母の誕生祝いの会食を妹が企画してくれたので、
午前中から仕事をして、午後は茅ケ崎へかけつけた。
行き先は、茅ヶ崎海岸から目と鼻の先の「河童」。
一人できりもりしている小さなお店と聞いていたので
タクシーの運転手さんに見せる地図まで用意していったのだけれど、
運転手さんは「あ、河童ね。1日2組しか予約をとらないお店でしょ」
といって、地図を見せるまでもなくスイスイと車を走らせた。
この看板がなければそのまま通り過ぎてしまいそうな、
ふつうの住宅のたたずまい。門をくぐると、
車3台をとめられるスペースの奥には、左右にミニ菜園が。
ここの料理の売りは、なんといっても魚。さっそく舌鼓を打つ。
今日一番の網には魚がかからなかったとかで、
今日の午前10時に揚がった魚を、午後2時に食す幸運。
中央はカワハギ。左下はサバ。
ときどきわたしは魚にあたってしまうので、その後数年間は
サバ・イワシ・サンマなどを(特に生では)食べることを控えるようにしていて、
いまがちょうど控え中の時期なのだけれど、
このサバは不思議と「食べても大丈夫」という気がして、食べられた。
ひさしぶりにサバを食す幸せを満喫。
地の生シラスと天ぷらも。
シラスはときどき漁港で買ってきて食べるけれど、
家でたべるのと味がぜんぜん違う。なんでだろう?
聞けば、
大きいシラスを(苦味がでるので)取りのぞいた上で、
氷水で何回も何回も洗うのだとか。
…なるほど、それでこの味が生まれるのか。
シメは牡蠣飯にカワハギの潮汁。
潮には自家製の赤いゆず胡椒をいれるのが河童流。
牡蠣も似たような理由で、わたしにとっては
食べることに注意を要する食材なので、
今日は牡蠣は妹にたべてもらい、ご飯だけ少量いただく。
みごとに美味しいご飯で、おかわりする人が続出していた。
1室しかない客室は、総勢約10名のわたしたちが入ると
いっぱいだったけれど、まるで祖父母宅の和室で
料理をかこみながら会食しているかのように寛げる空間だった。
それにしても、来年の1月には父の死から30年経つらしい。
わたし自身は不肖の子とはいえ、それでもなんとか
きょうだい5人が無事に成長したなんて、やっぱり奇跡だと思う。
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