the Saber Panther (サーベル・パンサー)

トラディショナル&オリジナルの絵画芸術、化石哺乳類復元画、英語等について気ままに書いている、手書き絵師&リサーチブログ

プレヒストリック・サファリ⑥ (更新世 東南アジア) 逆襲のギガントピテクス(& Homo erectus)

2013年04月29日 | プレヒストリック・サファリ

Welcome back again to the newest Prehistoric Safari  adventure



エージェントS「シーツ!今回のプレヒストリック・サファリは、小声で失礼いたします。

遠路遥々、100万年前の東南アジアの密林にまでやってきて、エレクトゥス原人Homo erectus)の生態を「密着取材」して早や3日…。ご覧いただいているのは、原人の狩人たちが幼いギガントピテクスblacki の逸れ子を追い詰め、捕縛しようとしている場面です。

Homo erectus は鮮新世末に出現した古代ヒト属種ですが、群居性の狩猟採集生活を展開した、最初の人類であろうと考えられています。

先行のHomo habilis よりも脳容量、身長ともに著しく増加しており、全体に華奢な体つき(身長に比して、四肢が非常に細長い)ではありますが、平均身長が170cmを超える亜種も知られています。
ただ、亜種ジャワ原人の脳容量に関しては日本の研究グループ(2013)によって下方修正(860cc)されており、「脳容量の劇的な差」という問題点が解消されたことで、小柄なフローレス原人Homo floresiensisへ「矮小化進化」したとする新説も浮上しています。

グループのリーダー格と思しき男が、先端の尖った木棒で子ザルの上腕を負傷させました…イヤハヤ、実に見るに堪えませんがね、手出しは無用。

これが逸れ子でなければ、リアル・ビッグフットとも言うべき成獣の猛反撃は必定ですから、原人共もタダでは済まないことでしょう。

Gigantopithecus blacki の雄成獣の姿は、私も見たことがありません。発見されている化石は吻部が長めであることを窺わせる下顎骨の一部と歯のみであり、全貌は杳としているわけですが、体重が300~500kg超にも達したとよく言われます。
系統的にはオランウータンに近縁とされますが、これほど巨大であった以上、完全な地上生活者であり、体の形質、ロコモーションとも、ゴリラに似ていたと考えられます。

エレクトゥス原人がいかに優秀な狩人であろうとも、大人のリアル・サスカッチが近くにいる状況では狩りは控えますから、最悪の事態を心配する必要はなさそうですが。万一の場合は、繰り返し言いますが、直ちに後方のタイムライドまで走って避難・・・アレ?今、何か向こうで物音が・・・」





ッガサガサ!!

バキッ!(突如、巨大な動物が茂みの中から猛進してきた音)


エージェントS「だから、マジか!?」

ゴフゴフ!!(大猿の咆哮)
ギャーーー!(原人の悲鳴)

エージェントS「ヤツらこっちに走ってきやがった!

は、速いぞ!!


ゥワ-ッ!!!」

ザザザッ!!ピー---ッ…

・・・・・・

---エージェントSカラノオンシンガ、トダエマシタ---


絵と文: ⓒサーベル・パンサー/Jagroar (EoFauna)

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1 Comments

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Unknown (Unknown)
2013-04-29 12:04:29
昔、好きだった猿人ジョ-ヤングを思い出しました
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