『3-4X10月』
(1990・日本・1h36)
監督・脚本 : 北野武
出演 : 小野昌彦、井口薫仁、飯塚実、ピートたけし、渡嘉敷勝男、石田ゆり子
ヤクザとのトラブルを自ら解決するべく男は沖縄に銃の調達に向かった。
たけし軍団卒業記念(実際卒業とかそういった事は無かった。今現在軍団がどうなっているのかよく分からない。)の意味合いで作られた作品。という事で観れば確かにそのように思える。
まだ何者でもない主人公(弟子、たけし軍団)が型破りでやんちゃな男(師匠、ビートたけし)と出会う事で多大な影響を受ける。
最後に「なんちゃって」なオチをつけたのは北野監督の照れからなのかも。
タカさんカッコ良かった。『座頭市』でも良かったし。『ゼブラーマン』の続編ではあまり良くなかったけど、それはタカさんの良さを一番知っているのは師匠の北野監督だからという事だろうか。
脚本も書いた本作が実質的なデビュー作と言えるのかも。『その男、凶暴につき』も元々あった脚本をかなり変えたらしいが。
後の北野作品につながる要素が所々で見られる。
『あの夏、いちばん静かな海。』
(1991・日本・1h41)
監督・脚本・編集 : 北野武
出演 : 真木蔵人、大島弘子、河原さぶ、小磯勝弥、藤原稔三
捨てられていた壊れたサーフボードを拾い自分で修理して初めてのサーフィンに挑戦する茂。サーフィンに夢中になっていく茂を恋人の貴子は砂浜から見つめていた。
初めて映画館で観る。良かった。映画も良かったし映画館で観れたのも良かった。
結末を知った上で観るので二人の姿にただ涙腺が緩みっぱなし。
このままいったら最後どうなっちゃうんだろうと思ったけど、涙腺崩壊という事は無く。やっぱり北野作品は死に向かっていってしまうんだなあと冷静に観れていた。
それでも良かった。古風と言えば古風な話なのかもしれない。自分の置かれた状況に不平不満を言わずに受け容れる。
男はぐっと我慢、女はじっと耐える。それを良しとする映画であろうしそれが良いなあと思った。
北野監督の素っ気ない優しさが感じられるのも良かった。特にはサーフィン大会が終わって茂と貴子が茂の職場の先輩の行きつけの飲み屋に顔を出すシーン。と言うかカット。
あのカットにいつもやられる。
この映画は桑田佳祐初監督作『稲村ジェーン』に触発されて作られたという認識。どっちかと言うと批判の意味を込めて。と今まで思っていた。それはオールナイトニッポンでの放送上、芸人ビートたけしのトークがより過激に聞こえていたのかもしれない。
実際の所は良い所も有るし違うんじゃないかと思う所も有りで、それがこの映画に反映されたという所らしい。らしいと思っただけで実際どうなのかは分からないが。
『稲村ジェーン』は未見。2本立てで観てみたい。
小磯勝弥さんはテレビドラマ『たけしくん、ハイ』で北野武少年を演じた方。
早稲田松竹にて。北野武監督最新作『アウトレイジ・ビヨンド』完成を記念して『その男、凶暴につき』「3-4x10月』『あの夏、いちばん静かな海。』の3作品を一挙上映。
『その男、凶暴につき』は観なかった。