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『テロリズムの夜/パティ・ハースト誘拐事件』

2025-08-05 09:16:54 | 映画
『テロリズムの夜/パティ・ハースト誘拐事件』 1988年、アメリカ、1時間44分。を観た。
1974年、新聞王一族のパトリシア・ハーストが誘拐され左翼過激派グループSLA(シンバイオニーズ解放軍)が犯行声明を出す。数ヶ月後、SLAが銀行を襲撃しその実行犯の中にパトリシアの姿が目撃され組織の一員になった声明が出される。

シネマート新宿、"新宿ハードコア傑作選”にて。本作は今回が日本での初劇場公開。

革命を謳う集団が実はそんな実行力はなく、その意志も薄っぺらかった。お嬢様育ちのパティ・ハーストは今まで目にする事が無かった理想を謳い上げる姿に感化されてしまったという事なのか。ただ、行動を共にする事でその実情は見えていたけど引っ込みのつかない状況になっていた。と同情的に見ればそういう事なんだろう。
SLAにも同情的に見れば今の腐った社会をぶっ潰したいという想いのまだ出発点だったのかもしれない。組織もまだ小さいし。その分メンバー間の関係は色んな意味で濃密である意味で青春だったのかもしれないとも思える。そこにもパティは魅かれたのかも。
グループの実情、化けの皮が少しずつ剥がされていって結局そういう事だっだんだなと分かってくるのが興味深く観れた。
グループは犯罪者として検挙される。SLAという集団の終焉ではあるけどそれはパティがそこから抜け出せるチャンスでもあって、追い詰められているんだけどそこから抜け出せる絶好の機会でもあるというのもシチュエーション的に面白いなと思う。

やってる事は大した事はなかったけどSLAの理想としていた所は正しいのだろうと思う。ただメンバーのほとんどが資本主義から抜け出せなくてもいて、だから活動資金と称して金が必要だったりしたのだろうし。
今ならネット上で世界経済をストップさせるとかした方が貧富の格差や人類平等の理想は叶えられそうな気もする。それを実行する人はまだいないのか、しようとしている人はもういるのか。本格的なネット社会になってまだ十数年?2000年問題とか有ったけど幸いまだ本格的なネット社会崩壊の危機は訪れてはいないがその時はいずれかはやって来るのだろう。ネット終末論か。その時に救世主は現れるのか?

パティ・ハーストを演じたナターシャ・リチャードソンは芸能一家の生まれで境遇は似通っている所も有ったのだろうか。リーアム・ニーソンと結婚していたけど2009年に死別。
ヴィング・レイムスは本作くらいから映画でも注目されるようになってきた感じなのだろうか。そういう風に思えるカリスマ性を感じさせる。
ヴィング・レイムスもウィリアム・フォーサイスももう少し年取っておじさんになってから目にしていたので若い頃の姿を見られて良かった。

『ジョニーは戦場へ行った 4K』

2025-08-05 00:35:48 | 映画
『ジョニーは戦場へ行った 4K』 1971年、アメリカ、1時間52分。を観た。
第一次世界大戦に出征したアメリカ人青年ジョー・ボーナム。戦場で爆撃に遭い身体機能はほぼ停止し意思の疎通も出来なくなっていたが生きている事だけは確認出来た。身元不明のジョーを軍医師は患者ではなく極秘の研究対象として観察する事にし病院内で限られた者だけが知る存在となった。

初見。主人公の名前はタイトルにあるジョニーではなくジョー。第一次大戦時に志願兵募集の宣伝文句で使われた"Johnny Get Your Gun ジョニーよ、銃をとれ"への呼応として"Johnny Got His Gun ジョニーは銃をとった"としたのが本作の監督 ダルトン・トランボ自らの原作小説のタイトル。と、ウィキペディアで知った。
"ジョニー"はそうして戦場へ行った多くの若者達を表しているのだろう。
戦下では普通の日常生活からは想像もつかない悲惨な出来事が起こる事が描かれどこまでも救いは無かった。国や人種、性別も問わず戦場ではなくても多くの"ジョニー"達が戦争によってそういう目に遭っているという事が本作を含め数多くの作品で伝えられているのにも関わらず戦争は無くならない。だからといって諦めるのではなく戦争の悲惨さを伝え続けていかないといけないのだろう。

