすか。

ロバートダウニーは黒人役になり、トムさんはチビデブハゲの残念バリューセットで出演。

会話も危うい。
「知恵遅れなだけじゃ賞は獲れないんだよ」、完全にアウト。

うん、やはりこの作品も1位同様、私が細々書いても既に書き尽くされてる事でしょう。

好きなシーン挙げます

・冒頭のCM。「アルパ・チーノ」で掴みは完全にOK。アル・パチーノは許したらしい、流石
・フェイク映画予告。無駄にクオリティが高い。だがそれがいい
・トム無双、最後のダンスまでやり切る

で、ミクシィレビューでも書いたのですが、所謂イケメン、アイドル俳優がこういう「突き抜けた馬鹿」を
やると、途端に同姓としては「愛すべき馬鹿」として愛着が湧いてしまうんです。

無条件に応援したくなります。

日本の事務所の方も、こういう思い切りを魅せて欲しいなあ、と。

小栗旬の変態仮面、観たかった。

トムさんは映画「ロックオブエイジズ」でも突き抜けてますので、こちらもオススメです。
お馬鹿な役ですが、完璧な肉体を作って、素晴らしい歌を披露しております。

トロピックサンダーはお馬鹿アクション、ロックオブ~はお馬鹿ミュージカル、
どちらもオススメです。


3位は「サウスパーク劇場版」

はい、これも既に知っていた作品です。
しかし劇場版は未見で、そんな時仕事場の洋楽先生から借りた一本。

不謹慎の全部盛り。そんな作品。

不謹慎さではトロピックサンダーを超えます。

何せアニメですが、不謹慎な「子供」が延々暴れる、そんな作品なのですから。

・・まあこれも既に書きつくされてますので・・

・カナダ人の扱い
・サダムとサタン
・ユダヤと黒人

ここら辺が素晴らし・・いや不謹慎さが特化しています。

ともあれ、何が上手いって書いたとおり「子供」にそれらをやらせる事によって、残虐、残酷性が
グンと増す、それを重々承知でやりやがっている所ですね。

笑えなくてもその人の気持ちは理解できる一本。
突き抜けるとは正にこの事。オススメ・・は控えます。

因みにこれが笑えたら実写版サウスパーク的作品「ボラット」と「ブルーノ」もお試しあれ。
こっちも酷いです。



で、ハズレの11月でも、更にその中のワースト。

1位 クソすばらしいこの世界 10点
 
2位 ザ・エンド       15点

3位 ソウザファイナル    30点





3位の「ソウザファイナル」は・・「観なくて良い」とストップをかけられたのにも関わらず、
ソウ3以降を制覇した私が悪いと思っております。

まあ・・酷い。

ソウシリーズ、1が私的な傑作で、2は「グロイだけに成ってきてないか?」と懸念し、そこで一旦
観賞を止めてました。

で、今月動かさなくて良い時計の針を再始動。3から一気にファイナルまで。

3以降の全体的な感想は概ね「グロイだけ」「伏線じゃなくて、後付け」「回想がアンフェア」、
この三点に集約されてました。

しかしながら、拷問描写は良いので、もうそれだけを楽しみに観賞し続けての、ファイナル。

3Dって考え物ですね。

冒頭の「カマシ」シーンの血がペンキっぽくて、演出自体が「フェイクか真実か」だったので、
「血がペンキやん、じゃあフェイクか」と思ったら・・全編その血を使用。リアリティ皆無。
しかもカマシシーンは以後全く意味無し。

結局あのシーン、フェイクかリアルか分からず仕舞い。ここで既に萎える。

で、「3Dだぜ!ヒャッハー!」と聞こえんばかりの「こっちに向かって物が飛んでくる」演出が満載。

いや、リアルタイムで観なかった私が悪いんだけど、余りに2Dにした際の配慮が無さ過ぎないかい?