『KNEECAP/ニーキャップ』

2025-08-04 08:06:23 | 映画
『KNEECAP/ニーキャップ』 2024年、イギリス=アイルランド、1時間45分。を観た。
北アイルランドの三人の男がアイルランド語ラップグループKNEECAPを結成。即座に人気を博すと同時に議論を呼び起こす。

KNEECAPは実在するグループでその半自伝的な物語でメンバーも当人達が演じているのは観た後に知った。見た目はそんなにパッとはしないけど存在感の有る役者が出てきたなあと思いながら観ていた。
北アイルランドの事、イギリスとの関係が大きいのだろうけどそこら辺がよく分かっていない。イギリスからの独立運動が過激に発展して修復不能と思えるほどに陥ったけど、現在はかつてほどの混乱は表面には現れていない。しかしその理念は北アイルランドには根強く培われているがかつての様に暴力で闘うのでなく、言葉と理念で闘っていこうとこの映画では訴えられているのだろうか。その事を象徴しているラップの歌詞、リリックと言うんだっけか、その内容がほぼセックス・アンド・ドラッグなのはそこでまた対立を煽るのではなくあくまで非暴力で独立を勝ち取ろうという事なのかも。。重苦しいテーマの曲ばかりだったらやってる方もしんどいかもしれないし。アイルランド語ラップである事が非常に重要と。

『盲山』

2025-07-28 22:22:45 | 映画
『盲山』 2007年、中国、1時間42分。を観た。
1990年代の中国。山間部に仕事を斡旋されやって来た白雪梅(パイ・シューメイ)だったが自分がその村に嫁として売られていた事を知る。拉致状態となった白雪梅は村からの脱出を試みるが村は山に囲まれ町と繋がる道は一つしかなかった。

ネタバレ有り。

しんどい話しだったがこれでも中国当局の検閲を受けて20以上のシーンをカットしたとの事。それでも中国での上映は認められなかった。今回上映されたのはカットしたバージョンなのだろうか?それでも十分にしんどい。
光明が見えたと思ったらその度に引きずり戻されて。これどうすんの?と思ったけど結末はああなるしかなかったんだろう。
1979年施行の一人っ子政策により跡取りとして男子が望まれて、なので望まれない女の子が生まれるとどういう事が行われるのかも描かれる。その結果人口の男女比に偏りが出て農村部での嫁不足となり本作の様な事が起こる事になったのか。そう考えるとあの村の人達のほとんどが悪人かというと生きるためにそうしなければならなかったとも思えなくもない。村全体で一蓮托生でなければならなかったりもするのだろう。生きるためと言うより家名を残す事を重く見ていた様にも思える。ああいった村で生きていくには家名を残す事が必要なのかも。
一人っ子政策が悪かったのかと言えば何もしないでそのまま人口が増え続けれはそれは別の大きな問題になったかもしれないし。今地球の人口が100億人とかになっていたり。2025年現在82億3000万人ですって。36℃の熱をもった物体が増えればそりゃ気温も上がるでしょう。
結果は人口の減少が止まらず現在は三人っ子政策になっているのだとか。それは今度は産まないのが悪いとなって問題が有りそうだけど。子供が三人である事を推奨して優遇される制度とかなのか。でもなんか中国ってやる事がはっきりしてるけど振り切り過ぎと言うか。それが嫁がいないならどっかから金で買えばいいという考えにも繋がっている様にも思える。金で解決すればいいという考え方や人身売買が中国だけで起きているわけではないだろうけど。
結局は弱者に皺寄せが来る事になる社会主義とは?理想と現実はこんなにもかけ離れてしまうものなのか。とか考えられたら困るから上映はさせられないか。

『ハードコアの夜』

2025-07-28 17:43:34 | 映画
『ハードコアの夜』 1979年、アメリカ、1時間48分。を観た。
ミシガンで家具工場を経営するジェイク・ヴァンドーン。町全体が信仰心が篤い風土の中ジェイクと家族も敬虔なクリスチャンだった。クリスマスを親族で過ごした後、一人娘のクリステンがカリフォルニアで行方不明となり私立探偵を雇う。探偵は数ヶ月後調査の段階としてポルノ映画館を貸切りジェイクに短編フィルムを見せる。

シネマート新宿"新宿ハードコア傑作選"にて。

ネタバレ有り。

1980年代を目前にしてポルノ業界が隆盛しようとしていた時期なのか。『ブギーナイツ』では1970年代後半のポルノ業界が描かれていた。『スター・ウォーズ』が映画館で上映(ロングラン中?)されているのが画面に映っていて映画業界が大きく変わろうとしていた時期とも言える。
ジェイクには全く無縁だったポルノ業界という世界で神の意志なのかいたずらなのか試練なのかその世界と関わる事になる。
ポルノ業界で働くニキの助けを借りてクリステンの行方を追う中でジェイクとニキの関係にも少しの変化が起こるが、クリステンが見つかった事により二人はお互いの場所に戻ってゆく。ジェイクがニキも連れて自分達の場所に戻るというのが理想だと思ってしまうがそれでめでたしめでたしにはならないんだろうと思う。分断とかではなくてお互いにいるべき場所みたいなのが有って言い方変えればいられない場所も有るわけで、ジェイクのいるべき場所はニキにとっていられない場所である可能性は高いのだろうと思う。その点ではクリステンとは違うのだろう。ニキが今とは違う場所でいるべき場所が見つかるのかもしれないし。
ジェイクは今いる場所とは別の色々な世界が有る事を知り、大抵の人はそこに行けないけどジェイクは行き、そしてそこは自分のいるべき場所ではないと知ったのだろう。
本作から約20年が過ぎた1997年に作られた『ブギーナイツ』はいるべき場所を見つける映画だったか。

探偵役のピーター・ボイルはなんか見た事有るなと思っていたが本作の監督・脚本のポール・シュレイダーが脚本の『タクシー・ドライバー』のはげ頭が印象的なデ・ニーロの先輩タクシードライバー役の人だった。

『三日葬/サミルチャン』

2025-07-28 05:27:44 | 映画
『三日葬/サミルチャン』 2024年、韓国、1時間35分。を観た。
娘の心臓移植手術を自らの手で行う心臓外科医の父親。手術は成功するが娘の行動に凶暴な異変が見られ神父による悪魔祓いを行う。悪魔祓いも成功したかの様に思えたが間もなく娘は息を引き取る。三日間の葬儀が行われるその中で父親は娘の死に隠されたある計画を知る事になる。

ネタバレ有り。

オカルト映画だろうとは思っていたがどういう内容かあまり知らないで観たら宗教色の強い悪魔系だった。大体オカルトと言えば悪魔系だけど宗教色が強いかそうでもないかくらいの違いか。個人的にオカルト映画全般で居眠りしやすいが本作でも最後の方は睡魔と戦っていた。
悪魔に勝てるのは珍しい。人それぞれの中に有る悪が悪魔という形になるのだろう。人の中の悪が消えることは恐らく無いので悪魔もいなくなる事は無いから良くて引き分け、痛み分けなのが多い。家族愛の前では悪魔も存在しなくなるのでそれを悪魔に勝ったとする事は出来るが犠牲を伴っているので勝ち寄りの痛み分けか。今回の睡魔との戦いもそんな感じ。

『俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル2』

2025-07-26 02:41:44 | 映画
『俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル2』 2025年、アメリカ、1時間54分。を観た。
愛する家族を失いゴルフをやめたハッピー・ギルモアが愛する家族のため再びクラブを手にする。

アダム・サンドラーのコメディは上映時間が長くなりがちな印象。最近のネットフリックスでの作品はほとんど観ていないが。本作も観る前に1時間50分を超えてると知ってやっぱり長くなったなと思っていたがエンドクレジットが始まった時に残り時間を見たら10分近く有ったので本編は実質1時間45分くらいでそこまで長くはなかった。ネットフリックスだから最後に各国の吹替えのクレジットが有るからエンドクレジットは長くなる。
体感としては長く感じたのは前作ほど面白くなかったからかも。前作のオマージュがたっぷりな所は面白かったけど、ゴルフ映画としていくらコメディとは言えやってる事が無茶苦茶過ぎる。前作も無茶苦茶では有ったがギリギリゴルフ映画として成立していたと思う。
ゴルフだけに限らずプロスポーツの行き過ぎたエンタメ化への批判みたいなものが込められていると考えられなくもないが本作で描かれてるほどに行き過ぎているとは考えられないし。そんな問題提議とかじゃなくて単に面白い事をやろうとしただけだろうけど。

前作で中途半端な感じになっていた某有名コメディアンのエピソードは29年振りにちゃんとオチが付いたのが良かった。
前作でクリストファー・マクドナルドが演じた一応悪役だったプロゴルファー・シューターが本作でもその面白さを活かされてるのも良かった。