あくまで結果的にですが、以上の様に先ずは視覚的にお粗末。

加えてファイナルは観続ける最後の動機だった「拷問描写」まで破綻。

画像のシーンではドリフみたいなやり取りの後、敢え無く馬鹿女死亡。
「そら死ぬよ、だって五月蝿いもん」と半笑い状態。

板渡りのゲームもお粗末。
突っ込み所ばかりがありすぎて、緊張感は全く無い。

トドメに窓からジグソウ人形バーン!所謂ビックリした?演出。
3D効果を狙ったのでしょうが、ビックリ演出に頼らないのもソウの好きな所だったのに、簡単に放棄。

話の落とし方は最早お家芸の「実は・・・こうでした!」エンド。最後まで後付け。

流石のファイナル。見事な晩節汚しでソウは幕を閉じました。
続編は止めて下さい。


次、2位の「ザ・エンド」

ツタヤ限定。相変わらず地雷率が高い。働いてるから余計に腹立たしい。

終末系、世界の終わりのお話なのに、最大の見せ場が

「野良犬10匹位に追いかけられて、チャリンコで逃げる」

これは如何なものでしょうか。

基本静かな進行なのは分かります。そういう趣の終末系はあります。
ただ、その静かさを全く活かしてない。

静かだからこそ迫る空恐ろしさや、襲ってくる虚無感、人間の無力さ、何一つ御座いません。

人が突如消えても理由は探らない、そこまで驚かない、取りあえず歩く。

危機感が全く無いんです。緊張感も、それこそ終末感も。

なので、そんな中のワンちゃんとの逃走劇は、カラッと乾いた笑いが思わず発生しました。

ラストに一応「人は人が居てこそ~」的な事を言いやがるんですが・・

じゃあ、そういう描写をちゃんと盛り込まんかい!と。

まあ、観なくて良いと思います。避けて欲しいレベルです。


最後、1位は「クソすばらしいこの世界」。




この作品、期待してたんです。

休みに馬鹿な学生が別荘に行って~というお約束を、日本人と韓国人で、しかも舞台はアメリカ。

その設定と前評判にワクワクしておりました。

いやあ、終始酷かった。これは酷い。

以下は私のミクシィレビューからの引用です。





冒頭の車強盗の「カマシ」シーンで不安になる。

ヌルイし、ユルイ。

設定はアメリカに居る馬鹿な「日本人留学生5人と韓国人1人」
が、休みに別荘へと遊びに。韓国人は利口設定。

王道に人種の変化をつけているんですが、活かせた点は
ほんの少しの文化の違いと、言葉の壁。

まずここで、馬鹿大学生の描き方が余りにステレオタイプ。

ちぇけらっちょな格好して、「ヨーヨーヨー」とか、
今更無いわ。馬鹿に見えない、陳腐に見える。

変化つけてるのだから、そこはもう少し今時の
頭の悪さを提示して欲しかった。

ネタバレ全開で行きます。





で、白人強盗兄弟が馬鹿日本人に「強盗殺人の証拠」を
見られたと勘違いし、皆殺し計画スタート。

しかし、馬鹿大学生の居場所を突き止めた理由は
一切描かれない。何となく見つける。

ユルイ。

逃走シーン。
女、逃げる。白人弟、追う。

その間、二人の顔交互にアップで「ハアハア(走ってます)」、
効果音。これが長くてかなりテレビ的。

劇場で観たら一層萎えた事でしょう。
アップが悪いわけじゃないけど、無駄に長いし安い。
白人兄を殺すシーンもこれと全く同じ撮り方。うーん。

中盤に超展開。ゴロゴロ坂を二人で転がって、
体が白人弟と馬鹿日本人入れ替わる。
因みにこの時の「ゴロゴロ」も長い。しかもスロー。
無駄しか感じない。


まあいい。この超展開、どう活かす?

お、グロはそれなりに魅せる様に成ってきた。
ただ・・足りない。ドリームホーム昨日観たし、
笑えてショッキングな画作りは皆無。

「お、そういえば!」的なノリで一箇所残虐描写に
陽気な音楽を当てる。あからさま過ぎて乗れない。

ロンゲ日本人男、結構時間かけて惨殺される。
殺しが終わったのを待って皆避難開始。空気が読める。
もっと早く逃げんかい!律儀すぎるわ。

というか、攻撃しようという思考や行動、その
描写が一切無いのもユルイ。流石にどうにかなる状況。

で、入れ替わった白人弟。体は日本人の女。

自分の境遇に嘆き、絶望し・・何故か兄貴の
足を斧で叩く。結果韓国人助かる。

ねえ、何で攻撃するの?信じてもらえないからって、
そういう納得のさせ方、ないでしょ。

動機が弱い、というか全く納得出来ない。

終盤・・

結局「ニッポンのゴス女」魅せたいだけかい!展開に唖然。

その後、白人弟が「私よ・・エリカよ・・」と人格が戻る
”演技”を”英語で”開始。

おお、馬鹿日本人設定、ここで活きるのか!
彼等は英語が喋れない!その事を襲われている
韓国人は知っている!

嘘だぞ!そいつ英語喋ってるから!フェイクだぞ!