出演者は個人的には豪華だった。アダム・サンドラー作品常連のスティーヴ・ブシェミも出てた。ロブ・シュナイダーも出ていたらしいが気付かなかった。
常連ではないがエミネムもどこかに出てたらしい。
今や最近の常連と言えるのであろうアダム・サンドラーの娘さん達も出演。
前作でもそうだったみたいだけどプロゴルファーは本人達が演じているみたい。本作には帝王ジャック・・ニクラウスが出演。タイガー・ウッズは私生活がいじられ過ぎるからか出ていない。その代わりなのかタイガー・ウッズじゃない人の私生活がいじられてたっぽい。
前作の監督デニス・デューガンは前作にも出演していて本作にも同じ役で出演。

映画クイズ

2025-07-25 12:12:43 | 映画
問い
本日午後放送『アルカトラズからの脱出』(BSプレミアム)、『ダーティハリー4』(午後ロー)両作品に出演しているのはクリント・イーストウッドの他に誰?





答え
ジャック・チボー
ちなみにジャック・チボーは『ダーティファイター/燃えよ鉄拳』、『シティヒート』のイーストウッド主演作品にも出演。

『俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル』

2025-07-24 12:47:55 | 映画
『俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル』 1996年、アメリカ、1時間35分。を観た。
子供の頃からプロのアイスホッケー選手を目指すハッピー・ギルモア。その夢は長年叶えられずにいたがある事情からプロゴルファーとして賞金を稼がなければならなくなった。

ネットフリックスの配信作品として29年振りの続編が作られた。本作も日本では劇場公開されずレンタルのビデオかDVDで観ていたがそれ以来観ていない。29年前の作品の事はあまり覚えていないので観たがあまりじゃなくてほぼ覚えていなかった。
特に出演者は『ロッキー』のアポロでお馴染みカール・ウェザースに『007』のジョーズでお馴染みリチャード・キールが出ていた事も覚えていなかった。
ノンクレジットになるが某有名コメディアンも出ていたがそのエピソードは完結していないのは撮影はしたけど編集でカットになったのだろうか。テンポがめちゃめちゃ良いコメディなのでテンポを重視したのかもしれない。
アダム・サンドラー作品常連のスティーヴ・ブシェミ、ロブ・シュナイダー、ジョン・タートゥローは出ていない。

コメディはテンポが大事だなと思う。ゴルフのトーナメントって各試合4日間だと思うけど4日間で描かれるのは最後だけ。毎試合きちんと4日間でやったらやり方次第だとは思うが間延びしていたかもしれない。
主人公は短気で暴力も振るうが憎めなくて応援もしたくなるのは一瞬で反省するのも有るけどコメディとしてのテンポの良さが悪い部分を忘れさせてしまうのだろう。

『DROP/ドロップ』

2025-07-21 22:08:03 | 映画
『DROP/ドロップ』 2025年、アメリカ、1時間35分。を観た。
シングルマザーのバイオレット。妹ジェンの応援を背に受けマッチングアプリの相手と久し振りのディナーデートに臨む。

新しいソーシャルメディアにより脅迫を受けるサスペンスミステリー。そのメディアじゃなかったら成立しないのかは分からない。そもそも本作で取り上げられているメディアが何なのかさっぱり分からない。普通にメールとかじゃダメなのか?
強い女性を描くのが昨今の流行りで本作もそれに漏れず。どんな逆境にも負けない諦めない挫けないのは男女に関わらずに大切な事だけど、負けそうになる諦めそうになる挫けそうになるそういうギリギリの状況に追い込まれる段階も必要なのではないかと思う。本作では強さを強調する方に専念してそこまで追い込まれていなかったかなと感じた。
ラストバトルはサービス。

本作の出演者は全員知らない人。調べてみたらあの映画に出てたあの人だったという事もなく。『ストレンジ・ダーリン』では知ってるのはバーバラ・ハーシーだけだった。
最近は知らない人達が増えてきたけどテレビドラマや配信作品から人気になった人達なのだろうか。
ミステリーに関しては知らない人の方が予測がつかなくていいのだろうけど何かちょっと寂しくもある。映画を観始めた頃は全員が知らない人達だったのだから、ここからまた知っている人を増やしていけばいいんだけどそれには己の記憶力がかなり不安。

『ストレンジ・ダーリン』

2025-07-21 15:42:22 | 映画
『ストレンジ・ダーリン』 2023年、アメリカ、1時間37分。を観た。
連続殺人鬼が世間を騒がせている中、女が男に追われ山中を必死に逃げていた。