・・信じちゃったよ。超展開全く活きてないよ・・

最後も「ぼんやりドンデン」からの上から惨殺撮影。
ここもユルイ、というか手抜き。


酷い作品だと思いました。

王道を捻る。その発想は良いのですが、王道を
捻るなら最低限のプロットと画作りは必須。

安い、ユルイ、甘い。

残念な3拍子が揃った残念な一本。
しかも、王道踏まえてるので、いよいよそれらが
一層浮き彫りにされてます。

観なくて良いかと思われます。避けて欲しいです。


以上が私のミクシィレビュー。


基本私的な自己分析では、星1つ映画の際、徹底的にシーンを挙げて叩く、という傾向があります。

相当突っ込んでます。未だ仄かに残るガッカリ感、本当にダメな映画だと思いました。

王道をなぞれもしていない癖に、踏まえた様に見せかけ、更に奇をてらった結果、大惨事。
そういう一本。


駄目だ、普段は知らないが、今回は一層冴えない。

低体温な文章だ。

12月は早速待っている作品が盛り沢山なので、そこに心を置きにいきます。

朝だ、寝よう。

お早う御座います。















フッテージから死霊のはらわたリメイクまで、ホラー豊作だった10月の映画鑑賞ランキング

2013-11-01 08:07:16 | 映画ランキング
お早う御座います、腰が痛い痛い週一でフットサルをやる男、コルセット下さい。

「イメージとパフォーマンスのズレ」を痛感する30代中盤、未だ走れますが
妙な場面でこけたりもします。うむ、衰えとる。

まあ、私はキーパーなのでそこまでの運動量は必要ないのですがね。ふはは。

さて、先日ラジオで「俺が思っていた展開とラストじゃなかったから金返せ」話を聴いて、
映画に求めるものは各々違うんだなあ、と改めて思います。

私は驚きと上質な裏切りが欲しい人間です。
というか、上記のクレーマーが存在するという事実が恐ろしいですな。

まあいいや、今月も勝手にランキングします。

ベストから

1位 フッテージ      82点
 
2位 NO ONE LIVES     81点       
  
3位 潜水服は蝶の夢を見る 80点


ええ、細かく刻んでますね、1点ずつ。基本横並びなのですが、順位をつけるとすれば
こういう順番かなあと。



1位「フッテージ」

画像は「豪快な前フリから豪快に息子登場」シーン。面白怖いわ。

言ってしまえば超正統派ホラー。

ただし、怖がらせ方が「ギャーッ」だの「アッー」だの驚かせに逃げて無く、
プロット、音楽、演出、心霊描写、全てが高次元。

そして何といっても霊の造型。潔すぎるし、くっきり怖い。
「志村後ろ!」よろしく「イーサン後ろ!」な演出の按配と使い所も秀逸。

画像も含め、「やり過ぎて思わず笑うけど、怖い」演出が多く、好きでした。
ただ、この笑いは作品クオリティの高さから来ているのは間違い無いです。そこはあしからず。


悪しき魂のリレーという核があり、その魂が行う儀式、 ビジュアルが気味悪く、
良い仕上がり。

BGMも気味が悪い選曲を一々儀式毎に変えており、 ナイスなこだわり。

過去の栄光を取り戻したい、でも・・という主人公の家庭と仕事、
その天秤、ジレンマも収めてます。
独身と既婚、その意識の差も何気に提示しており、好印象。

後はラスト。
前述した様に「潔い心霊描写」が続いていたので、 展開は納得出来、
「そこは割り切って」という作り手の意思も伝わった上での容赦無き連鎖。

ここもビジュアルが素晴らしかったです。

べた褒めから一転、大ラス。

あれは・・蛇足かなあと。
私的には90から80まで下がる残念な締め方でした。

ただ、そこ以外は本当に緊張感と興味が尽きない秀作です。穴もありませんしね。
全てのホラー好きの方、是非是非どうぞ。




2位「NO ONE LIVES」

日本人監督ハリウッド二作目。
画像は「人の皮を被った人が臓物引っさげて豪快に登場」シーン。笑いました。

兎角殺人描写に美学が感じられ、貫き通す監督。

冒頭のダイナミックな掻っ攫いシーン一発で「こりゃあ面白くなる」と確信させて
くれました。

で、「エマは生きてる」というメッセージからの「NO ONE LIVES」ドン!
このタイトルの出方、素敵でした。

後はもう・・一体どんな殺し方が待っているのかとワクワクです。
不謹慎ではないです。映画ですから。ワクワクです。

で、拘束されながら自ら斬られに逝く、首絞めてるのに首締められてる的な画、
玄関前に「やりおったミートバッグ」配置等、フレッシュ且つこだわり溢れる描写が
次々登場。良いです、凄く良いです。

内容に関してはシンプルだけどある程度の説得力とカタルシス、多少なりとも御座いました。

ラストも良いですね。

残念ポイントは鑑賞者の想像力任せ、要はミステリとしては少し足りない点と、美人が居ない。
後者は私的なエゴまみれなので無視で構いません。

ただまあ、テンポも良く、本当に殺し方を眺めるだけでも価値の有る作品だと思いますので、
グロ大丈夫な方は、見つけたら是非どうぞ。




3位「潜水服は蝶の夢を見る」

実話ベース。
左目の瞼だけしか動かせず、それでも聴覚と視覚、 そして思考能力は残っている。

そんな絶望下で、大手ファッション雑誌の編集長にまで登りつめていた男はどう生きるのか?

この作品は「重すぎるテーマを極力ポップに仕上げた」事が、私的にはかなりの
好感を得ました。

逆に「不謹慎」と論ずる方もいらっしゃるのは十分理解出来ます。

ただ、この話とほぼ同様の状態、テーマで撮られた20世紀の傑作「ジョニーは戦場へ行った」が
存在する以上、徹底的に追い込み、突き詰める行為を21世紀版でやっても・・という思いはあります。

「ジョニーは戦場へ行った」は私的に傑作なのですが、モノクロ+重すぎる内容なので
おいそれと人に勧められません。

しかしこの「潜水服~」はポップに仕上げて、且つ物語の主張はぶれないので、勧めやすい、
共有しやすい作品だと思います。美人さん沢山出るし。これ大事。

まあ、勧め易いという意識は現状の職種からくるものなのは否めませんが、こういった「重い泣かせ系」
の作品を上手に万人向けに仕上げ、鑑賞層の幅を広げることが可能な一本に仕上げた「潜水服~」、
私は好きですし、勝手に評価しております。

主人公を聖人的なキャラに描かない事を、しっかり「生きる為に大切な笑い」として活かしてます。

観て損は無い、沢山の方に観て頂きたい一本です。



長い。次ワースト。ザックリと無慈悲にいきます。

1位 「シー・トレマーズ」 10点

2位 「ザ・スピリット」  25点

3位 「顔のないスパイ」  35点





1位「シー・トレマーズ」

見せ場は冒頭10分。
カップルがイチャイチャ旅行を撮影→女が海でポロリからの・・

ここまでの流れ。本筋の入り口ですが、ここの完成度だけは良かった。

後は時間の経過と共に、画的にもお話的にもクオリティがズンズン下がるばかり。

最大の見せ場である筈の「その大きな物体」も「凄く大きなサソリですね」という始末。

パッケージに書いてある「ジョーズ」「遊星からの~」「ミスト」、これらの作り手に
菓子折り持参で広告代理店は土下座して下さい。

やはり名作で釣る作品は地雷率が高い。勝手にハードル上げるし。
観なくて良いと思います。観ないほうが良いです。



2位「ザ・スピリット」

どうですか、この色んなヒーロー混ぜました的な主人公。
全く格好良くない。魅力が感じられない。

私的な大好物作品「シン・シティ」の監督作。
最初、まがい物かと思ってましたが、本人が撮ってて唖然としました。

ミクシィにも書きましたが、この作品とシンシティとの決定的な差は、作品内の
世界で「死んでも良い」「死にたい」と思わせるほどの格好良さを備えているかどうか。

シンシティにはその魅力が有り過ぎて困る程の格好良さ、スマートさ。
ザ・スプリット。魅力が全く無い。住みたいとも思わない。

主役のキャラ、台詞回し、恐ろしく寒い狙ったであろうチープな笑い、徹底されていない配色、
煩わしい説明台詞と中途半端な音楽、全部格好悪い。

海外ドラマ「キャッスル」の主演女優さん目当てで観たのですが、目当てがあって
救われた一本。

ドラマ「キャッスル」、私的に海外ドラマ現状3本指に入ります。オススメです。


3位「顔のないスパイ」


伝説的な殺し屋が数年振りに復活し・・というお話。

ドンデンが二回用意されていたのは悪くなかったです。
でもそれだけ。

先ず伝説的な殺し屋の仕事が雑すぎて泣ける。
毎回証拠残しまくりで萎える。

で、そんな駄目殺し屋を数年前捕まえられなかったFBIとCIA、無能。
無能というか「数年前に捕まえたらこの話成り立たないから、捕まえてない」感が
漂いすぎてて、乗れない。

「お前だったのか」「いやいやお前もか」的な展開は嫌いじゃないのですが、
それを取り囲む脚本から音楽まで、全てが粗い、ユルイ。

ラストの「とある偽装」なんかは、この作品の精度の低さを如実に語ってました。

・・流石に無理だわ、その偽装は。


とまあ、散々腐したワースト後ですが、ホラーが豊作で基本は幸せな一ヶ月でした。
「死霊のはらわたリメイク」も、リメイクと考えなければ結構楽しめます。70点。

11月はサイレントヒルスタート、楽しみです。

朝だ、寝よう。

おやすみなさい。
いってらっしゃいませ。











アイアンマン3から藁の盾まで、9月の私的な映画振り返り

2013-10-02 09:18:17 | 映画ランキング
こんにちは、スーパーフライがベストを出し、椎名林檎もベストを出すこのご時世、
思わず発狂したくなる日々が続いている男、まあ仕方無いですねとも。

私の目下の生きがいは、最早黒木渚の新譜を待つ事のみ。

邦楽駄話は負の引力に引き込まれるので、さっさと9月の観賞振り返りでも。

ベスト3

1位 アイアンマン3      100点

2位 キャビン          85点
 
3位 グッドナイト&グッドラック 80点



もうワーストも書いときます。

1位 ムーンオブザデッド 10点

2位 バーク&ヘア    25点
 
3位 藁の盾       30点




画像はアイアンマン3。

前に結構書いてしまったので、端的に。


何といってもトニー・スターク、もといロバートダウニーJr 、その人間味を最大限描いた、
それだけで私的には既に大満足。

加えてシリーズ物、1,2、そしてアベンジャーズからの流れ、要素を確実に踏襲し、
お話としても最高のまとまり、精度を完結篇で魅せてくれた。

住所を全国ネットでぶちまけたり、「少し悪いと思っている」と僅かな成長?をみせたり、
ウサチャンで揉めたり、笑いどころは数知れず。

私的には「42号」の使用法が最高に面白かった。不憫でしたがね。

画的な見せ場もスカイダイブレスキューを中心に、これまた惜しみなく、しかし雑ではない仕事。

延々書きそうなので、もうまとめます。

兎角、トニー・スタークが最高に格好良く好きでした。で、1,2、アベンジャーズ、そして3、
ここまで私を追っかけ人間にさせてくれたこの作品、トータルで100点。愛してます。




2位「キャビン」

ホラーの王道を逆手に取る。
この発想自体は結構前からあって、そういう作品も多々観てきたつもりです。

そしてその殆どは、見事に撃沈。なんとも半端、若しくは整合性が取れていない、突き抜けない
作品が圧倒的に数を占めていました。

で、このキャビン。

王道を「監視」する。この発想で先ず勝ち。
更には「監視側」にお馬鹿が居る。ここで二勝目。
そしてプロットと演出が実に上手く、上記の発想を最大限上手く運び、笑いにも繋げている。三勝目。
そのプロットで大切な王道をきちんと踏まえる、これも愛と情熱と手腕でクリア。四連勝。

兎に角頭からオチまで、ジェットコースターな展開なのですが、その起伏が実に気持ち良い。

序盤は笑って、中盤はどうなるのとワクワクし、終盤はホラーの祭典具合にやっぱり気持ち良く笑う。

「テキーラーッ!」で爆笑し、エレベーターの「チーン」が鳴る度にニヤニヤする。

オチも好きですね、私的には。唯一、この画だけがもう少し圧倒的だったら・・と贅沢をノタマイマス。

ともあれ、ホラー好きじゃなくてもお話の精度、その水準はクリアしている作品だと思います。お勧めです。

もう少しホラーに詳しくなった暁には、もう一度観賞したいと思います。





3位「グッドナイト&グッドラック」

本格的なジャズから入る今作品、完全に大人の映画です。

白黒で登場人物は皆渋い。この映画は”アダルトさ”を徹底していて気持ち良い鑑賞でした。

実話ベースで「圧力に屈しない報道」が核なのですが、そこの抜かりなさは勿論、枝葉の部分、
人間を描くディテールは、好きな監督さんでしたので、流石!と唸りました。

あんまり余計な事をしない。ある種淡々とし過ぎる、と捉えられるきらいもありますが、私的には
煽られるのはあまり好きではないので、好みの部分が強いのは否めません。

煽らなくても、この映画の登場人物達の「真実を公平に伝える」という気概は、丁寧な脚本と
演者の巧みさで十分伝わります。

白黒ですが画面は相当綺麗です。アンカーーマン男前過ぎます。音楽はかなり上質。

兎角、品に溢れる逸品。大人同士でゆったりとどうぞ。



良いペース。次ワースト。



3位「藁の盾」。

画像は「イイネ!」と思った終盤のハイライト。
ここは映画「セブン」を彷彿させましたし、この後の場面、藤原さんの「スゲエ・・」も
絶品でした。

以上が、良かった所。

で、基本アクション映画の私的なスタンスは「多少粗があってもエエじゃないか」というものです。
気持ちよかったり、圧倒されれば、それが脚本の粗を上回るのなら、まあいいかと。

が・・・この作品は余りに粗が多すぎた。大穴がポコポコ空いてました。

穴ポイント説明の為、以下は多少ネタバレします。


・清丸サイトは常にチェックしなさい

・7号車とバレた後、ヤーさんが乗り込んで 来るまで何も騒動無し。有り得ない

・電車から車に移動手段変更。 奪った車の相手が「偶然」清丸が殺した少女の
 父親。ナイナイ。 せめて伏線位は落としておいて欲しかった。

・岩場で刑事とSPが口喧嘩。 その間清丸ホッタラカシ。ナイナイ。
 そう、結構な頻度で10億男が放置されるので、
 緊張感が伝わってこない。

・松島SP、成績トップのエリート設定なのに、 漫画みたいな凡ミス2回。無いわ。
 しかも防弾チョッキ着てない。着なさい、流石に。 大沢君は着てるのに、何故着てない?
 ほら・・死んだ。
 殺す為の着せない設定?それなら着せた上で、頭をぶち抜いて欲しかった。

・車内のラジオ。清丸母の遺書を全文情感込めて読む
 アナウンサー。リアリティが無さ過ぎる。

・ラストの3人が集う場面。また清丸ホッタラカシ。
 皆さん、10億がそこに転がってますよ。
 そういうお話なんだから、最後までその狂気は 保って欲しかった。この設定は序盤だけしか
 活きてない。