冒頭35ミリフィルムでの撮影である事が知らされる。て事はネガティブ・カッターがいるのかなと思って、さすがにもうモー・ヘンリーやゲイリー・ブレットじや無いだろうなとエンドクレジットで確認しようと思っていたけど1時間30何分後にはすっかり忘れていた。IMDbを見たらネガティブ・カッターはいない?よく分からないけどフィルムでは撮影したけど撮影後のその他諸々はデジタルで行ったとか?
撮影監督は俳優のジョヴァンニ・リビシ。本作には声で出演しているらしい。しかし俳優から監督はよく有るけど撮影監督した人って聞いた事無い。フィルムでの撮影にこだわりが有るんだろうと想像出来るが素人にフィルムとデジタルにどれだけの違いが有るのかは分からない。

ネタバレ有り。

全6章の物語。プロローグとエピローグ有り。
第3章から始まるトリッキーな構成。3、5、1、で次が2か4か忘れたけど最後は6。公式サイトに親切に順番が載っていて3、5、1、4、2、6の順。ミステリーとしては色々と観ている側に考えさせるのは良かったと思う。
1と2、3と4、5と6の三幕構成であって、三幕とも奇数で見せられたものが偶数で逆転される。なのでこれを順番通りに見せると基本的に同じ事の繰り返しになってしまう。それに真相が早々に第2章で明らかになってしまう事もトリッキーにせざるを得なかったのかなと思う。
か弱い女性を装い利用するのが犯行パターンだけどエピローグではそれが通用しない人物に出会ってしまう。女性は弱く守られる存在というこれまでの古臭い観念から脱却した結末とも言えるのか。そして相手が銃を見せた瞬間に躊躇する事なく撃ち抜いてその後も信じられないくらい冷静なあの人が現代の理想の強い女性像を最も現しているのかも。

『リライト』

2025-07-15 02:18:10 | 映画
『リライト』 2025年、日本、2時間7分。を観た。
ある夏転校してきた300年先の未来人ソノダ、女子生徒が執筆し10年後に出版された小説を未来で読み感化されてやって来たと言う。2週間後、女子生徒にその小説を書き上げる事が過去と現在と未来をつなぐと言い残し未来に帰っていった。

ネタバレ有り。

ヨーロッパ企画の上田誠さん脚色。上田誠さんならではの面白さも途中で有ったのでそのままコメディで観たかった。

本作でのタイムループ、タイムパラドックスの仕組みはあまり理解出来ていない。
整理すると、1番目がやって来て2週間が経って未来に帰ろうとしたけど帰れずに1番目が最初に来た2週間前に戻ってしまうのが2番目。2番目のターンでは1番目と2番目が同時に存在して、そして2週間が経って2番目が未来に帰ろうとしたけどまた2週間前に戻ってしまい3番目となる。3番目のターンには1番目と2番目と3番目が同時に存在する。ループにはまってその繰り返しが30数回。繰り返している意識は各人に有ったんだっけか?最初の人達のシャツが破けてたりしていたような。
そうじゃなくて1番目が2週間前に戻った時に2番目になると考えるのではなくて、1番目は絶対的な存在で1番目が同じ2週間を別のものに書き換えてその回数30数回という事で書き換えられた30数回が同時に存在すると。最終的に1年近く2週間を何度も繰り返している1番目のシャツが破けていたのか。
で、多分同じ自分同士で出会ってしまうとタイムパラドックスのお約束として世界が崩壊するんじゃないだろうか(てんとう虫コミック5巻"ドラえもんだらけ"は除く)。協力者の懸命な努力のおかげで出会わなくて。そうするとあの協力者が世界を救ったという事になる。
『恋はデジャブ』とかだとループする度にリセットされるのでその点で世界が崩壊する心配はない。
改めて整理してみてもあまりよく分かってはいないがやはりこれはSFコメディで観たかった。

『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』

2025-07-14 16:42:54 | 映画
『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』 2024年、アメリカ=スイス、1時間39分。を観た。
オレオレ詐欺に遭ったテルマが復讐に燃える。

お年寄り映画は寂しい気持ちになるので苦手。寂しい気持ちは現実で充分味わっているのでわざわざ映画観てそんな気持ちになりたくはない。
フィクションでかつ他人の事として冷静に見て考えられるという有用性もあるのだろうけど自分の事としてびっちり重ね合ってしまった時が辛い。映画観て辛くなりたくない。
本作は寂しいだけではないんだろうけど、とは言えどうしたってお年寄り映画に寂しさは付いてくるものだし。中には寂しくならないお年寄り映画も有ってそれを期待していた。本作も全編おばあちゃん版『ミッション:インポッシブル』でやってくれれば良かった。

『アルトナイツ』

2025-07-14 09:48:14 | 映画
『アルトナイツ』 2025年、アメリカ、2時間3分。を観た。
1950年代、ニューヨーク。かつての禁酒法で荒稼ぎしのし上がってきた幼馴染みのギャング、フランク・コステロとヴィト・ジェノベーゼ。フランクは政界にも顔を利かせヴィトは荒っぽい手口により国外に逃亡した。ヴィトからファミリーのボスを受け継いだフランクはファミリーに莫大な利益をもたらしたがほとぼりの冷めたヴィトが戻ってきた事によって様々な軋轢が生じ始める。

デ・ニーロの一人二役が話題の作品。デ・ニーロと同年代でイタリア系かもしくはイタリア系が演じられる人と言えばジョー・ペシかアル・パチーノだけど目新しさで言えばデ・ニーロが両方演じた方が話題にもなるという事なんだろう。
一人二役は見事だったけど、演技以外でもその違いをはっきりとさせるためだと思うが両方の役で特殊メイクをしていて映画の主人公としての華が無くなってしまったと思う。カメレオン俳優とも言われ演技力でスターになったとは言え、外見のカッコ良さも見せて欲しかった。
『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランドもドン・ヴィトー・コルレーオネを演じた時は老けメイクをしていたけどやはりその事は意識せざるを得ないのだろうか。アル・パチーノも『PARTⅢ』のマイケルの時は老けメイクだったし。『PARTⅡ』のヴィトーの時のデ・ニーロはカッコ良かった。

実際に起きた事件の映画化。この捕り物によってマフィアの存在が世間一般にも明らかになったのだろうか。
恐らく事件の真相が分からない所も有るのだろうと思う。それを憶測によってこうだったと決めつけるのではなく分かっていない所を無理矢理にはっきりとはさせない。それは誠実と言えるんだろうけどその分ギャング映画としてのカタルシスは欠けてしまった。

"アルトナイツ"は夜な夜なギャングが集うクラブの店名。altoはスペイン語で上級、高級の意味も有るらしい。「上級の騎士達」になるのか。上級もなにも騎士道精神の欠片も無い人達だったが。

『チーチ&チョン スモーキング作戦』

2025-07-14 01:59:45 | 映画
『チーチ&チョン スモーキング作戦』 1978年、アメリカ、1時間27分。を観た。
妻子持ちのペドロとニートな中年お坊ちゃんはともにマリファナ大好きで初対面で意気投合し上物のマリファナを探し求め音楽の趣味も一致してバンドを組む事に。

シネマート新宿、"コケティッシュゾーンvol.2"にて。

『チーチ&チョン』がコメディシリーズである事とそのチーチがチーチ・マリンである事は知っていた。チーチ&チョンは映画の中の役名ではなく本人たちのコンビ名。
トミー・チョンの事は知らなかった。『コマンドー』で狙ってるのとは逆方向にロケットランチャーぶっ放すスチュワーデス役でお馴染みのレイ・ドーン・チョンのお父さんだとか。
チーチ&チョンは元々コメディアンのコンビではなくミュージシャンという事も知らなかった。ミュージシャンとしてもヒット曲が有るらしい。
チーチ・マリンの事もよくは知らなくていつの間にか映画でよく見るヒスパニック系のおじさんという感じだったがこのシリーズで人気を得た事が知れた。

いわゆるドラッグムービー。既に麻薬戦争と呼ばれ深刻な事態であったのかもしれないが、本作はコメディなので平和なドラッグムービー。もしかしたら世界中みんなでドラッグやれば世界平和を叶えられるのかもと思えてしまう。

麻薬撲滅に命をかけるステデンコ警部役はステイシー・キーチ。中井貴一さんの事を思わせる名前だけで記憶に有った。普段はシリアスな役が多いみたいだけど本作のコメディも面白かった。一人だけシリアスと言えばシリアスで周りの刑事はおバカなのでそのギャップが面白い。
トム・スケリットがコメディに出てるのもあんまり見た事無い。ハートフルコメディとかなら出ていそう。

チーチとチョンが語尾に「メーン」の付く話し方で、ヒップホップ系の黒人の話し方を真似する時によく聞く印象だけどルーツはどこら辺なのだろう?