と、私のミクシィレビューからの転載ですが、「これは・・アカン・・」と直ぐに思った箇所、
それだけでも既に七つ。

流石に厳しい内容でした。

ハイライトと萎えるポイントの比率に開きがありすぎました。

「金と命」、それを実に明確且つ興味をそそる条件で突き詰めるお話。
なので、余計にこの穴はその説得力を皆無にしていた様に感じます。

残念。原作が面白いらしいので、読んでみます。





2位「バーク&ヘア」

ブラックコメディ。死体売りのお話。実話ベース。

画像は数少ない笑った部分。

終始ギャグが面白くない。勿論これはコメディとして致命傷。

ベタでも良いんですが、間とか使い所がどうにも宜しくない。

主演の一人が「ショーンオブザデッド」などのお馬鹿コンビの一人でしたので、大丈夫だろう!と
たかをくくって観賞した私が悪かった。

死体売りの話なのに、内容は軽く、ギャグもありきたり、死を笑いに変換できてない。
やるならガッツリ黒い笑いに持っていって欲しかった。

更にはお話自体も捻りも上手さも無く、ペラペラと進みます。
ので、ラストの実は・・的な展開も全くこみ上げてきませんでした。

中世の欧州、その雰囲気だけは良かったです。

私的には残念な一本。


ラスト、1位の「ムーンオブザデッド」

うん、酷い。

先ず序盤の新婚旅行のくだりが長すぎる。全く不必要。

全編画面が暗い。「スミマセン・・何が起こっているのか・・分からないです・・」状態が
かなりの時間帯続く。

未だゾンビ?の存在が明らかになっていない状態で、人を轢いた挙句、主役が先ず取った
行動が「車をぬかるみから出す」。

・・なあ、先ず轢いた人物の安否を確かめようよ・・

しかもそこで夫婦喧嘩始まるし、馬鹿です。お馬鹿ではなく、馬鹿。

トドメにゾンビじゃなくて「全身白塗りの変態」がワラワラ登場。

車のワンシーンが象徴する様にプロットが凄まじく酷かったので、もう既にギブアップ、
笑えない。白い変態でも、笑えない。

結局ラストまで魅せ場無し。ラストもふんわりとしたほんわかエンド。嗚呼、何という・・
ラストまで観た私こそが馬鹿だった。

こんな白塗り変態より、邦画の「ブタカリ」の変態観て爆笑したほうが未だマシでした。

まあ、「ブタカリ」も相当な映画ですが、話の種にはなるので、超絶お暇な方はどうぞ。


うーん、振り幅が凄まじい一ヶ月でした。

やはり長くなった。もう反省はしない。嘘ですしてます。

寝よう。ブタカリ観て寝よう。

おやすみなさい。















8月の私的な映画鑑賞ランキング、「ジャンゴ」で楽しみ「WWZ」で脱力、そんなまとめ

2013-09-02 04:50:39 | 映画ランキング
おはようございます、先月四回も注射で血を抜かれた男、それでも暇人です。

「ちょっとチクッとしますよー」、唯一そう言ってくれた看護士さんの採血、完全に
”ちょっと”からは逸脱した痛みでした。声出そうだったわ。

あれって何でしょうね?上手い下手の基準、撃たれる方は勿論痛みですが、
どこでその差は生まれるのか・・

まあいいか、もう体は大丈夫らしいし。

早速8月の映画鑑賞ベストを

1位 「ジャンゴ」 「スカイフォール」 85点

2位 「悪人に平穏なし」 81点

3位 「キスキス・バンバン」 「アイアンマン」 80点






ええと、「5位まであるやん、決めんかい」的な突っ込みは無しの方向でお願いいたします。

ともあれ映画鑑賞的には恵まれた一ヶ月でした。

先ずは画像のジャンゴとスカイフォール。

どちらも「突き抜けた」面白さ(ジャンゴ)と格好良さ(スカイフォール)を備えた逸品。

ジャンゴに関しては、黒人奴隷制度を取り扱っただけでも意義はありますし、何より
その料理法が上手く、ちゃんと面白い。

ちゃんと面白い。
これが近年のタランティーノ作品の私的な勝手な印象。
大衆的な作品になりつつも、らしさは残しつつ、分かりやすく魅せる。

好きですねえ、この人のお馬鹿とバイオレンス描写。

画像のキャンディちゃん役のレオさん、血はアクシデントからの本物らしいです。

確かに鑑賞中「ん?そこで血?しかも微妙な量」と思ってましたが、そのまま使う辺りが
やはり粋と感じます。

キャンディちゃん渾身の「世界で最も怒りに満ちたハンマープライス」、私は忘れ無いでしょう。

西部(南部ですが)劇、若しくはタランティーノ作品への入り口には持って来いの一本、オススメです。


次、スカイフォール。

これも前のブログで少し語ってますので簡潔に。

一言で「全てが恐ろしく格好良い」、もうこれに尽きます。

オープニングまでの格闘、そこからの完璧なOP、その後も畳み掛ける様に
「イカシタ画とイカシタ台詞」をこれでもかと魅せつけられ、聞かされます。

正直「カジノロワイヤル」「慰めの報酬」、この二作は「ボンド君の成長過程観賞映画」として
どこか微笑ましく眺めていましたが、スカイフォールではボンド君、ボンドさんになってました。

ので、成熟したキャラが格好良く、台詞も決まり、画にも嵌る。

脚本自体には特に驚きは無かったのですが、兎に角格好良い。
ここまで視覚的な喜び中枢を刺激された作品は最近無かったので、嬉しかったです。

画像の対峙シーンも「ウホッ!良い女!」と思いましたし、いやあ、イカシテました。

いかん、やはり長くなりそうだ、簡潔に。


次、2位「悪人に平穏なし」。

盛り上がりは序盤とラストの数分、後はひたすら俯瞰的な描写、しかも台詞少ない。

悪徳刑事のもみ消しと本能に近い使命感、その混同具合も宜しかったし、俯瞰でやり切る、その貫きは
天晴れでした。俯瞰にする事での乾いた画作りもちゃんと出来てましたしね。

で、それでこそ最高に活きるラスト。
溜めて溜めて溜めてドーン!的なラストバトル、十分なカタルシスを有してました。

椅子に体を預けるシーン、あの指のリンクには感服しました。

基本髭面のオッサンがラムコークばっかり飲んでるお話ですので、ダンディズムを所望の方、
オススメです。ラムコーク、最終的には”ラム9:コーラ1”の割合になりますがね。
まあ、そういう細かい演出も抜かり無く、好きな一本でした。


次、3位の「キスキス・バンバン」と「アイアンマン」
ロバートダウニーJr祭りを独りで開催してました。
「路上のソリスト」も悪くなかったけど・・私的には足りませんでした。






上の画像はキスキスバンバン。
ゲイが股間から小銃発射シーン。イカス。「アーッ!」って言ってますね、絶対言ってます。

このお話は構造的に珍しいと思いました。
「ナレーション演出」のウザったさ、なれなれしさ、説明的な感じを完全に逆手に取った、
ナイスな演出。オチにまで絡めてくるので、感心しきりでした。

内容はお話の中心である事件、これは正直少し粗いなあと。

ただ、それを上回る、気にさせない上記のゲイさんや主演2人のキャラ、最高でした。
後は事件以外の「ネタ」演出、これは素晴らしい。

はいはい指ね・・指!指!とか

ロシアンルーレットの根拠皆無の「8%だぞ?」とか

後は・・ヒロインが・・凄くエロイです・・

反して流れでの「グッと来た」シーンもきちんと配置。
これは私的に主人公がベッドの下に隠れてからの犬を抱擁するまでの流れ、ここは
本当に素敵な場面でした。

珍しくちょっと泣くかと思ったわ。

軽やかで、お上手で、エロくて、笑えてホロリもあるよなイカシタ一本。広く勧められる作品かもです。

同3位「アイアンマン」

もう手短に。

私はこの映画の主人公「トニー・スターク」が大好きです。開始5分の会話で惚れた。

ニヒルで皮肉屋で、でも正直で、天才的頭脳の持ち主で、プラス浮世離れしたキャラ。

画像のドヤ爆破、素敵です。
後は座ってチーズバーガー食べながら公式会見等、「こいつなら・・あるな」という
”やりおったシーン”満載。

で、忘れてはならないのは、演者の魅力もそうですがこのアイアンマン、お話がしっかり
していて、だからこそのトニースタークという人物の輝き具合なんですね。

秘書との距離感も良かったし、ラストのカタルシスも十分、大満足でした。


楽しかったなあ、この5本


長い、次ワースト、サクッと。

1位 ワールドウォーZ 20点

 
2位 ダイナソープロジェクト 30点 

3位 エスカレーション 31点


 


1位、ワールドウォーZ。

これは散々書いたので割愛。
追加情報でラストのペプシ演出、あれ途中でスポンサーになったみたいですね。

自販機からオールペプシ、ブラピが飲んでるのは違うジュース・・阿呆かと。

まあでも、ゾンビものじゃなかったら「へえ・・」で終われた一本だったかもです。
いや・・それでも穴がボコボコな一本。ゾンビ群だけが見所でした。


2位 ダイナソープロジェクト

POVで恐竜もの!たまにはダイナミズム溢れるスカッとしたのを観たい!と思い鑑賞。

どっこい内容は・・父と子のひび割れた親子関係修復おセンチ映画・・
で、その描き方も拙いので、二重の肩透かし。

最後の崖のシーンなんかは、「本気で鼻で笑う」という行為を久々にやってしまいました。

ダイナミズム?ねえよ、そんなもん。ジュラシックパークから何年経ってるんだ?

画像の恐竜、可愛いでしょ?
でも殆どがこの小さな可愛い恐竜?と呼んで良いものか的な生き物が活躍、もとい登場。
恐竜、4種類位しか出てきませんし、「スゲー!」な視覚的快楽皆無。

まあ、パッケージの裏面熟読しなかった私の責任です。

ダイナミズムをお求めの方、絶対に借りないで下さい。


3位 エスカレーション

いじめられっ子がいじめっ子にリベンジ!なお話。

これもPOV。
酔いません。後はお話を捻って面白くしよう、という形跡は伺えます。

ただ・・これもPOV映画の残念作からは脱してないです。

そもそも素人が撮影した、というモキュメンタリー設定自体がもう頭打ちかと。

余程上手いプロットと魅せ方をしないと、及第点にさえ届かない現状。

低予算で作れるのは良い事ですが、観る側に新鮮味が無く、故に驚きが無い。
こういう作品で驚きが無いのは、核が無いのと同じなので致命的ですね。

最近観たPOVでは「アパートメント143」という映画唯一、新鮮で面白かったです。

これは設定をきちんと変えてあって、飽和状態であるPOVに破壊と変化を促している、
そんな風に思えました。

アパートメント143、オススメです。準新作だし。


うん、やはり長かった。
今月は好きな海外連ドラがレンタル開始ですので、そちらに比重を置きます、多分。

ホワイトカラーとウォーキングデッド、楽しみだわ。

明るくなった、肩が痛い、シップ貼ろう。

行ってらっしゃいませ。
















テッドも観た私的な7月の映画鑑賞振り返り、一応ランキング形式で

2013-08-01 05:57:59 | 映画ランキング
お早う御座います。待望のテッドを観ました。


この画一発で、「か、可愛い・・」と悶絶してしまう破壊力、良いキャラでした。
内容も十分面白いです。

唯一の不満点は、テッドが腰をガンガン振るセックスアピールシーンで、予告編では
その動きに合わせて「ピッピッピ」と音が良い仕事をするのですが、本編は音なし。

そこは、音入れようよ!と勝手に嘆いた点位です。
後は概ね満足。笑えましたし、何より可愛すぎた。75点。


はい、そんなわけで7月は「当たり」の月でした。
遠出したついでに、働いている店以外で置いてある「評判の高い作品」をチョイスした結果でも
あるのですが、顔が緩みまくった一ヶ月でした。


ではでは早速ベストを。相変わらず勝手に点数つけていきます。

1位 シュガーラッシュ   90点

2位(500)日のサマー  85点
 

3位 デモンズ       80点

3位 言の葉の庭      80点


ついでにワースト。今月はあまり激怒も落胆もしませんでした。

1位 スマイリー      30点

1位 ダークルーム     30点 

3位 地球、最後の男    35点



ベストには更に「マーダーライドショー」を入れても構わない、その位の良作観賞月間、
サクサク行きます。




ええと、1位のシュガーラッシュ。

私的には兎に角素晴らしく、隙が無い逸品かと。

画像のポスターでも分かるとおり、各ゲームによって、そのビット?と言うんですかね、
ファミコンの画質、PS3の画質、それを完璧に区別して描いてます。

この抜かりなさは脚本にも徹底されていて、どんでん返しは無いのだけれど、余りの
起承転結のスムーズさ、それを「飽きさせない」で観せる技術、匠です。

更に言えば、全年齢対応型。唸るしかありません。

笑えて、懐かしがれて、ちょっとした謎があって、着地もスマート。私的に”ほぼ”完璧な映画。

ここからはマイナス。
まあ、唄に関しては触れましたので割愛。でも大きくマイナス。

後は、全年齢対応故の、若しくはディズニーという看板がある意味ネックになっている点。
それは「犠牲からの教訓が無い事」かと。

致命的犠牲が無いんです。多少は精神的、肉体的なダメージがあっても、
最後は無傷でハッピーエンド。

「ヒックとドラゴン」が私的なディズニー系ナンバー1作品なのですが、脚本と画作りは
「シュガーラッシュ」に軍配。

ただ、ヒックとドラゴンには明確な犠牲があって、それが大きな教訓に成っている。

求めすぎですな。そんなのは他の映画に任せとけば良い。
エグイの一本、作ってくれないかなあ。Rー18位の。

しかしながらお見事な一本。家族で子供さんとどうぞ。



次、(500)日のサマー。画像は少女に恋愛相談するオッサン。少女は「キックアス」の殺人鬼ですね。

これもお上手だなあ、と思いつつ観てました。
元来恋愛映画に余り興味が湧かない人間なので、いつか観ようと伸ばし伸ばしでやっと観賞。
いやいや、相当面白かった。

「そんなもんだよなあ」、そう思わせるには十分な説得力を有する一本。

彼と彼女のズレ、これが実に明確に描かれていて、それでも一緒にいる関係、違和感が無い。
彼の初夜の後のワッショイゾーン、そして彼の想像と現実のシーン、素晴らしかった。

エキセントリックな主演女優の行動や言動も、「居る・・居たわこんなヒト」と共感。

共感出来たのは幸いでした。出来なければ「おい、何なんだこのクソビッチは」と憤慨しきり
だったでしょう。

しかし、憤慨したとしても作品の質自体が高いので、結局は「クソ野郎が!面白いわ!」と
なってたのでしょう。

兎角ポップでお上手、若い子には「こういうヒトもいるんだよ」的なお勧め方、大人の紳士には
「こういうヒト居ましたか?あなたこういうヒトですか?そうですか」的な恋愛道程確認映画。

間違いなく面白いです。

ただ、私的には「ブルーバレンタイン」を超える愛の映画は未だ出てきません。
夫婦やカップルで観てはいけない映画、その筆頭です。

現に私はお店でそうやって「ブルーバレンタイン」勧めてます。記述もしてます。
皆さんメチャクチャ借りていきます。マゾだな、玉名の人間。

長い!もう一気に行きます。



言の葉の庭と・・



デモンズ。

同点3位でこのギャップ。タマラン。
簡潔に。

言の葉の庭。

一言で「音」、この使い方と精度が完璧。
雨の音が中心になってますが、それを筆頭に全ての音にこだわりや体温や情感を覚えます。

後は「音楽」。
シュガーラッシュとは対極、この曲のこだわり、クオリティ、使い所、素晴らしいです。
映画と音楽。その関係性を臨界点まで高めていると思います。敬意もきちんと感じますしね。

音楽業界のお偉い様は、この映画を観て何処か痛む部分があるのでしょうか?
無かったらもういよいよですが、あっても既に・・

まあ、厳しいご時世なのは理解してますが、何とかJポップ、蘇ってほしいですな。

ヘッドフォンでの観賞を強くオススメ。
時間も約50分。心に染みる、正にそんな作品。

「秒速5センチメートル」も同監督の素晴らしい作品ですので、気に入ったらこちらもどうぞ。


デモンズ。

うん、やっぱり昔のホラー、スプラッターは丁寧な作りですね。
良く言いますが、現在の様な映像技術が無い分、懸命に工夫や思考を繰り返して、
観る側を怖がらせたい、驚かせたい、そういう意気込みがビシバシ伝わります。

面白いんです。設定も練られていて、一つのネタにこだわらず、次々と上手な魅せ方で
物語が展開していきます。

盲目の登場人物を一瞬の描写で「あ、この人、目が見えないんだな」と分からせる場面とか、
本当に唸ります。言葉じゃなく、画で提示する。お手本の様なシーン。

後、私的には超絶的にシリアスな場面で場違いなメタルがかかりまくっているところは、爆笑しました。
こういうB級的な要素もきちんとあって、ほぐされます。

にわかホラーファンには、改めて勉強になる一本でした。



おまけで「マーダーライドショー」。
このピエロのオッサンの破壊力、凄まじかった。

このキャラは強烈です。私は大好きでした。
内容は・・「俺はこういう画が撮りたいんだよ!」という情熱が伝わるパンクな一本。
愛を感じられて、ニヤニヤしながら観れます。面白いです。

長すぎるな、ワーストは一瞬で終わらせます。



画像は「スマイリー」。

シーン・・・ざわざわ・・バーン!キャー!どーん!キャー!

こういうビックリ演出が相当数登場します。

怖いとビックリは違います。
後半は免疫がついてきます。「ビックリですか?・・ビックリかよ・・」、とガッカリしっぱなし。

お話自体は悪くなかったのに、ドンバンキャーの多用で台無しになった一本。

観なくて良いと思います。

「ダークルーム」。

もう暗がりの部屋とブラウン管テレビのセット、やめよ?ね?薄型でいいじゃない。
後、壁が発砲スチロールですかレベルのモロさでした。アレじゃ脱走されるわ。

観なくて良いと思います。


「地球、最後の男」

延々「孤独とは?生きるとは?」的な哲学的独白を繰り返します。
それ自体は嫌いじゃないけど、万人が考えそうな結論ばかりで「そらそうよ」と。

で・・ネタバレします。散々語って語って語って、オーラスに出した言葉・・


「LOVE」


停止ボタンを即座に押しました。
それ使うと、もう何でもアリじゃないですか。便利な魔法の言葉オチで萎えました。

観なくて良いと思います。


長かった。

愛でも探しにいこうかね。

晴れてるけど無いわ。









6月はバイオハザードダムネーションに驚愕しました、そんな映画振り返り

2013-07-01 06:43:31 | 映画ランキング
お早う御座います、前回書いたカバーへの当て付けに「そんなにカバー好きなら、これでも聴いてろ」、
と完全に勝手な反骨精神でスピッツの「おるたな」や椎名林檎の「唄ひ手冥利」をお店で流す
でっかい子供34歳です。

問い合わせがあった時は、思わず握手しそうになりました。

カバーでも結局、そこに伝わる愛か圧倒的クオリティがあれば、ですな。



さてさて、早速こちらも勝手に6月の映画鑑賞を順位付けで振り返りたいなあ、と。

先ずはベスト3本

1位 その土曜日、7時58分     90点

2位 バイオハザード ダムネーション 80点

3位 マイレージ マイライフ     79点




画像は1位の「その土曜日、7時58分」。
この映画、パッケージやその他、外見的見栄えはかなり格好良いのですが、出てくる
人間がまあ残念な方々ばかり。

劣等感を隠しつつクールを装う駄目な兄、頭の先からつま先まで、絵に描いた様な残念なイケメン弟、
お見事としか言いようの無い「いるいる」と思わせる残念な嫁。

まあ、主にこの駄目トリオがお話の軸になっていくのですが、この駄目っぷりが実に人間臭く、
駄目人間としては身につまされるお話でした。

構成もちょっと変則的で、所謂冒頭に事件を提示して「それが何故起こったのか?」というのを
紐解いていくのですが、この話は中盤で一旦着地。

その出来事が起こったその後、それを中盤以降は描いていきます。

時期列いじり系の映画は私的に好みですが、この「弄り方」は中々に効果的で、終始
飽きずに鑑賞出来ました。

ハイライトは兎にも角にも残念兄の自宅でのとある破壊シーン。

あれは人物描写とその人間の心境の現在地、その表現として相当に的確で上手いシーンだと
私的には思いました。

あれこそ名シーン。

人間臭さ、お話自体のクオリティ、見せ場、全てが高水準の逸品でした。
まあ、単純に好きという側面も否定しません。



次が「バイオハザード ダムネーション」。

どうですか、気持ち悪いですね。

今作を観る直前に前作の「バイオハザード ディジェネレーション」を観賞していたのですが、
その時点で「綺麗だなあ、映像」と感心していたら、今作はそれを軽く凌駕する映像美。

兎に角綺麗。実写ですか?と言いたくなる瞬間もたまにある程。

お話自体も前作以上の出来で、しっかりと感情移入出来る仕上がりになっています。

画像のクリーチャー、気持ち悪いでしょう?でも、観てると愛おしくなるんですね。
そういう心境にきちんとさせてくれる物語の丁寧さも、好印象でした。

画、物語、テーマ、全て前作を超えている、作り手の気概が伝わる秀作でした。

私的にはバイオって実写よりもこっちの方が・・という印象です。

ブルーレイで是非是非どうぞ。




3位は「マイレージ マイライフ」。

”生き方”のお話ですね。

主人公は独身貴族の「クビ言い渡し代理人」、という設定。

家庭を築かないという価値観、理由。
仕事という生涯連れ添う存在。

出来る伊達男設定以外は中々にシンパシーを感じる行動や言動だったので、中盤までは頷きながら
観ておりました。

これも「その土曜日~」と同じく主要人物は3人。
こちらの配置は出来る大人2人と、希望に満ちた有望な若者、いや馬鹿者。

出来る大人2人が空港で苦悩する若者の話を「ああ、そんな事か」と余裕の表情と体勢で
聴いているシーンはおかしくもリアリティに溢れていて、いいなあと思いました。

で、この映画はラストの解釈がアメリカでも真っ二つに分かれたらしく、観賞すると
なるほど、どちらとも取れるという終わり方。

ただ、監督自身がそういう提示をしているみたいなので、無問題。

どっちにとるか、それも見所です。

冒頭に書いた”生き方”へのアプローチが職業も相まって中々に興深く、それでいて
ややドライながらもきっちり纏まっていた秀作でした。

長い。ワーストはざっくり逝こう。

ワースト3本

1位 ザ・チャイルド  15点

2位 ストレージ24  20点 
 
3位 クロール     30点




ええと、先ず画像は1位の「ザ・チャイルド」。
リメイクみたいです。ジャケットは相当に好みでした。

結論は超絶的に穴だらけの脚本に、理解不能の行動と言動群。

真っ先に「スマフォ持ってたよね」問題と「無線使えるじゃないですか」問題が
挙がりますが、それすら酷さの一端。

何よりこの話の面白いというか、肝心な部分は「子供が無邪気で恐ろしい存在」である事と同時に、
「それに対する大人の対応」だと私的には思うのですが、それが全く伝わらなかった。

他の突っ込み所は全編に盛り込まれてますので、割愛。
ただ、親切にしてくれたお婆ちゃんに対しての、一切事情話さず、無言で逃げるの1シーン、
ここは余りに酷かった。どうやってそんな夫婦に同情しろと。

まあ、酷かったです。オリジナル観てみます。



2位は「ストレージ24」。

画像は・・画像でお分かり頂けるでしょうか、この映画を。

まあ、こういうテンションで全編通してくれれば、未だお馬鹿映画として笑えたのですが、
他の場面が総じて真面目なので性質が悪い。

で、真面目なのに脚本が練られていないので、更に性質が悪い。

美人居ない、無駄にでかいSE、無駄に殺す犬。

厳しい。



3位は「クロール」、はいツタヤ独占。

「ノーカントリーに匹敵!」そういうハードルの挙げ方は危険すぎます。

ノーカントリーという映画にはおかっぱ頭の「シガー」という異様に怖い人物が居たのですが、
今作は「それっぽい」人物に「それっぽい」演出を「それっぽい」画で延々垂流してます。

画像はその「ぽい」演出の最たる1シーン。

正直、観ていて困った。

「どうですか?シュールでしょ?格好良いでしょ?」

そんなあざとい声が高らかに聞こえてきそうな、象徴的な場面。

その場面で提示される変態性、その後の物語にビタ一文関連性無し。
怖くもないし、イイネ!とも思えない。

好きな人は好きかもですが、私的には「ぽい」映画でした。

「ノーカントリー」、オススメです。


7月は結構楽しみな作品が多いので、ワクワクしておきます。

雨に飽きた。